「お嬢様、お城の騎士殿がお見えです」
近衛騎士「おはよう、アイリーン君。本日正式にアイリーン・ダイナーを近衛騎士に任命する旨の王命が下りました」
アイリーン「はい、光栄の極みでございます」
近衛騎士「女性が騎士に任命されるのは王国始まって以来のことだ。それだけ国王陛下の期待は大きい。立派な騎士になってくれたまえ」
アイリーン「御期待に添うよう努力します」
近衛騎士「騎士は常に誇り高く、勇敢でなくてはならん」
アイリーン「はい」
近衛騎士「そして、女性には親切に・・・・・・あれ、君の場合はどうなるのかな?男性には親切に・・・・・・いや、これは不自然だ。う~む・・・」
アイリーン「くすくすくす・・・」
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こうしてアイリーン・ダイナーは近衛騎士に任命され、お城に勤める身となった・・・ |
Good |
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晴れて騎士となったアイリーン。武人の名誉職とも言える騎士には、常に気高い精神と高いモラルが求められる。 アイリーンは正に騎士の名にふさわしい、誇り高い武人であった。王から下賜された甲冑に身を包んだ騎士姿は、颯爽として人の目を奪った。 人々は「血はつながらなくとも、鷹の子はやはり鷹」と噂しあった・・・ 「お父さんから学んだ正義の心をモットーに任務に励んでいます」 |
Normal |
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晴れて騎士となったアイリーン。武人の名誉職とも言える騎士には、常に気高い精神と高いモラルが求められる。 アイリーンはまだ真の騎士道精神に目覚めているとは言えず、その精神には多少甘さが残っていた。だがそれは理想論。 現実には騎士道精神を完全に備えた騎士はほとんどいない。アイリーンくらいの腕と気品、モラルがあれば、充分一級品の騎士と言っていいだろう・・・ 「私も騎士になったからには、騎士道を極めたいけど・・・」 |
Bad |
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晴れて騎士となったアイリーン。武人の名誉職とも言える騎士には、常に気高い精神と高いモラルが求められる。 アイリーンは立派な騎士と言うにはモラルの点で少々難があった。 どこへ行っても「勇者の娘」として注目を浴びるため、さすがに表立って悪いことは出来なかったが、陰では騎士の立場を利用した公私混同が見られた。 料理屋でのただ喰い、雑貨屋での法外な値引き等々・・・いずれもたいした悪事ではなく、大きな問題にはならなかった。 しかし、それらの行いは確実に、父の名誉、騎士の栄光、アイリーン自身の信用を落としていった・・・ 「お城の人たちってちょっと頭が固すぎると思うなあ」 |