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旧二ツ井町の南側にある濁川地区には広大な秋田杉が広がっており、その豊富な材木を運搬するため、能代営林署管内には9路線が敷設されていました。 そのうち、幹線に当たる仁鮒線だけが1級線で、仁鮒地区を起点に多くの支線が枝分かれしていました。 開通当初は、米代川の筏流しを利用していましたが、昭和22年に米代川を渡る銀杏橋が完成すると、合川営林署の小阿仁線や二ツ井営林署の藤琴線などと接続され、一大路線網の一翼を担いました。 軌道敷は現在の県道203号線沿いに敷設されていましたが、廃線後は県道に姿を変えたり原野に帰ったりしてしまい、かつての面影を忍ぶことは困難です。

路線概要

区間:仁鮒貯木場〜濁川
規格:1級線(森林鉄道)
動力:手押し→蒸気・内燃→内燃
軌間:762mm
距離:22.3km
開設:明治42年
廃止:昭和46年
調査区間:仁鮒貯木場濁川

廃線跡

 
仁鮒貯木場跡地です。

現在も米代西部森林管理署が管理していますが、材木はまったくなく、トラック置き場と化しています。

仁鮒地区の南側では、県道203号線に沿って進んでいました。

軌道は県道よりも1段高い位置を進んでいたようで、側壁と県道の間にスペースがあるのがわかります。

ちなみに、現在は水路となっています。

濁川地区までは現在の県道203号線がほぼ軌道跡です。

途中の揚石隧道付近には旧線の跡と橋脚が航空写真で確認できますが、周辺は林となっていて近づくことはできません。

仙ノ台地区からは県道294号線となり、濁川地区北部からは県道314号線に変わります。

そして濁川地区に入ると道端に不思議な門のような構造物があり、この下を軌道が通っていました。

門の先の濁川には立派な石積みの橋脚が2本残されています。

この路線が開通したのは明治42年なので、ほぼ1世紀も昔の代物ということになります。
 
濁川を渡った先にも廃線跡は畦道となって残っています。

傍らにはレールで組み立てた電柱(左側で斜めになっている赤い柱)が1本だけ残されています。

軌道跡は、この先も県道314号線とほぼ同じルートをたどって南下していきます。

仁鮒貯木場〜米代川河口


上述したとおり、仁鮒線は当初、米代川の筏流しを利用すべく、仁鮒貯木場から先は米代川の河口まで敷設されていました。 この区間は、銀杏橋の完成に伴うルート変更に伴い、その役目を終えています。
 
森林事務所の敷地内です。

ここには旧仁鮒農協があり、現在も幅広の敷地が残っていることから、ここで米の積み出しが行われていた可能性もあります。

ちなみに、画面上部の影はトンボです。

北側には小川があり、そこには橋台がしっかりと残っています。

形状からして短いトラフガーダーが載っていたと推測されます。

▲TOP2005/8/21・28、2006/8/5、2010/9/24撮影
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