○去り行く騎士達○

ゼノビア城裏手。去ろうとする一人の騎士を追う、これまた一人の騎士の姿。
ランスロット(パラディン)
「団長!」
アッシュ(パラディン)
「おお、来たか坊主」
ランスロット
「ぼ・・・。いやまぁ、いいですが」
アッシュ
はーっはっはっは!で、わしに用か」
ランスロット
「やはり行かれるのですね、団長」
アッシュ
「団長はよせやい。わしはほれ、ただの老いぼれよ」
ランスロット
武装したただの老いぼれがどこにいますか
アッシュ
「まぁ、わしくらいかもしれんが、その辺は深く考えんでもよかろうて。のう」
ランスロット
「ゼノビアの騎士団はどうするのです?」
アッシュ
「これは異なことを言う。お前以外に誰が騎士団を束ねるというのじゃ?」
ランスロット
団長!
アッシュ
「団長はよさんかというに」
ランスロット
「いや、しかし・・・」
(アッシュ、剣を抜く)
アッシュ
「見るがよい、ランスロット。ゼノビア騎士団長が持つ剣ではないぞ?」
ランスロット
「何を言われますか、その剣こそがゼノビア騎士団長の・・・」
(ランスロット、柄根を見て言葉を止める)
ランスロット
「団長・・・!」
アッシュ
「得心いったか。ま、それにわしは誰かに仕えるというのが得意でないタチでな。いずれにせよこうなる運命だったのよ」
ランスロット
「・・・しかし、お一人では危険です!」
物陰の騎士(侍?)
あいや暫く暫く!
(近くの物陰から何者かが現れる)
ランスロット
「何者か!」
物陰の騎士
「いやはや、抜け出したは良いがはてどうしたものかと思案しておりましたところに、まさか団長と会うこととなろうとは予想だにしておりませんでしたぞ」
アッシュ
「ほほう、誰かと思えば、ラッシュではないか。これまた偶然よの」
アッシュ&ラッシュ
ぶわっはっはっは!
ランスロット
「貴卿も行かれるのですか?」
繁みの騎士(騎士?)
「おお、しばしお待ち下さいませんか!
(近くの茂みから何者かが起き上がってくる)
繁みの騎士
「私もどうしたものかと悩んでいたところです。ここで団長にまみえたのも何かの縁でしょう」
アッシュ
「これはこれは。ガッシュではないか。全く奇遇とは良く言ったものよな」
ガッシュ(パラディン)
「まことまこと」
三馬鹿
うわーっははは!
ランスロット
「・・・奇遇ではなさそうな気もしますが
アッシュ
「細かいことを気にするな」
ガッシュ
「確かに一人では心もとないかもしれませんが、男子三人集まれば向かうところ敵無しです」
ラッシュ(パラディン)
「うむ、まさにその通り」
三馬鹿
うわーっははは!
ランスロット
「どうやらここは諦めざるを得ないようですね」
アッシュ
「うむ。すまんの。坊ちゃんもお前の為に新たなロンバルディアを用意してくれようて。ゼノビアのことは頼むぞ」
ランスロット
「は。皆様もお健やかで。気が向いたらふらりと立ち寄って下さい」
ガッシュ
「それもようございますな」
ラッシュ
「たまには旧知に顔見せもせんとな」
アッシュ
「では、ここで分かれよう。達者でな、ランスロット!」
ランスロット
「また、いつかお会いしましょう、団長」
アッシュ
「団長はやめよというに」
ラッシュ
「団長、我々は一個の騎士団ですぞ」
ガッシュ
「お忘れですかな?」
アッシュ
「お、そうであったな」
三馬鹿
うわっははは!
(アッシュ騎士団、そのまま立ち去る)
月夜の中をまっすぐ北へ進む三人を見送って、ランスロットは未だに宴の続くゼノビア城へ戻ります。


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