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白神山地の麓に位置する藤里町は良質な材木の宝庫であり、切り出される材木を運搬するため、多くの路線が敷設されました。 当初は、荷揚場町加護山地区までの敷設とし、そこから藤琴川の筏流しを利用していましたが、昭和2年に二ツ井駅隣に貯木場が完成したことに伴い、3年後の昭和5年に藤琴川を渡り二ツ井貯木場に至る連絡線が建設されました。 さらに、昭和22年に米代川を渡る銀杏橋が完成すると、二ツ井貯木場から銀杏橋まで延長され、合川営林署の小阿仁線や能代営林署の仁鮒線などと接続されて、一大路線網の一翼を担いました。 線路規格はいずれの路線も2級線でしたが、平地の狭い地域に敷設されたためトンネルや橋梁が多く建設されており、廃線後40年以上経った現在でも遺構が随所で見られます。

路線概要

区間:二ツ井貯木場〜藤琴
規格:2級線(森林軌道)
動力:手押し→内燃
軌間:762mm
距離:10.8km
開設:明治44年
廃止:昭和33年8月
調査区間:二ツ井貯木場藤琴

廃線跡

 
藤琴線の起点となった二ツ井貯木場の跡地です。

現在は分譲住宅地として整備され、往時の面影は失われています。

二ツ井貯木場を出た軌道は、奥羽本線の北側を並走していました。

左の画像は、二ツ井駅の北側に残る廃線跡です。

奥羽本線としばらく併走した線路は、現在の国道7号線バイパスと奥羽本線との交差部付近から北上していました。

梅林寺付近からは小川に沿って進んでおり、現在も農作業用の道路として利用されています。

軌道敷は県道317号線と山を挟んで西側を進んでいて、非舗装の狭い道路ながら跡を辿ることができます。

しかし、関口地区付近からは道路から外れ、林の中へと進みます。

それでも、水路には橋が残っており、その前後にも軌道敷がはっきりと確認できます。

山間の狭い土地に広がる水田地帯には築堤が残っています。

水田と奥の林との境目に、きれいに残っている様子がわかります。

その築堤に上がり、山側に歩いていくと、山肌にトンネルが口を開けています。

このトンネルは比較的短く、県道317号線まで続いています。

県道317号線の山側には、まるで鉱山への入口のような坑口が確認できます。

上の写真のトンネルの出口であり、向こう側の入口が見えます。

トンネルを出た線路は、藤琴川を渡って水田の中を直進していました。

この橋は「高岩橋」と呼ばれ、75mの吊り橋と649mの木桁でしたが、狭くて低い橋だったため輸送上のネックとなっていました。

高岩橋から先は、水田地帯の中をコンクリートの高架線で貫いていました。

廃線後、しばらくは橋脚が残っていたようですが、現在はすべて撤去されています。

水田地帯の端は築堤となっていて、その一部が現在も残されています。

この先は町道となって、藤里町中心部を目指します。
 
藤琴川の東側を山に沿って北上した軌道跡は、鳥谷場付近で県道317号線と重なります。

そして市街地の北東付近が藤琴線の終点となり、ここで粕毛線と藤里営林署の藤琴線が接続されていました。

▲TOP2005/8/21・28、2009/11/28、2013/6/1撮影
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