火災調査探偵団   Fire Investigation Reserch Team for Fire Fighters
Title:「火災損害調査の一歩」-18 転載を禁ず
B2-08   07’05/06 ⇒19'08/16      .   
火災損害調査の一歩<火災損害調査< 火災調査の基礎と火災損害 <ホーム:「火災調査探偵団」   .
1,火災損害調査
 火災損害調査とは?
    消防法では、「火災原因調査と火災損害調査」は、並列的に並べて、述べられている。
    もちろん、消防学校などの「火災調査」の授業では、同じスタンスで教えられているが、しかし、どこか、違う。
    「火災原因調査は主流」で、「損害調査は傍流」と言うより足軽や人足がやる仕事のように思われている節がある。なぜか?
    原因調査は知っていても、「損害調査なんて、どうでも良い」と考え、「火災原因調査こそが、火災調査活動のすべて」と、
    知ったかぶりする人が居る。 そもそも、自分の不勉強を棚にあげての「発言」ではないか、と言える。
    そして、「火災調査の先生」と言われる人に限って、このタイプが多く、いわく「火災調査は予防行政に反映することだ」と、
    だから、「原因調査こそが必要なことで、損害調査などは予防行政に、何のやくにも立たない」と。これは、消防法の火災
    調査の趣旨も意味もまるでわかっていないおバカを証明しているだけのことである。
    自分の狭い見識だけが頼りで、原因調査を云々し、そのくせ、たいして原因調査も知らないのことが多く、損害調査の業務
    の中身や計算することも何もできない。 で、「火災報告取扱要領」の中身が、いつまでたっても、??だったり。
    訳の分からない損害額評価や火災調査書類の議論が、低調だったりする。  

2, やることが多く、面白い、が、しんどい  
 現場はでかい、底なし沼
   戦後、1945年以降で、東京で起きた火災で焼損床面積の大きいのは次の順に並べると
   1963年(昭和38年) 8月22日に発生した。豊島区・池袋西武百貨店火災。
        ほぼ現在の池袋西武百貨店そのもので、休店中に店内消毒作業中の火災だった。焼損面積10,250㎡焼損した。
        この火災が都内でも2019年現在では最も大きい火災で、7名が亡くなり、216名が負傷した。
        
これは、私は知らない。 その次は、3つが並ぶ。いずれも、頭にある火災現場だ。 
  ② 江戸区、倉庫火災   ③ 足立区、シューズ倉庫火災 ④千代田区、ホテルニュージャパン火災 
   1982年10月28日
   焼損面積 
6,750㎡ 
  1991年5月15日
  焼損面積
 6,165㎡ 
  1982年2月8日
   焼損面積 4,186㎡
   このような火災があると、損害調査とは「足」に徹するにある。
  古い順に並べると 
  ④ 死者33名のホテル火災だ。地下2階、地上10階、延べが46,697㎡あり、しかもホテルはその一部で、個人の住居や事務所
    などの管理権原者の相違する複合ビルである。9階から出火し10階も焼損し、屋上の増築倉庫も焼損、さらに、7階も焼損し
   ており、 水損に至っては、地下の東電の借室配電室を含め、バッケットルームなど全ての階と部屋に及んでいた。
   数か月にわたって毎日、真っ暗のビルの中を、グルグルと各部屋の見分をし、焼損と水損等の区分に分け損害計算した。
   火災調査は既に当時としても高度専門的とされていたが、損害調査技術はまるで何も科学的視点がないのが実態とわかる。
    同じ年に江戸川の倉庫火災。
 ②は、遠方から見ても長い炎の帯である。近隣者は「戦艦大和が燃えているみたいだった。」なんて、
   実物の戦艦を見たこともないのに、供述していた。
    この倉庫火災は、長さが距離にして450m近くあり、倉庫内の収容物を全部が焼損し、伝票と照らして、図面上に書き込ん
   でいく。 この時に、損害調査とは「足」だと実感した。倉庫内は1スパンごとに違う商品が山積みされ、分厚い伝票と格闘。
  ③ の倉庫火災は鎮火するまでに99時間あまりを要した火災としても、特筆されている。
   写真は2日目の活動状況で、都内の至る所から消防車が集結しての消火活動となった。
   時間がかかった要因は、防火シャツターにある。シャツターを経由して、延焼はするが、防火シャツターに阻まれて、消火活動
  ができない。 そんな、あたり前過ぎることの前に、延々と消火活動が続いき、疲労困憊の中での活動であった。
   原因は溶断時の溶断片の火花であった。
   ⇒ 2017年2月16日埼玉県三芳町の倉庫火災(アスクル)は、45,000㎡を焼損しており、その対策等について、
     報告書がなされているが、昔から、「倉庫火災」とは何ともならない(燃える物がほぼ燃えるまで)のが実態と
     言えそうだ。単純には、出火時会社側の初動態勢の如何に左右される。
3,損害調査の?
 損害調査と損害額評価
     損害調査は、先ずは、火災報告取扱要領の全てを知って、その仕組みを理解して、損害を被害として文書に記載し
     統計として計上することにある。
     しかし、報告取扱要領をしっかり理解している人は少なく、よく理解していない人が「教壇に立つ」ことすらある。
     で、増々分からくなくなる。損害額評価の仕組みは、それほど難しくできてはいない。
     でも、美術品(特に雪舟の絵は、贋作が一杯ある)は、難問で、商品としてなら仕入伝票があるはずだが、これらは
     「焼失」したと言って、り災申告に応じないこともある。なお、民間には「損害鑑定人制度」があるので、受験するのも
     勉強の一つといえる。
  
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