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火災現場の「焼けの見方」サンプル        

                                     H4-11     09.01/22

5,廻し縁(まわしぶち)に見られる、焼けの特徴        09.02/28

 
                            ▲ 
  この写真は、天井を支えている廻し縁(まわしぶち)です。
 廻し縁は、日本家屋の特徴的存在であり、天井を支えるため構造的にもしっかり固定されており、
 建物全体でほぼ同じ材質の木材が使用されている。このため、四角い部屋の周囲の東西・南北
 において、同質の材質の同じレベル施工されている対象として、「焼け」を見る際に、最も重宝さ
 れる対象である。
 特に、出火室の出火個所付近の“立ち上がり”を見る場合には、最適と言える。

 ★ 写真の中心が、“左より(▲の位置)”なので、右側の絵柄が分かりにくいです。
   いつも、言うことですが、「写真は対象に対して、正面に構えて撮る!」
  つまり、「中央に自分が立って、正面に向かって、まっすぐに被写体を撮るクセをつけろ。」と
  よく言われる言葉ですが、この写真では、その原則に従っていない、仕上がりです。
  つまり、「ヘタクソ!」な写真です(私が撮りました。)。
  対象は、常に正面に“構える構図”を心がけないと、この写真のように、左右の焼けの強弱が
  明確でなくなる、ことになります。(失敗した写真例ですネ!)
 
 今回は、この写真で勘弁して頂いて。
 左右を比較すると、なんとなく、分かるでしょう。
 どちらが、焼けが強いか?

 
 
    左側の切り出し写真
 
    右側の切り出し写真
 「焼けの見方」で焼けは、黒変・亀甲・焼失と習ったことでしょう。
 左は、亀甲模様状に凹凸が強く出て、かつ、一部焼失が見られます。この亀甲部分の焼失は、木材
 では、かなり強い「焼け」を示すことになります。つまり、立ち上がり個所などで、見られることの多い
 見分です。
 それに比べて、右側の切り出し写真では、「焼失」個所はありません。また、左に比較して、やや、
 凹凸の亀裂部が浅いことが見分されます。
 
  

 4, 部屋の「柱」は、見分対象として最適です。

   
 柱は、日本家屋で、部屋を分かつために、取り込まれています。
 このため、部屋の境目となり、必然的に「焼けの方向性」を見い
 だす手がかりを提供してくれます。

 左の写真は、柱の「左」と「右」では、違いがあります。
 あなたなら、どう、見ますか?
 
 良く言われる焼けの言葉に「角(かど)がある。」又は「角が丸い。」
 と言う言葉ありますが、その例がこの写真です。
 左の角(かど)は、きれいに直線的です。つまり「角があります」
 が、右側は亀甲模様の凹凸がでて、先端部が丸みを帯びています。
 つまり「角がまるい」状態です。
 そして、亀甲模様も、左が“広く”凹凸が浅い、右が“深く”凹凸が深い
 ことが見分されます。

 この場合は、右側の部屋から、燃えてきたことを「焼け」が示していま
 す。
 柱1本も大事です。特に、日本家屋は「焼けの方向性」を如実に示し
 てくれることが多いです。

   


3,マンションの窓を外から見た室内の出火方向          08.12

 マンションの外から見た窓  マンションのような耐火建物の火災時には室内の焼損が強いと
 「焼けの方向性」が出にくい場合があります。
 先日の年末にあった火災現場での「焼けの方向性」を示す例です。
 窓の外の庇(ひさし)を見ると、右側の焼け変色が強く見られます。
 左側は全体として、黒く焼けていますが、右側は煤が焼けて地肌が
 でています。つまり、この部屋の中では、右側から「出火」して窓か
 ら火が噴き出したことが分かります。
 外からの見分も大事な、焼けの方向性を示しますので、しっかり観察
 してください。

2,2階の焼けから1階を考察     08.11

 2階の焼けから1階を考察  2階の焼けから1階を考察
 先日の「火災調査現場」で。
 1階から出火し、2階へと延焼した火災だった。
 
 2階の「ふすま」が、写真のように、右側が下から上まで全て焼け、
 左側のふすまが上方だけ焼けて、残っている。
 この火災では、右側の2階のが落下して、1階から2階に立ち上が
 り、その後、2階の天井からの燃え下がりで、左のふすまの上部が
 焼けた、ことが分かる。
 この2階のふすまの焼けで、1階の出火個所は、「右側」であったこと
 が分かる。
 2階の床が全て落下していても、同じように燃え上がって、畳が落下
 したのではなく、早く落下した方には、それだけ顕著な違いが表れる。
 よく見分すると、様々な所に「出火個所」判定のポイントが隠されて
 いる。 

1,框の「あたり」から見た、出火室の特定  08.10

 2階の焼けか  火災現場では、内部の造作が和風の場合に、「ふすま」が
 多く使われています。
 このように、襖が燃えて、框(かまち)が残って居るのが見分され
 ます。そこで、この框の見方について。
  
   
 框の上框を見てください。
 右側に襖が、2枚入ってました。左側は「開き」の状態です。
 そこで、さらに良く見ると。
 上側のレールの下側に筋状の白い線が見えます。つまり「あたり」
 です
が、このように、2本の上框のレールの片方に白いすじの 
 「あたり」が見られる時は
、下側の部屋から燃えて来たことが
 分かります。
 もちろん、写真の上框を真下から見ていますから、下側の部屋と
 は、平面的にはどちらかの方向性を示します。 


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