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仁別国有林から切り出される材木を運搬するために敷設された路線で、本線と5本の支線のうち4本が1級線でした。 線路は、県都秋田市の玄関である秋田駅に直結し、比較的平坦な旭川沿いの集落を結んでいたこともあり、旅客輸送も盛んでした。 廃線後は軌道敷の大半がサイクリングロードとして整備されたため、容易に跡を辿ることができます。

路線概要

区間:秋田貯木場〜仁別
規格:1級線(森林鉄道)
動力:手押し・馬力→内燃
軌間:762mm
距離:12.3km
開設:明治42年
廃止:昭和43年9月25日
調査区間:秋田貯木場仁別

廃線跡

 
仁別線の起点である秋田駅の東口には、かつて広大な貯木場がありました。

現在は区画整理が進み、跡地は駐車場と化しており、往時の面影はまったくありませんが、敷地の一角には今も森林管理局職員のアパートがあります。

秋田大学前を通る県道15号線です。

線路はこの道路の西側(画像では左側の歩道部分)をまっすぐ北上していました。

県道は秋田高校グラウンド手前付近から左側へカーブしていきますが、線路はまっすぐ延びていました。

秋田高校西側にあるサイクリングロードが廃線跡で、標識の「仁別国民の森17.6km」という記述が、この道が仁別まで続いていることを示しています。

サイクリングロードとなっていた軌道敷は、新藤田地区付近からは県道拡張に伴いとともに消滅しています。

しかし、秋田温泉付近から再びサイクリングロードとなって姿を現します。

軌道敷は、新興住宅地「グリーンスクエア添川」の裏手を縫うように走っています。

旭川の南側に沿って進んでいた軌道敷は、矢坂地区で進路を北に変え、旭川を渡ります。

現在も自転車専用の橋として活用されており、橋を下から見ると当時のものと思われるプレートガーダーがそのまま使われていることがわかります。

旭川を渡った軌道敷は、いったんは消えるものの、すぐに県道15号線の北側にサイクリングロードとして再び姿を現します。

画像は、補陀寺付近の様子ですが、この当たりには松原という停車場もありました。

ところで、この道が仁別まで続くサイクリングロードであることを示す看板や標柱は随所に見ることができますが、元は森林鉄道の廃線跡である旨の記述は一切見かけませんでした。

軌道敷は、県道とは旭川の対岸を進みます。

そして丸木橋付近で県道と合流し、この道を自転車で来た人は県道の歩道を走ることになります。

画像は合流地点付近からの視点です。

県道に吸収されていた軌道敷は、藤倉釣センター付近から独立し、旭川を渡って再び県道の対岸を走ります。

この橋もプレートガーダーの上にコンクリートを敷いたものですが、こちらはクルマで通ることができます。

対岸に渡った軌道敷は、県道からは確認できなくなります。

この道を自転車で来た人は、深い森の中を蛇行しながら進むことになりますが、随所に落石や倒木の痕跡があり、雨天時は通行止めとなります。

画像は、仁別の1kmほど手前にある「長橋」と名付けられた橋です。

旭又線との分岐点付近です。

仁別線はこの先左側へ進み、旭又線は右側へ進んで旭川を渡っていました。
 
終点の仁別停車場付近です。

ここには駐泊庫があり、多くの車両が置かれていました。

現在でも空き地のままとなっており、引き込み線が広がっていたかつての姿を想像できます。

この先は仁別沢沿いに敷設された中の沢線が延びていました。

▲TOP2005/9/30・10/22〜2009/11/22撮影
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