小檜曽山の概要


私が山登りを始めた昭和40年代後半には、小檜曽山ではなく「笹」あるいは「笹山」と呼ばれていました。これが正式な名称であったかどうかは、はなはだ疑問で「笹(集落の名前)の奥にある山」ぐらいの意味でそう呼ばれていたのかもしれません。ちなみに、「高知県民手帳」にある京柱山(1524.7m)というのも、この山のことだと思われます。「小檜曽山頂上」の標識は、地図上の三角点にはなく、すぐ東隣の小さなピークに建てられています。
三嶺の山系の中でも西の端に位置しており、登山者の間でも忘れられたような存在でしたが、近年になって京柱峠からのルートを利用しての登山者が増えています。四国でも有数のブナ林や「一目千本」といわれるモミ林など中腹から県境稜線にかけての森や頂上からの景観に優れた山です。
 

小檜曽山への登山路


 

登山口まで

小檜曽山に至るルートとしては、国道439号の京柱峠から登るルートが一般的です。京柱峠までは、国道32号で大豊町豊永まで行き、そこから国道439号を南小川に沿って東進します。徳島・高知の県境を国道が越える所に京柱峠があります。京柱峠までは公共の輸送機関がありませんので、自家用車でない場合は、大豊町豊永からタクシーの利用になります。




登山コースの案内

 
京柱峠から南に延びる作業道を少し歩くと右手に登山道の案内があります。そこから登山道に入り、牧場跡の草地を横切り尾根に出ると、後はしばらく人工林の間の尾根道になります。30分ほど人工林の中の登りが続きますが、高知県側の歩道沿いにはごく僅かに線状に広葉樹が残されています。私たちは四国の山を自然の植生で結ぶ「森の回廊」を提案していますが、このような尾根筋には、一定の幅で自然林を残すような施業方法を望みます。
登山口から40分ほどのところにきれいなブナ林があります。古い登山道はこのブナ林を経由せず、県境沿いにまっすぐなルートが設定されていたようですが、このルートが出来たことにより小檜曽山が一層魅力あるものになりました。更にそこから15分ほど歩くと、小さな祠があり、周辺は「モミ千本」といわれるモミの純林があります。比較的若いと思われるモミ林で、どのような理由でこのモミ林が出来たか興味がわくところです。
やがて傾斜も緩くなり、笹が中心になってくると間もなく稜線です。稜線に出て右手にルートをとると三角点のピークです。三角点をきちんと踏まないと登ったことにならないと考えられる方はそんなに時間もかかりませんので、往復して下さい。
左手の小高いピークに「小檜曽山頂上」の標識があり、雰囲気もこちらの方が頂上らしい感じです。 小檜曽山から東隣の土佐矢筈山までは笹原の快適な尾根歩きが楽しめます。尾根筋はワラビ谷源流の鞍部で少しアップダウンがある程度で、所要時間は片道50分ほどです。








 


                                    

【参考コースタイム】

(登り)
登山口−(30分)−原生林−(25分)−祠・モミ千本−(20分)−小檜曽山頂上       

(降り)
 小檜曽山頂上−(15分)−モミ千本・祠−(20分)−原生林終わり−(20分)−登山口


地形図  5万分の1 「大栃」 


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