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火災統計の話題

 D−11   東京の火災の年変化                     09.02/01    経済指針
 始まり ★ 東京の火災の「年変化」
 1961年(昭和36年)から、東京での統一的な「火災統計」ができた。
 その時から、だいた10年ごとに、東京の火災の色合いが
 変わっていくようだ。 「火災件数」と「焼損床面積」を見る。
      
 「岩戸景気」
  A期
(約12年) 
 1961年(昭和36年)から、
 1973年(昭和48年)まで  ⇒ 年間8,500件  150,000u
 「オリンピック景気」
 「いざなぎ景気」 
 1970’第一次石油ショック
  B期
(約10年)
 1973年(昭和48年)から、
 1983年(昭和58年)まで  ⇒ 年間7,500件   90,000u
  列島改造ブーム後
 1979' 第2次石油ショック
  C期
(約13年)
 1983年(昭和58年)から、
 1996年(平成 8年)まで  ⇒ 年間6,500件   60,000u
  1986’〜1991’
 「バブル景気」
  D期
(約10年)
  1996年(平成 8年)から、
 2006年(平成18年)まで  ⇒ 年間6,500件   45,000u
 1997'04消費税引揚げ
  E期
  2006年(平成18年)から、
                   ⇒ 年間5,500件   35,000u
 2003’イラク戦争
        

 D−8   2007年  火災統計からの「火災の傾向」           07.03/11
 最近の
 火災傾向
[最近の火災の傾向} 
  
 東京の2007年の1月・2月の合計焼損床面積が6,007uでした。
  過去数年間を平均して、1月と2月の合計焼損床面積は年間の1/4を占めてい
  ます。
  とすると、
  今年の東京の焼損床面積は、
24,000uとなり、3万u以下となることが予想され
  ます。
  すでに、平成
15(2003)に36,804uと4万uを切っていますが、
  今年はさらに
3万u以下と予測されます。
  確かに、消防行政上、市民生活の安全面からは最良なことであるが、次第に、
  消防業務に「火掛り
(ひがかり)」と言う言葉が忘れさられれる時代が来たのかと
  感じます。

☆ 
焼損床面積の最近78年の大幅な減少傾向は、「携帯電話」の普及その
  ものです

  火災現場で通報者を探すと「携帯電話」で通報したと事例がほとんどです。
  
119番通報の全体では、「家庭電話」からの救急要請件数が多いため、
  携帯は約
3割程度ですが、火災に限った119番通報ではかなりの件数を占め、
  その「早い通報」が焼損床面積を著しく逓減させているものと思います。 
  さらに、今後は、住宅用火災警報器の設置普及で「早い発見」につながり、
  より火災の焼損床面積の減少に拍車がかかるものと推定されます。
 
 ☆
  昨年(2006年)の東京の火災件数は5,914件と6千件を下回りました。
  東京の火災の姿は、ここ10年来、焼損床面積は漸減傾向で減っていますが、
  火災件数では
6,700件±5%で、20年近くフラットな推移でした。
  しかし、ここに来て、一気に火災件数の減少となりました。
  一昨年の火災件数との比較では、「放火とタバコの火災原因の件数減」がその
  まま全体傾向を示しています。
  放火で約
10%、タバコで約20%の減少です。
★ タバコ火災は、一般的には気象に大きく影響され、暑く乾燥する日が続いた
  年は火災件数が多い傾向にあります。
  昨年の夏は不純な天候であったから、とも言えますが、
  やはり都内各地の「歩きタバコ・ポイ捨て禁止」
  と受動喫煙防止対策による各施設・乗り物の「禁煙対策」が大きく影響して来
  ています。
★ 放火火災は、社会的な不安感が情緒的な「連続火災」を起こして火災件数に
  跳ね上げますが、この種の放火の減少と「地区の防犯防火見回り」などの近隣
  地区活動が大きいと言えます。
  この「放火とタバコ」火災の傾向は、引き継がれるものと思います。
  なお、2006年の「放火火災」は、家庭の子供の自宅放火と言う、
  なんとも、やるせない傾向がありました



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