「心配だなあ・・・お嬢様のお仕事がなかなか決まらないよ・・・最近は何やら悪そうな連中とつきあってるみたいだし・・・」
アイリーン「私って普通の仕事じゃ満足できないの。何か熱くなれる仕事ないかしら・・・」
旅の占い師「ふぉっふぉっふぉ・・・そなたの心には邪悪なものが芽生えておるな・・・危ない危ない・・・」
アイリーン「邪悪とは御挨拶ね・・・占い師なら私にぴったりの仕事占ってよ」
旅の占い師「そなたにはまっとうな仕事は勤まりそうにないのお・・・といって暴力には自信がないし、色道に落ちるほどの色香もない・・・・・・」
アイリーン「どうせ私は武芸も色気も十人並みですよ・・・・・・」
旅の占い師「そなたには優れた弁舌がある・・・言葉を活かすのが適職じゃ・・・だがその特技もろくなことに使うまい・・・・・・まさに因業恐るべしじゃ・・・」
アイリーン「弁舌か・・・・・・確かに話術はうまいわ。私、どんなウソでも人に信じさせる自信があるもの・・・」
旅の占い師「ウソをつけば因業もたまる・・・泥沼から抜けだせなくなるぞ・・・・・・」
アイリーン「大丈夫よ!ばれるような下手なウソは言わないわ・・・・・・それに話術だけで乗りきる人生ってスリルがありそう!」
旅の占い師「やれやれ・・・・・・勇者ダイナーも難儀な娘を育てたものじゃ・・・」
こうしてアイリーン・ダイナーはサギ師への道に踏みこんでいった・・・・・ |
Good |
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スリルと自慢の話術を活かせる職業を求めてサギ師となったアイリーン。 都では顔を知られているため、遠くの街へ行って商売することが多くなった。 あるときは親の仇を追って旅する娘として、親切な剣士の同情を買い、またあるときは隠密旅行する外国の姫君を装って、宿泊代を踏み倒す・・・ どんな巧みな悪事もやがて露見するもの。だが利口なアイリーンは、危険を察するとさっさと身を隠す引き際の良さで、決して捕まることはなかった。 だが、同じ場所にいつまでも留まっていられないのがサギ師の宿命。冬は南国へ、夏は北国へ、気楽と言えば気楽な人生だが、心の中は冷たい風が吹きやむことはなかった・・・・ 「この世には二種類の人間がいる。それはだまされる者とだます者。私は絶対だまされないわ。そして自分の人生に後悔なんてしない」 |
Normal |
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スリルと自慢の話術を活かせる職業を求めてサギ師となったアイリーン。 あるときは親の仇を追って旅する娘として、親切な剣士の同情を買い、またあるときは隠密旅行する外国の姫君を装って、宿泊代を踏み倒す毎日を送った。 アイリーンは頭がよく、危険が迫る前に逃げたので、逮捕されることはなかった。それでも捕まるかどうかは紙一重。 そしてあまり早く逃げたのでは金にならない。サギ師の生活はリスクが多く、決して楽ではなかった。顔が知れてはまずいので、旅から旅の生活。 ときおりは故郷が懐かしく、帰りたくもなるが、都へ戻れば牢屋が待っている。追っ手を恐れるアイリーンの心は、いつも休まるときがない。 それは確かに望み通りのスリルのある生活ではあった・・・・・・ 「ああ、おなか減った・・・早く次の町でカモ見つけなきゃ、こっちが倒れちゃうわ」 |
Bad |
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スリルと自慢の話術を活かせる職業を求めてサギ師となったアイリーン。 都では顔を知られているため、遠くの街へ行って商売することが多くなった。アイリーンは口はうまかったが、サギ師にしては頭は良くなかった。 むしろだましたつもりがだまされることもしばしば。ある日、とうとう逃げそこなって逮捕されたが、サギ行為自体はうまくいっておらず未遂。 拘禁3ヶ月の軽い罪ですんだ。出所の際、牢番に「お前はサギ師は向いていない。大ケガしないうちに足を洗え」と諭された。 それから一年、あいかわらず旅を続けるアイリーンだったが、サギ師生活はあまり儲からず苦しみばかり。そろそろ本気でカタギに戻ることを考え始めていた・・・・・・ 「ああ・・・やっぱり私はサギ師向きじゃないのかしら。でも今更どうやって足を洗ったいいの?」 |