本文へジャンプ  
日本の食料自給率と食生活

 私たちは毎日のように肉を食べますが、果たして本当にそのような量が必要なのでしょうか。
私たちは肉を食べないといけない、栄養がとれない、スタミナが出ないと思いこんでいるのではないでしょうか。
もしくはそのように思わされているのではないでしょうか。

 日本の食料自給率は40%(カロリーベース)です。そして、穀物自給率は28%、飼料自給率は25%です。
この28%という数字は先進国でも最低で、世界175か国中128番目という位置です。

 現在、日本人は1人1日当たり、肉類を78.2g(1年間当たり=28kg)、魚介類を92g(33kg)、
卵を39.2g(14kg)、牛乳を106.2g(38kg)、乳製品を21.4g(7kg)消費しています。
肉を種類別に見ると、牛肉20.5g、豚肉27.4g、鶏肉20.1g、ハム・ソーセージが9.5gです。
 主食のお米は160g(60kg)の消費です。

 自給率の低さと、畜産物の消費の多さのは以前からではありませんでした。
私たち日本人は明治以前まではほとんど肉を食べていませんでした。
それが、文明開化時の肉食奨励、欧米文化の導入に始まり、特に戦後の輸入によって大きく食生活が変ったのです。
戦後の食生活変化の背景にはアメリカによる小麦戦略と日本の栄養改善運動があります。
 現在(2000年)の消費は、1950年(昭和25年)と比べると、肉類9倍、卵類7倍、牛乳(乳製品を含む)18倍の消費です。
1960年(昭和35年)の高度経済成長期の始まりと比べても、肉類4倍、卵類2倍、牛乳4倍、乳製品6倍の消費をしています。
 一方、お米の消費は約半分になりました。
 つまり、食生活の変化は肉、卵、牛乳などの畜産物と小麦の消費が増え、お米の消費が減ったということです。
そうして、1965年(昭和40年)には73%もあった自給率も下がり続けました。
 自給率が下がった原因にはその他様々な要因がありますが、主には食生活の変化によるものなのです。
つまり、食事が欧米化・洋風化したのです。
 そして、食生活の変化に伴い、肉類と穀物の輸入も増えました。
1960年と比べると、穀物全体で6倍、小麦2倍、大麦70倍、とうもろこし10倍、肉類全体で65倍、牛肉144倍、
豚肉177倍、牛乳・乳製品16倍をも輸入しています。
 今では日本は、世界の農産物貿易で肉類1位、とうもろこし1位、大麦3位、大豆3位、小麦4位の輸入をしています。

 日本人はお米を中心に、雑穀、野菜、いも、海藻、といったバランスの良い日本型食生活をしてきました。
現在の日本人は脂質とたんぱく質の摂り過ぎでバランスが崩れてきています。そして、ガンや生活習慣病などの病気にかかっています。私たちの食生活を振り返り、輸入に依存しない食を確立する必要があるのではないでしょうか。