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もともとは大葛村の大谷から中野までに敷設されていた民営の浅野軌道を、昭和3年から5年にかけて買収して改良を加え、中野から犀川左岸に沿って扇田貯木場まで敷設したのが扇田線です。 この路線には4本の支線が接続していて、扇田線と2つの支線が規格の高い1級線でした。 廃止後は、大半の軌道敷が道路に転用され、容易に廃線跡を辿ることができます。

路線概要

区間:扇田貯木場〜大谷
規格:1級線(森林鉄道)
動力:(不明)
軌間:762mm
距離:21.2km
開設:昭和3年
廃止:昭和33年
調査区間:扇田貯木場大葛

廃線跡

 
扇田駅の南側にはかつて貯木場が広がっており、扇田線はここを起点としていました。

今は何もない空き地となっていますが、現在でも東北森林管理局の管理地となっています。

なお、右奥に見える緑の屋根が扇田駅舎です。

貯木場を出た線路は、すぐ犀川を渡っていました。

鉄橋は廃止後に道路橋となっていますが、橋脚は当時のものと思われます。

なお、現在の道路橋は昭和45年に架け替えられたものなので、廃止後12年間は鉄橋が放置されていたか、橋桁をそのまま使用していたものと思われます。

ちなみに奥の山は比内町(平成17年6月20日から大館市)の象徴である達子森です。

犀川を渡った路線は、水田の中を駒橋地区まで直進した後、南側に大きく曲がって長内沢支線を分岐し、再び犀川左岸に沿って直進していました。

現在は幅広の農道になっていますが、おおむね路線跡をなぞっています。

左の画像は長部地区の軌道跡で、この先すぐに長部川を渡っていましたが、県道22号線となった現在は、護岸工事と橋の架け替えによって当時の面影はまったくありません。
 
大葛地区の軌道跡です。

非舗装の畦道として残ってはいますが、ここが軌道跡である物証は一切見当たりません。

▲TOP2005/9/29・2010/5/2撮影
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