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D6 焼印とホットシーラー +電熱ペン  (2013. 4. 10)

30W半田ごて  半田ごての応用2題。

 半田ごては通常先端のコテは交換できるようになっていますすので、コテ先を交換して焼印とホットシーラーを作成しました。

 現在使用中の30W半田ごてと、ケヤキの耳付き端材から作ったコテ台です。

(2015.8.18 電熱ペンを追加して応用3題)


 焼印 ==========================================================

 作成した木工作品に焼印を押したらカッコいいなーと思ってはいたものの、自分で作ってみようとまではなかなか至りませんでした。

 焼印を押したからと言って誰も見てくれるわけではありませんが、押された焼印を眺めてニターッとしている自分の姿が脳裏に浮かびます。
 いつもの自己満足、道楽の極みです。

 

作成手順です。

(1) 素材は真鍮です。

 焼印本体となるブロックと半田ごてに差し込む柄となる丸棒を準備します。
丸棒は使用する半田ごてのサイズに合わせます。

(2) 最初に印面に反転させた陰影を転写します。

 印刷した紙をカーボンペーパーで複写する方法もありますが、細かな転写は難しそうだし、転写像が作業中に消えてしまいそうだったので、フィルムラベルに印刷して直接貼り付けました。

(3) 印面の陰影を残して切削します。

 切削工具は、ミニルーターがあれば良いのですが、あいにく持っていません。
これだけのために新調するのも癪なので、最初はだめもとで手持ちの工具だけで方法を種々検討しながら切削してみました。
            工具類
 最初は、切削部の面積に合わせ、適度な径のドリルで浅く穴を開けました。
云うまでもなく、ドリル使用前のポンチングは必須です。

 線状の切削部にもできるだけ密に破線状に穴を開けました。
次いで、ミニヤスリで可能な限り削りました。
線状の部分は波線をつなぐようにコンクリート針(写真の金鋸の右にある丸錐)で溝をつくりました。

 ポンチングとコンクリート針でつないだ溝の周辺部は盛り上がっているので最後にペーパーで印面表面を平滑にしました。

 朱肉を付け紙に押してみて、微調整します。

 尚、作業は素材をクランプでしっかり固定して行いましょう!
特に電動工具の場合は安全上、素材固定は必須です。

 結果的に何とかそれなりのモノができました。
それなりとは、「手作りの味が出た、趣のある」との意味で、人によっては「雑な」と表現する人もいるようですが、ものは考えようで人生はバラ色です。

 (・_・) うっ! 絵にかいたような能天気!



(4) 後面の中心部に穴を開け、丸棒を打ち込みます。

 最初にガイドとして3mm径の穴を開け、次いで6mmドリルを使ったのですが、刃が真鍮に喰い込んで何度やってもうまくいきません。
真鍮は軟らかくねばりがある金属なので大きな径を開ける時には喰い込みやすいようです。
 結果的にドリルの刃先を殺して(先端刃を砥石で落とし、切削面に対し直角にする)うまく開けることができました。
 ヤレヤレ

 柄を金槌で打ち込んで、できあがりです。
打ち込む時には、印面と柄には傷つけないように板を挟みましょう!


 早速半田ごてに組み込んで試し押しです。

 実は、半田ごてを使った焼印を作成するにあたって、30Wでは能力が足りなそうだったので60W品を百均で新調しました。

 30Wと60Wではコテ先の半径が各々4mmと6mmで異なり、4mm径で作ってから熱量が足りないので60Wに変更しよう・・・・と言うわけにはいかなかったので、それなら安全策で最初から60Wサイズで作成したというわけです。

 とっ、ところが、何ということでしょう、60Wでも能力が足りなぁーーーーい。

 最初に作ったのは「M&M」ですが、板の上に5分程放置してようやく焼印が浮かび上がってきましたが、いわゆる像がピンボケ状態。 
 しかし、冷静に考えてみれば、焼印本体は16cm3(2×2×4cm)もあるブロックですから、まぁ無理もありません。

 しょうがないのでバーナーで焼いて押すことで、ようやく鮮明な焼印ができました。
                      
・・・・・って、このために新調した60Wの半田ごてが、ただのハンドルになっちゃったてこと??


●概略予算

 2,675円

 真鍮 2,045円   ( 2×2×10cm  965円)
(1.5×1.5×10cm  560円)
(6mmφ×30cm  520円)
 半田ごて 630円  



 PS: 半田ごての使い方メモ(HAKKOのHPより)

・ 半田ごては新品でも電源を入れて30分以上放置すると、コテ先が酸化してハンダがのらなくなる。

・ 半田ごてを置く時にはこて先の酸化を防ぐためはんだはのせたままにし、はんだする時にこて先を綺麗にぬぐう。使用後もはんだをつけたまま保管する。

 実は、半田ごてのこんな基本的なことも分からず、使用するだいぶ前に準備(電源ON)して放置するのは毎度のこと、更に「使用後はきれいにして戻す」が小学校以来しっかり身にしみついており(ホントかぁ?)、コテ先もきれいに拭っていた、♪あぁ〜、私バカよね、おばかさんよね♪〜
 

(2014.1.29 追記)

 小さなキノコの焼印です。

 真鍮製ノブの頭を平らにして、キノコを掘り込みました。 柄は前と同様6mm真鍮棒を打ち込みました。

 さすがにここまで小さくなると半田ごての電熱だけで充分熱せられバーナーは不要で、ようやく60W半田ごてを購入した意義がでてきました。

 せっかく作った小さな治具は、ややもすると端材に埋もれて行方不明になったり捨ててしまったりするので、それを防ぐための目印用です。


 ホットシーラー ==================================================

 ポリシート、ビニールシートの接着は、専用接着剤を試しましたが、接着強度がイマイチだったり、きれいな線状の接着が困難で満足できるものではありませんでした。

 確実に接着するには熱融着法なのですが、クリップ式ホットシーラーは高価で、時々趣味で使用する程度では全くの考慮外でした。


 焼印を作る過程で、ネットをいろいろのぞいていたら、半田ごてのコテ先だけ替えたようなホットシーラーを見つけました。ヘラ型とローラー型があり、ホームセンターにちゃんと売ってました。
 知らなかっただけでしたね。

 ヘラ型だったら作れそうです。
焼印制作で余った丸棒を曲げて、シーラー部を若干切削加工して、比較的簡単に出来上がりました。
          ホットシーラー
 お店で製品のマニュアルをそっと覗いたら、接着する素材の上にセロファンを乗せてその上からシーラーを押し当てるとありました。
でも手元にセロファンがなかったので、シールテープで代用しました。
 スピードコントローラで温度を調整して、きれいなシールができました。
      
 焼印では、ただのハンドルになり下がった60W半田ごてでしたが、ここでしっかり復活しました。

 市販のホットシーラーは40W以上ですから30Wの半田ごてで作ったのでは能力不足だったはずです、絶対に能力不足です・・・と、60W半田ごての購入は無駄ではなかったと、一生懸命自分を納得させるのでした。

(2015.8.18 追記)

 電熱ペン =============================================================

 皮革や木材にはんだごてで焼き付けて描くバーニングアートという分野があります。
別名「焦がし絵」、木材に限定すると「ウッドバーニング」、ネットを検索すると素晴らしい作品を沢山見ることが出来ます。

 なんでもやってみたいたちで、結局は何事も中途半端となるのがオチなのですが、早速これにも飛びついてしまいました。

・・・・・というのも、焼印を作って真鍮丸棒が余っっていたので使い道を探していたのですが、その網にバーニングアートが引っ掛かってきたというわけです。


 市販品に倣って試作した電熱ペンは、丸ペン(直径が0.5、1.0、2.0mm)と平ペン(幅が2.0、5.0mm)の計5本で、加工は真鍮棒を電動ドリルに取付け、固定ディスクグラインダーで削りました。

            

 スピードコントローラーで温度調整し、始めに小鳥の表面を描いてみました。先頭の写真です。
 その結果、はんだごてのハンドルとペン先が離れていて細かな描画が難しいことが分かり、先端から嵌め込む延長ハンドル?を作りました。

      


 これからドンドン作品を発表したいと思います。  ← あくまでも心意気です。


(2015.10.24 追記)

 電熱ペンのその後です。

 延長ハンドルは結果的に全く役に立たず、その上に濡れタオルを巻いて使うという全く間抜けな仕儀となりました。

 小さな作品をふたつ終えた段階で延長ハンドル内部は完全に炭化してしまいました。



 ところでウッドバーニングはやってみるとなかなか面白くて、継続する気満々で、それならちゃんと専用道具を購入すればよさそうなものですが、ウッドバーニングを始めたいきさつ上ここは”意地”でも半田ごてを使わなければなりません。
ホントばかですねーー。


 ・・・・で、次に思いついたのが、ハンドルの中に送風するアイデアです。
送風機器に関しては恥ずかしくてここには書けない紆余曲折があったものの最終的には遊んでいたヘアドライヤーに使うことで落ち着きました。
勿論熱風ではなく冷風送気ですヨーー

 効果ありそうなので、延長ハンドルを作り直し、送風管の接続等の調整しました。

 ところが、最初に持っていた30W半田ごてには、ねじ込み式ハンドルが別途付いていて(冒頭写真の尾部の黒い筒)、これがピストル型とスリ棒型のハンドル以外に、こての保護カバーを兼ねていることに遅まきながら気が付きました。

 これを使わない手はありませんので、60W品から40W品へ移行です。

 円錐形のカバー先端を切り落としてねじ込んでみると、うーんこれまた
グッドですネ。

 写真が現在の形です。
なんとも仰々しい道具になってしまいました・・・・(汗)

    


 30W半田ごてはこての直径が4mmですから、新たに4mm径の真鍮棒を購入してペン先も全て新たに作りました。
 ついでに下絵の複写用に鉄筆ならぬ真鍮筆も作りました。(写真の中央)

 ウッドバーニングを始めたきっかけが余った6mm真鍮棒の活用であり、これが半田ごてにこだわっている理由なのですが、やっていることに筋が1本も通ってないですね。(泣笑)


 ・・・・・ 
最終的には専用品(ハッコウ マイペン アルファ)を買ってしまいました。
        テヘヘ

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