「よおアイリーン。お前さんも18になったんだろ。どんな仕事に就くか決めたのか?」
アイリーン「それが・・・まだなんですよ」
カールフォックス「君ほどの武名なら引く手あまただろう。お城からお誘いはなかったのかい?」
アイリーン「いえ、将校とか隊長とかいい話しは色々あったんだけど、私ああいう堅苦しいのはどうも苦手な質で・・・」
レフトール「ははは・・・お前さんらしいぜ。城の奴等さぞがっかりしただろうな、いい気味だ」
カールフォックス「どうだ、アイリーン。いっそ我等のように武道の道場でも始めては?君ならいい師範になれるし、自分の道場なら他人に気兼ねも不要だろう」
アイリーン「道場ですか・・・考えてもみなかったわ」
レフトール「そりゃおもしれえ。女が師範の道場は世界初だろう。俺達にとっては商売仇だが、みみっちいこたあ言いっこなしだ。協力するぜ」
アイリーン「ありがとう、レフトールさん、カールさん。やってみるわ。私、二人に負けない弟子を育てて見せるから!」
レフトール「おう、その意気だ!」
カールフォックス「楽しみにしているよ、ふふふ」
こうしてアイリーン・ダイナーは都に新しい道場を開き、武道師範への道を歩み始めた・・・ |
Good |
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武道の師範となったアイリーン。武術を教える仕事には、腕が立つことは当然必要だが、それだけでは充分ではない。 人の(ことに子供の)心をつかむような、話術の巧みさも必要になってくるのだ。 幸いアイリーンはその方面でも優れた技術を持っていた。救国の勇者の娘で、若く美しい凄腕の女性剣士。 それが話し上手の教え上手となれば、道場が栄えないわけがない。 アイリーンは将来の名剣士を目指す少年少女たちに、時に厳しく、時に優しく接し、情熱込めて指導した。子供たちの輝く瞳に過ぎし日の自分を重ねるように・・・ 「この子供たちの中から武闘会の優勝者が出ると嬉しいんだけど・・・」 |
Normal |
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武道の師範となったアイリーン。武術を教える仕事には、腕が立つことは当然必要だが、それだけでは充分ではない。 人の(ことに子供の)心をつかむような、話術の巧みさも必要になってくるのだ。 幸いアイリーンは口下手というほどでもなかったので、まずまずの指導者となれた。何と言っても「勇者の娘」という看板は大きな効果がある。 アイリーンの美しさもあって、道場はなかなかの盛況ぶりであった・・・ 「教えるのって自分で修行するよりずっと大変ね」 |
Bad |
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武道の師範となったアイリーン。武術を教える仕事には、腕が立つことは当然必要だが、それだけでは充分ではない。 人の(ことに子供の)心をつかむような、話術の巧みさも必要になってくるのだ。 その点、アイリーンは口下手でずいぶんと損をしたようだ。剣の腕は確か。若さに似ず経験も豊富だったが、それをうまく伝えられない。 最初のうちは「勇者の娘」の道場として評判になったが、時がたつにつれ門下生は減っていき、やがて道場閉鎖の憂き目を見た・・・ 「あーあ、私ってどうしてこうなんだろう・・・他の道場で雇ってもらおうかしら」 |