(6) 「時−forever for ever−」での転調

(*)ここだけ、キー(調)とか転調とかの知識を使います。音楽を楽しむ人にとってはどうでも良い話ですので、適当に読み飛ばしてください。

 前半から高音域にかけて、美奈子さんはきれいにつないで歌っていますが、実はこの曲、何度か転調しています。単純に音が高く、声量が大きくなるだけでなく、曲の感じも何度か変わりながら、曲調が盛り上がっていきます。

 この歌のキーはFですが、「勇気をだして」から、A♭に転調します。音楽用語でいう近親調の転調ではないのに、とてもきれいにつながって聞こえます。不思議に思って楽譜を良く見ると、「勇気を出して」の2小節だけ、マイナーの旋律になっています。
 つまり、細かく言うと、F→Fm→A♭のような転調になっています。F→Fmは、同主調転調、Fm→A♭は平行調転調なので、スムーズにつながって聴こえます。
  A♭の旋律は、最後にさらに盛り上げるために、キーが半音上がって、Aのキーになります。半音上がる移調はポップスでは良く使われます。

(5) 「時」の楽譜

 「時」の楽譜集です。ピアノ伴奏譜とヴォーカルスコアが書かれていますl。
 アルバム「時」の中で、「ブラジル風バッハ」の楽譜のみ除かれています。著作権の関係だそうです。

  左の写真が、多分、日本で一番最初に一般の人の手に渡ったと推定される。「時」の楽譜です。

  ボーカルスコア 本田美奈子.「時」
 発行 株式会社ヤマハミュージックメディア 
   ISBN4-636-20395-X