「旦那様、お城の馬車がきました。なんでもお嬢様を迎えに来たとか・・・」
アイリーン「私を?いったい何事かしら・・・」
役人「ともかく、あなたを即刻お連れするようにとの御命令で・・・ささ、早く」
アイリーンは迎えの馬車に乗り、城へと向かった。
国王「おお!アイリーン、よく来たぞ。立派に成長したものだ。ダイナー殿がお前を引き取った時は、ほんの小さな子供であったが。余も年を取るはずだ」
アイリーン「王様、御機嫌うるわしゅうございます・・・」
国王「うむ、まことに余の機嫌はうるわしいぞ。あの勇者ダイナーの子がこのように立派になって今、余の前におるのだからな」
アイリーン「父も王様によしなに伝えてくれと申しておりました」
パットナム「今日来てもらったのは他でもない。君の魔法の評判は国王陛下のお耳にも届いておる。そこで君を王宮魔法師に推挙しようと思うのだ」
アイリーン「え?私を王宮魔法師に?」
パットナム「知っての通り、王宮魔法師は王国の魔法使いの最高位。直接国王陛下の諮問にあずかる重職である」
アイリーン「そのような大任が私などに勤まるでしょうか・・・?」
国王「いや、そなたしか勤まらん。余は嬉しいぞ。そなたがこのように立派になってくれて・・・・・・さあ引き受けてくれるかな?」
アイリーン「ありがとうございます。身にあまる光栄です。力の限りやってみます」
国王「うむ、期待しておるぞ・・・・・・」
こうしてアイリーン・ダイナーは王宮魔法師に任命された・・・ |
Good |
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王宮魔法師に就任したアイリーン。この役職は王国の魔法使いの長であり、国内の魔法使いを統率する重職であった。 アイリーンは若いながら魔法の力に長じていたが、それだけではこの任務は勤まらない。魔法は深遠な知識と思索の産物。 そのため魔法使いには高い知能が要求される。 まして王宮魔法師ともなれば、国中のあらゆる魔法使いより優れた頭脳がなければ、誇り高い魔法使いたちを束ねることは出来ない。 その点、アイリーンの頭脳は文句なく超一流であった。一度でもアイリーンと話した魔法使いは、アイリーンの賢明さに脱帽し、彼女こそ王宮魔法師にふさわしいことを認めた。 アイリーンの在任中に王国の魔法は隆盛を極め、高レベルの新魔法が次々と開発されたという・・・ 「これもお父さんが魔法の勉強をさせてくれたおかげね」 |
Normal |
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王宮魔法師に就任したアイリーン。この役職は王国の魔法使いの長であり、国内の魔法使いを統率する重職であった。 アイリーンは若いながら魔法の力に長じていたが、それだけではこの任務は勤まらない。魔法は深遠な知識と思索の産物。 そのため魔法使いには高い知能が要求される。 まして王宮魔法師ともなれば、国中のあらゆる魔法使いより優れた頭脳がなければ、誇り高い魔法使いたちを束ねることは出来ない。 アイリーンの頭脳は、うるさ方の先輩魔法使いたちから見れば、やや物足りないものだったが、敢えてアイリーンの王宮魔法師就任に異議を唱える者もなかった。 誰もが勇者・ダイナーの娘が立派に成長したことを喜んでいたからである。先輩たちの暖かい支援に支えられ、アイリーンは仕事に励んだ・・・ 「私は未熟者ね。もっと勉強するわ」 |
Bad |
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王宮魔法師に就任したアイリーン。この役職は王国の魔法使いの長であり、国内の魔法使いを統率する重職であった。 アイリーンは若いながら魔法の力に長じていたが、それだけではこの任務は勤まらない。魔法は深遠な知識と思索の産物。 そのため魔法使いには高い知能が要求される。 まして王宮魔法師ともなれば、国中のあらゆる魔法使いより優れた頭脳がなければ、誇り高い魔法使いたちを束ねることは出来ない。 その点、アイリーンの頭脳は王宮魔法師としてはいささかお粗末なレベルであった。 それでもアイリーンの就任に異議を唱える者がなかったのは、誰もが勇者・ダイナーの娘の将来に期待していたからだろう。残念ながらその期待は裏切られたようだ。 アイリーンは懸命に働けば働くほど失策をくり返し、そのため王国の魔法行政は混乱、アイリーンは就任後わずか一年半で辞任することになった・・・ 「だから私には無理だって言ったのに・・・」 |