火災調査探偵団                 Fire Investigation Reserch Team for Fire Fighters
Title:「火災調査の小説など」
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 マンガ(劇画)
 コミック本 紅 蓮次郎・炎のプロファイル「火災調査官」          2007.09/23

 日本文芸社 ・コミック本  。著者、鍋島雅治・田中つかさ

★ 「燃え残った真実」編
      File.1 奇妙な放火 ~ File.16 カラオケボックス
 
   
紅蓮次郎と名前の消防官「火災調査専門官」。
   階級は不明。
   部下、白井勇一 。警視庁放火捜査刑事、眉村武雄    

   「火災原因」の解明と、合わせて、火災を取り込む人間関係を扱う「社会派コミック」
   火災原因も結構、難しい課題に取り組んでいて、勉強になる。
   面白い。と思う。 


   ただ、これをTVドラマ化したものは、薄っぺらい刑事もので放火犯を見つけ出すための、トリック破りの物語となっているケース
   が多く、あまり面白くない。


  コミック本 「火災調査官」ナナセ                    2007.09/23
    新潮社・コミック本。     著者、 原作、橋本以蔵  漫画、市川智茂

  第1巻  File.001~ File.008   第2巻  File.009~ File.018
  第3巻  File.019~ File.028   第4巻  File.029~ File.038
  第5巻  File.039~ File.048   第6巻  File.049~ File.058
  第7巻  File.059~ File.067. Last File。

   
3事例 主人公 高峰奈菜瀬 新米の「火災調査官」の物語。 階級は消防士。
   引き取った子供・弟的存在 真吾 。 火災調査官上司、橘 。 警視庁火災専従捜査官 緒方周作。
   放火犯 「炎使い」。           消防隊長 敦賀 。    警視庁公安部特別捜査官 氷川隼人 。

   主人公ナナセの父が元検察官で、放火犯「炎使い」とのつながりの中で、両親が火災でなくなる。
   様々な「火災事件」を原因調査面から、調査しつつ、犯人に対する捜査を行う。
   常に「炎使い」との関連が、幾度も出てきて、全ストーリの一貫性を形造っている。
   
   火災の現象面での仕組みや化学的な知識をふんだんに取り入れてあり、読ませる内容です。
   面白いと思う。でも、この後の続編が出てきそう?。
   001~067まで、良く書けている

小説
              祥伝社文庫本  今村 翔吾 著 「火喰鳥(ヒクイトリ)」              2019.01/11 

   時代は、徳川時代の江戸での「火消し」の話。
   町火消なら結構話題になることもあるが、羽州新庄藩の小大名が抱える
  「方角火消」を題材のベースとしているのが、面白い。元は、定火消組、つまり
  旗本であった火消方頭取(かしら)。
  方角火消ゆえの「制約」もわきまえた上で、話の展開は、実に興味深い。
  更にテーマの火災が、「明和9年目黒行人坂大火」だ。通称「メイワク大火」放火。
  火災が様々な時の政治に絡むことは、明暦3年(振袖大火)により江戸の区画
  整理がなされ、湯島近辺の郭(くるわ)が浅草田圃へ、寺も江戸城から遠ざけ
  られたことから、この時も街づくりを画策されたのでは、と余談としてあるように、
  大火と時の政(まつりごと)は絡みやすい。
   それにしても、話のテンポも筋の流れも至って、小気味よい、江戸っ子の流れ
 が話全体に行きわたっている。
   あまりの引き込まれようで、3日で完読してしまう。
  角川文庫本  久間 十義 著 「放火(アカイヌ)」                  2009.11/07
 

  
 放火を符丁で「アカウマ」と言う。この本は、解説で説明されているように、赤猫・赤犬
  赤馬などは、すべて火付けの符丁とされているので、この本では「アカイヌ」とした、と
  なっている。が、東京では、捜査時の符丁は「アカウマ」となっている。
  火(アカ)を付けて走り去るイメージだろうか。現在は消防符合の「9」と言われている。
 
  この本の読み所は、新宿歌舞伎町56ビル火災をベースにしており、当時の「ガスメータ
  の落下」についてや、当夜の出入りの客関係など、よくこれだけうまく取り込んだものだ
  と感心した。本部は四課が仕切った形をとり、一課の刑事2名と新聞社の女性記者が
  真相に突き進む。四課と一課、そして署の生活安全課とうまく盛り上げて、当時の火災
  をベースにした組み立ての面白さは絶妙だ。
 
  火災の刑事ものとしては、面白いと、思う。
  現場検証の話はやはり取り上げにくいのか、死体検案に傾いた内容となっているが、
  終盤のストリーの盛り上がりは、うまくまとめたものだと感心した。

  いくもの刑事ものを書かれている久間氏の技がさえている
 
   東京創元社 福田和代 著 「火災調査官」                 2017.06/21

 
タイトルは「火災調査官」となっているので、期待して、単行本1,800円出して読ん
  だが、まるで、火災調査とは関係のないお話し。
  テレビドラムでも、もう少し内容に濃さがあるが、まるで高校生が暇つぶしに書い
  たと言うような内容。
 
  犯人が消防職員で署「火災調査員」。 これって、ミステリーでも何でもないですよ。
  よくテレビでやる犯人が警察官による殺人事件と同じパターンの面白さに欠ける内容。

  第一、火災調査的要素など、どこにもない。
  これならタイトルを「〇〇警察本部捜査一課 火災犯罪班」の物語とかすれば、少しは
  救いようがあるが・・
 
  火災現場に洋画の複製画が残され、百人一首の歌があり、次の放火を示唆している、
  そんな「放火犯」が居ると、考えつくこと自体が信じられないほどの現実性無視の内容
  しかも、消防職員がピッキングする?。どんな現場でもハンナ―か掛矢で慣れている者
 がチョマチョマした作業はしない。ホント、リアリテイ0

 火災調査員のみなさん、本のタイトルに騙されないように・・・ 

   光文社  大沢 在昌著 「新宿鮫Ⅴ 炎蛹」                 2017.06/24
 
 先日、福田氏「火災調査官」について記載したので、今まで秘蔵していた
 この本を掲載します。
 最初はカッパノベル版で出版、あの松本清張氏や小松左京氏「日本沈没」
 で親しんだ「版」です。(松本清張氏の展示場は小倉城のそばにあります。)

 
「新宿鮫」も今は文庫本で入手できます。その第5巻が、この「炎蛹」です。
 全部で10巻、出来たら第1巻の「新宿鮫」から読んでください。そのほうが
 第5巻での人物構成もすっきり入ります。

 話は、外国からの植物検疫での危険性の高い「害虫」と「放火火災」です。
 最近(2017.06)も神戸港でのヒアリの発見もあり、カミツキガメなど害虫
 (外来動物)の脅威にされされている日本ですが、それが刑事小説になる
 のですから作家の力量そのものです。その中で、放火火災に関して「火災
 調査」活動の内容が取り上げられています。
 火災調査から言えば、まさに的確そのものに描かれています。

  映画で1巻、TVで2巻、3巻、4巻、6巻と描かれていますが、5巻はなぜか
  飛ばされました。残念です。
  
  是非、読んでください。
  
   雑談
  ☆ このところ(2017'05)連載マンガの大久保篤「炎炎ノ消防隊」(講談社)を読んでいる。
   話は、どこまで、続くのか? 読み終えたら掲載するかな?
   少し、ワンピース的なところあるけど劇画は、みんなドラゴンボールのDNAがあるから、OKです。

  ☆ 「炎蛹」を取り上げると、次はパトリシア・コーンウェルの検視官シリーズの中から「放火火災」を取り上げたい
   ですが、このシリーズも10巻以降から、あまり面白くなくなり、アメリカ小説特有の怪奇物的な方向に変質
   してしまいます。
   主人公ケイ・スカーペッタの姪がATFで活躍することから「放火」と直接の関係性がシリーズの中で出てきます。
   
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