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火災安全たばこ(消炎たばこ) 

                                                      09.02/28
    1, 「火災安全タバコ」 fire-safe-cigarette
 
 直訳されると、「火災安全たばこ」で(防火たばこ)とも、訳されている。
 
 直訳としては正解だが、英語のfire−safetyと言うのは、言葉の使われ方が広い言葉で、「防火」も
 消防設備的なものも含まれることがある。
 で、言えば、このたばこの名称は、日本的には「滅火」と言う感じだが、まあ「消炎たばこ」と意訳したほうが
 合っているように思う。 
 
 およそ日本では、なじみのない製品だ。
 しかし、USAでは、ごく常識となりつつある。 つまり、USAでは「たばこは燃え続かない」製品となりつつある。
 
 火災調査員なら知っているように、国産の「紙巻たばこ」は、着火すると燃え続けて、約12分程度でフィルター部まで
 燃えて消える。しかし、「葉巻」は吸い続けないかぎり、燃えないで、自然に消えてしまう。
 この葉巻に見られるように、「たばこなら、燃え続ける」とは限らないことは承知のことで、USAでは、「紙巻たばこ」も
 消える仕組みを取り入れている。
 
 昨年(2008年)12月13日、韓国で、たばこ会社が、自治体から提訴されたように、いつまでも日本のJTも、知らん顔し
 ていないで、「火災安全たばこ」の取り込みを進めるべきでは、と思う。
 
 USAでは、この吸い続けなければ“消えてしまう”ことに対して、かなりの抵抗感があるのは事実で、また、タバコの
 値段も約700円と高価だ。しかし、スイスで、欧州での火災安全たばこの法制化を始めているように、USAから欧州
 へ、と、グローバルスタンダードとなって、日本上陸も時間の問題だ、と思う。

 そして、住宅用火災警報器の設置が条例化されたように、どこかの市町村で「火災安全たばこ」条例が提起されれば、
 たちまち、全国規模へとひろがりかねないことになるだろう

  火災安全たばこ (firesafecigarette )
 
 火をつけたまま吸わずに放置した 場合、
 自然に消火するためたばこの燃焼時間が
 短くなる特徴を持っている。
 たばこをくるんでいる巻紙には、小孔性の
 薄いバンドが3本付いており、そのバンドが
 たばこの燃焼を低下させる
 「スピード・バンプ ( speed bump ) 」 の役
 割を果たす。
 火が付いたまま放置されたたばこは、バンド
 まで燃えた後、自動的に消火する。

 
 
 火災安全たばこは「防火たばこ」とも訳されている。
 たばこの引火強度を測定する基準テスト方法に従った既存のたばこ防火基準に従っている。
 大抵のたばこが寝具素材に引火する前に、防火たばこの火は消えてしまう。
 ニューヨーク州は、防火に配慮して製造されたたばこにのみ販売許可を与えることにした最初
 の州。カナダもこのニューヨーク基準を採用し、防火たばこの販売は義務となった。
 これらは大量生産のたばこに対する規制で、手巻きたばこや葉巻には適用されない。

   この文章の出典は ⇒http://www.swissinfo.ch/jpn/archive.html

  2, 「火災安全タバコ法案が米国中を席巻している。」
 [⇒ M.ましも氏からの提供。 2008年05月] 

 NFPAニュース「火災安全タバコ法案が国中を席巻している」


 2008年4月11日バージニア、アイダホ、ワシントン、ウィスコンシンの4つの州は、火災安全のレベルを高め、既に、
 火災安全タバコの販売しか認めていない22州に加わった。
  厚めの巻紙を使用し、燃焼速度を抑えるいわゆる「火災安全タバコ」は、衣服、寝具、その他、放っておかれれば着火
 する可能性のある可燃物でも着火させる力が弱い。
 「全国の半分以上の州が法案を通過させタバコによる火災から住民を守る選択をしたのは素晴らしいことだ。我々は
 この救命技術を全ての州に広めたい。連合は非常な成功を収めて来た。そして、今後、この高いレベルの火災安全を
 誰もが実感できるようにしていく。」とNFPA理事長は語った。
 NFPAは火災安全タバコ連合の事務局になっている。
 
 NFPAによれば米国ではタバコが原因の火災で毎年700名から900名の人々が死亡している。
 間もなく、火災安全タバコ法が施行された州に住む人々の率は全米の60%近くなる。2003年に州として初めて法案
 を通過させたニュー・ヨーク州は2004年に法を施行した。これに続いてバーモント、カリフォルニア、イリノイ、
 ニュー・ハンプシャー、マサチューセッツ、オレゴン、メーン、ケンタッキーの8州で施行された。
 これに続くのがモンタナ州で2008年5月1日に施行予定である。
 
 法案は以下の18州で可決され、2010年までに施行される予定である。
 アラスカ、コネチカット、デラウェア、アイダホ、インディアナ、アイオワ、ルイジアナ、メリーランド、ミネソタ、モンタナ、
 ニュー・ジャージー、ノース・カロライナ、ロード・アイランド、テキサス、ユタ、バージニア、ワシントン、ウィスコンシンの
 各州である。  他の数州も現在法案を検討中である。


  3, 「米国の火災安全たばこ、州法による義務化進む」
  ⇒[Y.ハセガワ氏の翻訳。2009年02月] 

 UASトゥデイ2008’12.31-「米国の火災安全たばこ、州法による義務化進む」

 米国連邦政府の「火災安全たばこ法」は、30年以上たばこ業界の反対により、法案は成立していない。しかし、多くの州が、
 火災安全たばこの販売を義務付ける州法を独自に制定している。
 この法律を施行する州(図・参照)は、2009年には31州に拡大する。これは2007年の3倍に上る。
 連邦政府の「火災安全たばこ法」案は1974年に初めて議会に提出され、また、最近では2006年に不採択となった。その
 後、州法による義務化へと方向転換されたと米国消防長官は語る。
 
 火災安全たばこは、落としたり放置したりすると自然に火が消える仕組みになっている。18州ではすでに火災安全たばこ
 のみの購入・販売が義務付けられており、2009年末までに新たに以下の13州が加わる予定である。
 デラウエア、アイオワ、オクラホマ、ペンシルベニア及びテキサス州では2009年1月1日付けで施行予定。コロラド、ハワイ、
 アイダホ、インディアナ、カンザス、ルイジアナ、ワシントン及びウィスコンシン州は2009年中に施行予定である。さらに、
 2010年には6州が施行予定、他の7州が法案を提出中である。

 米国議会では、2005年に「火災安全たばこ連邦法」案を提出され、2006年にも同様の法案が提出されたが、たばこ企業
 の強い反対にあった。州レベルでは法令化は成功しているものの、連邦法の再提案の予定はない。
 連邦政府は、基本的に商業を規制する法律の通過には消極的だと米国消防長官は語る。全米第2のたばこ会社
 R.J.レイノルド社によると、同社が法令化に反対なのは、コストがかかるからではなく、連邦法案の中に、州や地方自治体
 が独自に個々の法律を作るのを防止する「予防先制的な文言」が無いからだという。

 米国消防庁によると、たばこ及び喫煙具を原因とする住宅火災で死亡する喫煙者・非喫煙者は毎年ほぼ1,000人に上る。
 「火災安全たばこ法」は、州レベルでは、2004年ニューヨーク州で初めて導入された。ニューヨーク州政府のローレン・リベラ
 によれば、2004年にたばこ関連の火災による州内の死者は31人だったが、2006年には22人に低下した。
 
  R.J.レイノルド社は2009年末までにすべてのたばこを火災安全たばこにする予定とのこと。全米最大のたばこ会社
 フィリップモリスUSAは、これまでどおり州の動きには協力すると言っている。


  4,火災安全たばこの米国内での州法の制定 
 

  5,韓国の自治体(京畿道⇒県)がたばこ会社を提訴した。
・08.12/13
 読売新聞の12/12付け記事で
★韓国の自治体(京畿道⇒県)がたばこ会社を提訴した、とあった。


 


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