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J51 <測定・けがき> 定規とコンパス

 何か作るときの最初の作業が寸法線(けがき線)を入れることです。
精密な寸法線は”けびき”によらなければならないでしょうが、最も手軽な方法はやはり鉛筆で寸法を入れ方法です。
 そのための基本的な用具と言える定規とコンパスを載せてみました。

 定規は上総木工交流会でアイデアをいただきました。
 毎度ありがとうございます。 m(_ _)m


  J51-1 平行定規
  J51-2 角の45度定規
  J51-3 大コンパス
  J51-4 等分割・黄金分割デバイダー


J51-1 <測定・けがき> 定規とコンパス → 平行線定規   (2013.3.4)

 板材の辺から平行線を引くための定規で、箱の背面板を側板に留めるときの釘の位置決め、あるいは中央線の描画等、いろいろな場面で結構出番が多い定規です。

 アクリル板の厚みを考慮すると目盛は裏面(角材と接する面)に打たなければ精度は望めませんので、若干工夫が必要です。
 
 透明フィルムに数字を鏡文字にして印刷するのがポイントで、これをアクリル板に貼りつけて、更に印刷面の保護のためのフィルムを重ねました。

 それを6mm蝶ナットで角材に固定しました。

 目盛は50mmまで打ってますが、構造を見たら一目瞭然、実際はせいぜい25mmが限度ですネ。

・・・・・もっと大きなアクリル板を作る予定です。

J51-2 <測定・けがき> 定規とコンパス → 角の45度定規  (2013.11.18) Top ↑

 板材の角はデザイン上あるいは怪我防止の観点から、45度にカットあるいは丸く研磨することが多いのですが、、それらが同じサイズに揃えるのは結構面倒です。

 いままでかなりいい加減だったのが、この治具でけがき線を入れることでことでキッチリ綺麗にカットできるようになりました。

 目盛を印刷した透明フィルムを保護カバーと共に板材に貼り付けたあと三角形のアクリル板をビスで固定しました。




J51-3 <測定・けがき> 定規とコンパス → 大コンパス  (2013.11.18) Top ↑

 大コンパスなんて色気も何もないタイトルですね。
            
 コンパスとは「2本の脚が中心機構で接した円を描くための製図用具」と定義されるようなので、ここで紹介している脚が一本しかないものはコンパスではなく「大きな円弧を描くための用具」というのが正解のようですが、まぁ、あまり細かいことは気にしないことにしましょう。

 写真を見たら分かる通りで特に説明はいりませんが、鉛筆とカッターの両方を使えるのがミソです。  
 OLFAのコンパスカッターを愛用してるのでその刃の部分を兼用できるようにしました。

 鉛筆挿入部は、鉛筆がグラグラすると正確な円弧が描けません。
六角鉛筆の太さを実測してみると、7.2mm(辺間)と7.8mm(頂間)でしたが、手持ちのドリルが7mmしかなかたので7mm径の穴を開け、挿入する鉛筆をペンチで多少締めて(これも一種の木殺しかな?)グリグリと入れました。
 結果オーライでした。

 更に、棹の上面にスケールを貼り付けました。
毎度のことですが、白色フィルムに印刷し、メンディングテープでカバーしています。
半径60cmまで描けますがちょっと長かったかな?

     
 
 実はこれを作るきっかけはサイクロン集塵機の鋼板製コーン部の作画だったのですが、ここだけの話、実際に作ったのは集塵機が出来上がった後でした。

 んっ?、そうですよね、しっかり治具を作ってから本体作成へ、というのが当たり前の順序なのですが、往々にして”取り敢えず法”で済ませてしまい、後で汎用治具なのだから今後のことを考えてやっぱり作ろーーということが結構あるのです。

 ・・・・・ ところで、これを使うチャンスは未だに巡ってきておりません。
      (^^ゞ

 学研のDIY雑誌「ドゥーパ! No.118 (2017年6月発行)」に紹介記事が掲載されました。こちらです。

  (2017/09/13 追記)

 大コンパスと称して作ったシロモノは、描画最大半径が60cmでした。 
 これって、作った本人が言うのもなんですが、半径20cm以下の円を描くには尻尾が邪魔して使いにくい・・・・オイオイ

 以前ネットで発見して狂喜乱舞して買った、軸径3.5mmのOHTOの「ミニモシャープ」がまだ在庫してたので、それを使って、”脚が2本”のいわゆるコンパスの定義に則ったものを作りました。

 デザイン的に考慮したのは、いずれの開度でも針と鉛筆が紙に対して垂直にできること。


 適当な端材で作ったのですが、結果的に最大半径が50cmと前作とあまり変わらないサイズのコンパスになりました。

 これで通常のコンパスと合わせて、大中小(大大小かな?)の3サイズ揃い踏みです。

   


 
  (2023.10.5 追記)


 万能筆記具ホルダーです。
 カッター刃を含め最大軸径14mmまでの筆記具が使えるホルダーを新作しました。

 筆記具押さえ(A)は左右が凸型で側板の溝に沿ってスライドします。

 筆記具は隅に寄せてしっかり固定できるように押さえ(A)の片側は傾斜をつけました。

 最大半径50cmまでカッターと各種筆記具が自在に使えます。

 

 
 
J51-4 <測定・けがき> 定規とコンパス → 等分割・黄金分割デバイダー  (2015.9.30) Top ↑

 ネットでドラパスの等分割デバイダーなるものを見つけました。
(右写真)

 22個のステンレス製パーツが38個の点で接続されており、最大200mmを10分割できます。
木箱等の釘あるいはネジ止めの時にあれば便利ですが、価格は約2万円でこの用途Onlyにはさすがに財布のひもは開きそうもありません。


 想定される用途では精度もそれほど要求されないので手作りしようと考えていたら、今度は投資日報社のゴールデン・サイクル・ルーラーなるものを見つけました。(下写真)
 メーカー名からも分かりますが
(?ホントは全く結びつかない?)これは株価解析用で等分割と黄金分割がセットになったシロモノです・・・みたいですが、これでどうやって株価を解析するのかなぁ??
       

 前述のドラパスのものより製作のハードルは低そうなので、黄金分割部分は除いて黄色の破線部分をコピーして作ることにしました。
 そういえば同様な形で伸縮ベランダ物干し竿受けアームなんちゅーのもありましたね。


 材料はアガチス材で、サイズは 3Tx13W(mm)で、パーツD(上記写真参照)の支点間距離を50mmとしました。

 但し構造上いい加減な加工では組立てられないことが予想され、支点位置の精度が要求されますので、厚みと幅が同じサイズのアクリル板でテンプレートを作り、それをドリルガイドとしました。

 テンプレートと組立前の各パーツです。
            

 支点を止めるM2ボルトナットはそのままではすぐ緩んでしまいますので、ナット側に瞬間接着剤を垂らして固定しました。

 完成したデバイダーは115〜355mmの距離を8分割でき最少間隔は14.4mmとなります。
各間隔値のバラツキを実測したところ2%以内に収まっており、用途を考えたら十分満足できる結果でした。
   


(2015.10.17 追記)


     


 治具を活用するチャンスはまだほとんどないままに、じっと眺めていたらやはり黄金分割を組み込みたくなりました。
 
 木工でも箱や家具等のデザインの助けになりますが、この分野の先達はいかけやつうりんさんで、黄金比コンパスを作成して紹介しています。 
今回の作成の参考にさせていただきました。ありがとうございました。


 オリジナルのゴールデン・サイクル・ルーラーは用途が異なり木工用にはサイズが小さいので、サイズアップを図りました。
 最終的にはパーツを3コだけ交換することにしました。
 (右のパーツ寸法図のGとHです。)

 黄金分割の他に白銀分割も組み込んだのですが、これらは、

 黄金比=1:1.6180・・・・
 白銀比=1:1.4142・・・・

で表される比で、古今デザイン上いろいろな場面で見ることが出来ます。



 測定精度を実測した結果、バラツキは等分割と同様2%以内でした。
(シリコンスプレーで接続点の滑りを良くすることは精度アップに効果があります。)

 頻繁に使うようであれば上述のいかけやつうりんさんの専用コンパスがシンプルでお勧めです。


 学研のDIY雑誌「ドゥーパ!手作り週末木工2016-2017(2017年5月発行)に紹介記事が掲載されました。
こちらです。

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