福島原発事故独立検証委員会「調査・検証報告書」批判 (2012.4.5)


トップページ「ヘッドライト・テールライト」で3月20日から4月4日まで4回にわたり掲載した「民間事故調」報告書批判をここに一括再録します。

「独立」の看板に見え隠れする文科省の影 〜「民間事故調」による福島原発事故報告書〜 (2012.3.20)
再稼働問題で早くも綻ぶ「第8章」の論理 〜「民間事故調」報告書批判 その2〜 (2012.3.27)
「ぞっとした」引用手法の「第3章」 〜「民間事故調」報告書批判 その3〜 (2012.3.30)
「防げた事故」がキーワードだった 〜「民間事故調」報告書批判 その4〜 (2012.4.4)
「民間事故調」とメディアで略称される「福島原発事故独立検証委員会」による「調査・検証報告書」が発売されたのは3月11日。それに先立って、2月28日に日本記者クラブにて記者会見が行われました。ところが、報告書のコピーが一部メディアにしか配布されず、そのメディアによる報道は、つまみ食いの域を超えず、いったい報告書には何が書かれているのか、民間人は興味をかき立てられるのみでした。

ところが、いざ発売はされても、メディアが騒いだ割には、きちんとした論評なりブックレビューが見当たりません。どうやら、独立した民間の有識者が国会事故調に先駆けて事故調査を発表した、という既成事実だけが定着したかのようです。

実際に読んでみると、メディアの取り上げ方が間違いだったと分かりました。しかも、その間違いを誘導したのは報告書そのものにありました。とりわけ、「民間」「独立」の看板に騙された気配があります。

それなら、わたしだって「民間」「独立」のウェブ・パブリッシャーだ。その立場からブックレビューを書かないとなりません。メディアによって植え付けられたこの報告書の印象を、そのままにして置くわけにはいかないから。

というのは、これから国会の事故調の報告が出ます。そのときに、この「民間」の報告書がかならず引き合いに出されて、再び植え付けられた印象が固められることになります。

もうひとつは、「この報告書は全文、英語に翻訳し、この夏世界に発信します」(「序章」p.15)とありますので、わたしも日本国民の独立した個人として、英語でのブックレビューを準備したいと思います。とはいえ、この報告書の日本語がはたして「全文」英語に翻訳されるのかは、はなはだ懐疑的です。それは楽しみでもありますが。



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