綱附森の概要


 綱附森は三嶺の南東に位置する山です。標高が1643mとそう高くない割にはアプローチが長く、山の形もどてっとしていて、正直なところ見た目からは魅力に欠ける山です。
しかし、ここからの眺望はすばらしく、特に三嶺の写真を撮るには絶好のコースです。

綱附森への登山路


 

登山口まで

綱附森の登山口は、三嶺への登山口である香美郡物部村の光石と、物部村と徳島県東祖谷山村を結ぶ笹笹上林道の矢筈峠です。光石までの案内については 三嶺のページを参考にしてください。
矢筈峠までは国道195号線で物部村大栃まで行き、そこから県道久保大宮線に入ります。五王堂の集落の手前で左に分かれて県道久生野五王堂線、林道笹笹上線を経由し矢筈峠(別名アリラン峠)まで進みます。高知市からの所用時間は約2時間です。  




登山コースの案内

 

光石からのコース

 三嶺登山の高知県側の登山口の中心となっている光石登山口から10分ほど降ると私たちが「木戸の河原」と呼んでいる堂床野営場に着きます。

ここは砂防ダムの上流に土砂が堆積して出来た河原で、絶好のキャンプサイトになっています。

 堂床野営場から、フスベヨリ谷沿いに少し登ると長笹谷との合流点があり、すぐ上流で長笹谷にかかる橋を渡ります。橋を渡って少し登るとまたフスベヨリ谷が現れますがその手前に「さおりが原」への分岐があります。右へ行くと「さおりが原」を経由して「カヤハゲ」から三嶺へと通じる登山道です。フスベヨリ谷コースはまっすぐ進み、谷にかかる吊り橋を渡ります。

ジグザグの道を登り、うっそうとした竹林を過ぎると堂床小屋跡が右手に現れます。以前はここに山小屋がありましたが老朽化したため取り壊されて、今はコンクリートブロック作りのトイレだけが残っています。

 堂床小屋跡から100mほど登ると左側の山手の方へ登っていく綱附森への道の標識があります。これが「綱附新道」と名付けられている登山道ですが、この登山道は国土地理院発行の5万分の1の地図や登山用の地図とルートが違っていますので注意が必要です。(5万分の1の地図に表示にされている道は現在ありません。)

 綱附新道に入って5分程は杉林の中を歩きます。最近間伐をしたため下草が繁茂し、季節によっては少し歩きにくいことがあります。植林地帯を過ぎるとこのあたりではあまり見かけないアカマツを交えた二次林になり、傾斜も緩やかになります。再び傾斜がきつくなった後、小さな尾根の西南側に出て、山腹を巻くように進むと谷に出会います。ここまで、綱附新道の分岐から約30分です。さらに15分ほどで2番目の谷に出ます。
 2番目の谷を渡った後、しばらくこの谷沿いに進みます。ここらあたりは沢の渡渉もあり、またルートがわかりにくい箇所がありますので、赤いテープやケルンを目印に登ってください。また増水時には十分注意をしてください。
 やがて登山道は沢から離れてブナ林の中をジグザグに登っていきます。2番目の渡渉点から約50分で県境の稜線に出ます。県境稜線には指導標がたっており、「いざり峠へ60分」「綱附森へ40分」とありますが、これは登山道を整備したとき健脚の登山者が歩いたタイムでしょうか?実際はこの時間では無理なようです。

 稜線はあまりアップダウンのない尾根道ですが、樹林帯の中を通るため展望の利かない部分もあります。地図に1,552mの標高の表示があるところを南西に少し下ると「ブルンベ平」と呼ばれる開けたところがあります。ここは昔は大学のワンダーフォーゲル部がテント場として利用しており、水場への踏み跡もありましたが、最近は利用してないのか水場への踏み跡も消えています。ここらあたりから眺める三嶺はなかなかのものです。
 稜線を1時間ほど歩くと綱附森の頂上ですが、頂上の手前には偽のピークがあります。「予定より早く着いた」と思うとまだその向こうに本当の頂上があるということになりますので、焦らずにゆっくり登ってください。

 頂上からは、牛の背から天狗塚、西熊山、三嶺、白髪山と山々が北から東に、西には矢筈山から西に続く山並みが眺望できます。また、天狗塚とそれを鏡に映したような1757mの地蔵の頭が並んでいるのも面白い景観です。
 登山道はさらに西に延び、矢筈峠、矢筈山を経て京柱峠まで続いています。光石を起点にした場合、帰路は登ってきた道を引き返すことになりますが、自家用車を利用して二つのパーティーに分かれて光石と矢筈峠から登り途中で車を交換すれば、すばらしい縦走を楽しむことが出来ます。


矢筈峠からのコース

(このルートは最近大栃営林署が整備した登山コースで、地図には載ってないですが、尾根筋の楽しいコースです。1998年の全国高等学校総合体育大会の登山競技のためコースが整備され利用しやすくなっています。)
矢筈山への登山口を通り越して矢筈峠を右に回り込むと広場があり、トイレも建っています。車でもう少し先までいけますが、ここを出発点にした方がいいと思います。
林道を5分ほど歩くと一般車通行止めの柵があります。柵の手前に左手の尾根への登山口があります。
いきなりきつい登りですが、「苦あれば楽あり」で頑張りましょう。ただ、体調が整なわないうちの登りですので、急がないように意識的にゆっくり登りましょう。20分ほどではっきりした尾根に出ます。尾根へ出るまでの10分間ほどはイヤになるような急坂です
尾根に出てから25分ほど歩くと、左に大きくカーブして、県境尾根から南にのびている尾根に出ます。ここらあたりはブナ林の中の尾根道で安らぎを覚えます。更に10分ほど歩くと、1,421mのピークです。ここからは綱附森のどっしりとした姿が望めるのですが、残念ながら登山道の両脇は笹が茂っていて休憩を取るにはあまり適当な場所ではありません。
1,421mのピークから一度降った後、次のピークの肩を横切って少し降ると鞍部になっていて、高知県側から登山道が上がってきています。ここから頂上までは1時間足らずです。頂上手前で少しきつい登りになりますが、目の前に見える頂上目指して頑張りましょう。
 


                                    

【参考コースタイム】

(登り)
 矢筈峠(トイレの前)−(5分)−登山口−(20分)−尾根−(35分)−1,421mピーク −(20分)−高知県側からの登山道−(60分)−綱附森頂上
(降り)
 綱附森頂上−(45分)−高知県側からの登山道−(20分)−1,421mピーク−(35分)  −尾根からの降り(10分)−登山口(林道)−(5分)−矢筈峠
   


地形図  5万分の1 「大栃」 


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