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外国との統計から、2008年版 |
消防白書(平成22年版)が出されたことから、この中から、統計的話題を取り上げる (一部、東京消防庁統計書平成22年版利用)。 最も注目される「火災による死者」を他の国の都市統計と合わせて掲載し、下図1となる。 |
図1 人口100万人あたりの火災による死者数 |
他の国の都市を見ると、香港や台北などのアジア地域は、2〜3人であるが、欧米では10人前後の数値となる。 日本国内では、全国平均は15.4人であるが、下表のように政令都市の平均では10.7となり、だいたい欧米の値 に近い数値となる。 つまり、都市としての形態では日本が火災による死者が発生しやすいとは言えず、ほぼ世界の 都市と同じ現況にある。 ただ、新潟市20.0、大阪市18.6、岡山市18.3と大きく、札幌市5.3と低い数値もあり、都市により3〜4倍近い差が 生じている。2008年に新潟市は特に死者が多かったのは確かです。 上表のとおり、国内の政令都市では死者率は10.7であるが、政令都市以外の平均数値が17.1と1.7倍も大きい数値と なり、この数値は確かに大きい値である。 ここで注意してほしいが、日本の火災では、「自損放火による死者」が含まれていることである。 例えば、この表の2008年の国内の火災による死者1,969人の中には、自損の死者が549人も含まれる。 つまり、約3割もある。その自損を除くと全国の死者発生率も11.1となり、10に近い数値となる。 世界では、火災で「自殺する」ことは、ほとんどなく、特にキリスト教圏内ではゼロと思える。その日本の「火災による死者」の 統計だけ持つ意味の違いを、よく理解してほしい。 ここで図1を「死者」だけからでなく、出火率について外国の統計を見ると、下図2なる。 この図2と図1を比較すると、その極端な統計の違いに気づく。 出火率は、日本では、政令都市の平均で(3.5±1.0)となり、日本の全国平均は、4.1となる。 人口の割に火災の多い所 として、東京消防庁新宿消防署の場合でも出火率は10程度である。 しかし、諸外国の「出火率」は、台北の1.2から北アイルランドの94.6、ニューヨークの48.4など、「桁違いに比率が 違うことである」。 「火災」件数のこのような違いは、昔から、不思議である。 火災に扱わない”統計”は可能だが、火災にする”統計”は 不可能だからだ。その意味で、台北の低い数値は、中国本土も同じで、中国国内の”火災と扱う場合の統計の取り方”に よるものと思う。 このように火災件数が日本と比べて大きいため、「1件の火災あたりの死者の発生率」は欧米では日本と比較して、極めて 低い数値となる(分母の火災件数が大きいため)。 |
図2 各都市の出火率(人口10万人あたりの出火件数) |
主な都市の2005年と2006年の比較 |
世界の主な都市の火災件数 世界の主な都市の火災件数を、「火災統計と資料」の「火災の統計」に2006年版を 入れました。年によって、回答している都市が異なるので、年比較が難しいです。 参考に5箇所の都市の2005年と2006年の統計数字を拾ってみました。 東京消防の火災件数も、もちろん、年によって変化しますが、それにしても、ソウルやパリの 建物火災の件数の年変化の激変すること。 そして、幾度も紹介していますが、USA,カナダなどの人口比の「火災件数」が多いこと。 ホントに??です。 |
主な外国都市の火災統計 2006年 |
主な外国都市の火災統計 2005年 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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2004 年 データ |
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