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二ツ井営林署管内で藤琴線と並び幹線の地位にあったのがこの粕毛線です。 粕毛川の東側に沿って敷設されており、並行する県道322号線とは異なるルートを通っていたこともあり、トンネルや橋脚などの遺構が残されています。 しかし、昭和45年に竣工した素波里ダムによって軌道跡は消滅しており、付近の地形も大きく変わっています。
ちなみに粕毛線は、藤琴線が昭和33年の水害で全滅した後も存続していましたが、昭和38年7月25日に秋田沖で発達した低気圧の影響による豪雨で粕毛川が氾濫し、壊滅的被害を受けたため廃止となったものですが、この災害を契機に建設が推進されたのが素波里ダムです。

路線概要

区間:藤琴〜東又沢
規格:2級線(森林軌道)
動力:手押し→内燃
軌間:762mm
距離:18.6km
開設:大正6年
廃止:昭和38年7月25日
調査区間:藤琴浅渡橋

廃線跡

 
藤里町の中心部から北東方向にある藤琴線との分岐点付近です。

ここで西に90度進路を変えて藤琴川を渡っていました。

藤琴川を渡っていた鉄橋の橋台です。

鉄橋は2連式の鉄骨造で、廃線後もしばらくは残っていました。

鉄橋は対岸で河岸段丘にぶつかっており、反対側へはトンネルで抜けていましたが、度重なる川の増水による激しい浸食で対岸の橋台とトンネルの坑門は流出し、現在も崩落が進んでいます。

ところで、藤琴川を渡る橋については上述のとおりですが、実はその橋の50メートルほど上流には吊り橋の橋脚が立っています。

これが軌道の跡なのか、歩道の跡なのかは不明です。

吊り橋の橋脚は対岸にもあります。

すぐ後ろは崖になっていますが、崖に沿って道が付いていたのか、トンネルで山の反対側に抜けていたのかはわかりません。

橋脚は相当腐食が進んでおり、かなり古い年代に建設されたのは確かです。

トンネルを出た軌道は、直角に南下し、寺沢川と県道322号線を横切っていました。

廃線跡を辿っていくと、民家の横にトンネルが口を開けていて、反対側の出口の明かりも見えます。

坑口は塞がれることなく、缶やバケツが置いてあるなど、生活の一部に利用されているようです。

上のトンネルの出口です。

出口は粕毛川付近にあり、坑口からの築堤も残っている様子がわかりますが、この先は土砂崩れにより築堤は切断されています。

粕毛川の東側を北上した軌道は、素波里ダム手前で粕毛川を渡っていました。

県道322号線の浅渡橋の横には、吊橋の橋脚がそびえ立っています。建設当初は木製吊橋でしたが、昭和30年2月に全長90mのプレートガーダー橋に変更されています。
 
対岸にも吊橋の橋脚が残っていますが、プレートガーダー橋に変更した際に新設した川中の橋脚は全て撤去されています。

この先は、昭和45年に完成した素波里ダムによって水没してしまいましたが、渇水期には、素波里園キャンプ場付近から旧猿ヶ瀬橋の橋脚が湖面から顔を出す姿を見ることができます。

▲TOP2005/8/21・28、2009/11/28、2014/4/26撮影
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