B [海上自衛隊]

 岩国基地では,海上自衛隊が共同使用の形で「間借り」しています。1973年に第31航空軍、83年には第81航
空隊が開設されました。88年には第111航空隊が下総から移駐し、92年には第8航空隊が編成されています。

1、 自衛隊の基地使用形態

  

使 用 区 分

面積(約)

米軍専用区域(提供面積)

2103千u

米軍管理自衛隊共同使用区域(提供面積)

3606千u

自衛隊専用区域(行政財産面積)

   33千u

合計(岩国飛行場総面積)

5742千u

2、 基地隊員数の推移

年次 隊員数(約・人) 備考
1968年 200 第51航空機岩国航空分遣隊発足時
1973年 530 第31航空群発足時
1979年 1180
80年 1190
81年 1270
82年 1320
83年 1360
84年 1310
85年 1230
86年 1120
87年 1010
88年 960
89年 1020 第31航空群(PS−1部隊)の解隊、第111航空隊の移駐
90年 1040
91年 1120
92年 1310 第8航空隊新編
93年 1400
94年 1490
95年 1490
96年 1500
97年 1500
98年 1550 第31整備補給隊新編
99年 1580
00年 1570 第8航空隊廃止、第91航空隊新編
01年 1560 第81航空群改編
02年 1600
03年 1570
04年 1570




















































(注)各年は12月
1日現在。

3、
部隊構成(別表)

4、
新ガイドラインで重要な役割を担う岩国の海上自衛隊

  日米新ガイドラインでは、機雷掃海、情報収集などが自衛隊に義務付けられています。 岩国基地には、それらの任務につく航空機が多数配備されています。

@   
危険な役割 − 掃海ヘリMH53E 

日本の機雷掃海技術は世界でもトップクラスのものといわれています。呉などに配備されている掃海艇は、あらかじめ掃海ヘリコプターによってそのとおる道筋が掃海されなければ、掃海艇が「被雷」してしまいます。そのため、この前駆掃海を行なう掃海ヘリコプターと掃海艇はセットになって行動します。

 日本でただ一つの掃海ヘリコプターMH53Eの部隊が岩国基地に配備されており、そのパイロットは海上自衛隊の中でもエリートと言われています。


 新ガイドラインでは、機雷掃海が自衛隊の役目になっていますがそもそも相手国が布設した機雷をとりのぞくことは、その国に対する敵対行為にあたるもので、海 上自衛隊のMH53Eは、米軍の戦闘行為 − 攻撃の露払いを行なうことになります。それは多くの犠牲者の 出ることが予想される、きわめて大きな危険を伴うものです。

 湾岸戦争のときには日本の掃海ヘリは出動しませんでしたが、それは掃海ヘリを運ぶ手段がなかったから だといわれています。現在、呉基地に掃海母艦「ぶんご」や強襲揚陸艦「おおすみ」などが配備されています が、これは、掃海ヘリを運ぶことのできるもので、自衛隊の掃海ヘリMH53Eを海外に派遣する条件が整って きたことを意味します。


A   
EP3 − テポドン発見

電子戦データ−収集機EP3は、広い範囲で電波情報や通信情報収集などを行っています。1998年8月31 日、北朝鮮がミサイル、テポドンを発射した時、第63護衛隊「みょうこう」とともに第81航空隊所属のEP3が 警戒監視活動に派遣され、大きな役割を果たしたといわれています。12月9日海上幕僚長からこの第81航 空隊に第2級賞状が与えられました。






B    妨害電波を発射するUP3D

UP3Dは妨害電波発射能力を持ち、8艦8機で編成されている一護衛隊群を一機でカバーする電子戦 訓練支援機です。

 自衛隊は、UP3Dが艦隊のECM(電波対抗策)能力の向上に寄与していると発表しています。

 近年、このUP3Dの調達が続けられていますが、それは98年度、4個の護衛艦にイージス艦が一隻ずつ 配備されたのに合わせたものです。岩国基地には2000年春二機配備され将来3機体制になる予定です。

C    第81航空隊を唯一の情報収集専門部隊に

 2000年度、画像情報収集機OP3Cの岩国配備が予定されており、第81航空隊はEP3とOP3Cからなる 海上自衛隊唯一の情報収集専門部隊として編成されます。そして新たに91航空隊が設置され、UP3D、U 36Aなど訓練支援部隊が編成され、第8航空隊の廃止が予定されています。

海上自衛隊が日本周辺海域で演習(2001、11、4〜11)
 海上自衛隊台31航空群(岩国市)は今年の海上自衛隊演習を11月4日から11日までの日程で行うと発表した。
規模は自衛艦隊各地方隊の艦艇約80隻、航空機役180機、隊員約3万2000人が参加し海上自衛隊岩国基地からはUS1A救難飛行艇、EP3電子戦データー収集機など5機種30機隊員1500人が参加する。