[大司教]


キューブ

旦那様、お城の馬車がきました。なんでもお嬢様を迎えに来たとか・・・

アイリーン

私を?いったい何事かしら・・・

役人

ともかく、あなたを即刻お連れするようにとの御命令で・・・ささ、早く

アイリーンは迎えの馬車に乗り、城へと向かった。

国王

おお!アイリーン、よく来たぞ。立派に成長したものだ。ダイナー殿がお前を引き取った時は、ほんの小さな子供であったが。余も年を取るはずだ

アイリーン

王様、御機嫌うるわしゅうございます・・・

国王

うむ、まことに余の機嫌はうるわしいぞ。あの勇者ダイナーの子がこのように立派になって今、余の前におるのだからな

アイリーン

父も王様によしなに伝えてくれと申しておりました

国王

今日は大事な用があって来てもらった。司教殿・・・

大司教

今日そなたを呼んだのは他でもない。そなたは信仰篤き者ゆえ、聖職に就くのがふさわしい。わしの後継者となって、この国の司教をつとめてはくれぬか?

アイリーン

え・・・・・・?!

国王

「そなたの父上がこの国を救って以来、わしは王様とともにこの国の信仰を立て直す努力をしてきた。
今わしは年老いたが、幸いにもダイナー殿の子が信仰篤く成長してくれた

アイリーン

・・・そ、そんな急に・・・

国王

ぜひ引き受けてくれ。わしももう長くはない・・・しかしそなたが立派な司教となる日まで、心を尽くして指導しよう

アイリーン

本当に私などに司教様の後継者など勤まるのでしょうか

大司教

そなた以外には考えられん・・・・・・

国王

よし、これで決まった!アイリーン、そなたが立派な司教になる日を楽しみにしておるぞ!

大司教 こうしてアイリーン・ダイナーは王国の司教となるべく、城に入って勉強を始めた・・・

■ その後の評価

Good
人の上に立つ者に最も必要とされる資質は、モラルの高さである。
宗教界の頂点に立つ司教ならなおさらだが、アイリーンはその資格充分であった。アイリーンは信仰の深さと清廉な行いで、重臣たちや国民の尊敬の的となった。
司教アイリーンの影響を受け、国民は神を敬い、正を愛し、邪を憎んだので、国は大いに栄えた。
後世アイリーンの名は「最も神に近い大司教」として、末永く人々の記憶に残った。

神は常に人の心と共にある・・・これは私が父から教えられたこと。この思いを一生大切にするわ

Normal
人の上に立つ者に最も必要とされる資質は、モラルの高さである。
宗教界の頂点に立つ司教ならなおさらだが、アイリーンはその資格充分であった。勇者の娘ということもあって、司教としての人気は上々で、国民によく慕われた。
司教に人気があれば、国民もよく神を敬う。王国は神の庇護を受け、安定したものになった。
後世アイリーンの名は「王国最初の女性司教」として、末永く語り継がれたのである。

私の様な未熟者が司教の務めを果たせたのも、神の御加護があってこそ。これからも父の教えを守って頑張ります

Bad
人の上に立つ者に最も必要とされる資質は、モラルの高さである。
宗教界の頂点に立つ司教ならなおさらだが、アイリーンにはその資質が欠けていたようだ。
勇者の娘ということもあって、最初司教アイリーンの人気は上々だったが、やがてその特権を振りかざした欲深い行動が目立つようになった。
アイリーンのモラルは一般の人に比べて特に低くはなかったかもしれない。しかし、司教には人一倍の清廉さが求められる。
結局、アイリーンは多くの牧師や僧侶の批判を受け、王も彼女の任を解かざるを得なかった。以後、王国で女性が司教に任命されることはなかった・・・・・・

せっかく司教にまでなったのに・・・でも仕方ないわね。私は人の上に立つような人間じゃないもの。これからはお父さんとつつましく暮らそうかしら・・・

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