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私達も一緒に収穫・配達作業をさせてもらったが、一家庭あたり結構な野菜の量である。今週の配達内容は、シルバービート、レッドビート、ほうれん草、イタリアンパセリ、ラディッシュ、ミニ大根、サヤエンドウ、サラダミックス(みずなやロケットなど)だ。一世帯につき、ハーフシェアで600ドル、フルシェアで1200ドル(30週分)。今年はまだテスト期間中の1年目なので、来年はフルシェアのみにしようか、量はこうしよう、などと二人でいろいろと相談しながら試行錯誤中だ。私達もCSA・提携を日本で行いたいと思っているので、その値段やメンバーの意見、日本やカナダのCSAについてなど、作業中も農業の話題で盛り上がる。なんでも、カナダやアメリカなどの北米ではCSAは星の数ほどあるそうだが、オーストラリアではまだ片手に数えるばかりだそうだ。オーストラリアでも、これからはCSAが広がっていくのではないだろうか。 |
ここでのウーフはコミュニティとして受け入れてもらうため、ウーフコーディネーターによって調整された作業を毎日行う。違う人の家で様々な仕事をさせてもらえるので、結構面白い。ある1週間のウーフの作業は、以下の通りだ。
月 午前:共有地の雑草掘り。午後:アマンダ宅で小屋掃除。
火 一日:カリンガル・クラスターで薪割りと温室づくり
水 午前:CSA−野菜の収穫と配達。午後:ジュリア宅で土壁作り。
木 午前:ジェリー宅でベリー詰み、マルチ。午後:スザンナ宅でペンキ塗り。
金 一日:CSA−手伝いで畑作業と苗のポット詰め。
土・日 休み |
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個人の家で受ける場合は、ウーファー一人1日につき個人が8ドル(半日の場合は4ドル)を払い、食事を提供する。集まったお金は、ウーファーの自炊時の食費や光熱費、コーディネーター費用(年間500ドル)に使用される。また、コミュニティの仕事(例えば、コミュニティハウスの掃除、共有地の藁集めなど)をしたときには、食事は自炊するようになっている。ウーファーからの問い合わせも多いようだが、あまりたくさん受けすぎると、仕事が足りなくなるので、断ることもあるという。私達がいた時にも、韓国や日本、イギリスなど全員で2〜6人くらいは常時滞在している。 |
さて、ムーラムーラのコミュニティとしての活動を聞いてみたところ、想像以上に、結構たくさんあった。定期的なものもあれば、誰かの提案で始まったものもある。
・ ワークデイ/共同作業日(月1回):クラスターが交代で全員のランチをつくる。
・ ムービーナイト(不定期)
・ 男性のお料理クラス(月1回):レストランでコックをしているムーラムーラメンバーのスザーンが講師。
・ 女性の読書クラブ(月1回)
・ フルムーンディナー(不定期):満月の夜に、みんなでご飯を食べる。誰かが思いついて提案したもの。
・ スウェットロッジ(不定期):スウェットロッジ自体は、ネイティブアメリカンの伝統的儀式。テントの中で焼いた石に水をかけてサウナのようにする。ムーラムーラでは男性だけで集まって語り合い、終った後はビールを飲み、ダムに飛び込んで泳いだそうだ。
・ フェスティバル(2年に1回):トゥーラビウォング山やヒールズビル地域の人と協力して、開くオープンなお祭り。ワークショップやマーケット、子どもの遊びなど。
・ コミュニティカフェ(毎週土曜の午前中):お茶とケーキなど、軽食。住人の中で、やりたい人が行う。
・ ディレクターズミーティング(月1回):誰でも議題を提案でき、誰でも参加できる。メンバーに決議権がある。
・ コミュニティミーティング(月1回):「子育て」「コンポストトイレ」など、一つのテーマを決めて、皆で話し合う。
・ オープンデイ(月1回):外部の人向けの説明会。お茶を飲みながらコミュニティの暮らしについて話を聞き、コミュニティ内を案内してもらえる。
これ以外にクラスターの食事会やワークデイがあったり、コミュニティ内で個人的に語学を教えてもらっていたり、子育て中のお母さん同士が子どもを預かりあったり、年配の人が子どもを預かったりしている。「コミュニティとして」と肩肘はらずに、自然発生的な密度の濃さを感じた。設立から30年以上経つ老舗のコミュニティだからこそなのかわからないが、とてもリラックスした印象を受けることが多かった。 |