酒の飲み過ぎは、くも膜下出血の誘因になる
(令和2年1月の院内紙「はぶ医院の健康情報」に掲載されたものです。) 

 脳の表面を覆う軟膜とその外側のくも膜の間に出血をきたす疾患が、くも膜下出血です。くも膜下出血の原因の8割は、脳動脈瘤の破裂です。この他、脳動脈奇形、もやもや病、動脈解離なども原因となります。脳動脈瘤の破裂によるくも膜下出血に対しては、再出血しないように脳動脈瘤に対する開頭クリッピング術もしくは血管内コイル塞栓術をおこないます。くも膜下出血は、発症すると33 〜 61 % が死亡しますが、約30 %の人は、治癒し社会復帰されています。このため、手術が出来る状態で脳外科を受診出来るかどうかが、生死を分けるとも言えます。

 くも膜下出血に伴う頭痛は、突然の激しい頭痛で、これまでに経験したことのない強い痛みであり、運動中や労作時に発症することが多く、一過性の意識消失を伴うことがあり、発症直後に嘔吐しその後も吐気・嘔が続くのが特徴です。典型的なくも膜下出血では、首を前屈しても痛みの為に顎を胸につけることができません。典型的な患者様は、排便時に息んだ時に急に激しい頭痛が起きたと訴えるなど、問診だけである程度診断が可能です。しかし、症状が典型的でない患者様も時々おられ、34 % は、非労作時に、12 % は、睡眠中に頭痛がはじまるとも言われています。したがって、いつもと違う頭痛を感じたら、早めに医療機関を受診することが、大切です。

日本人とフィンランド人は、脳動脈瘤の破れやすい民族であることが知られています。喫煙習慣があると1.9倍、高血圧があると2.8倍、一週間で150g以上の飲酒で4.7倍、くも膜下出血を発症します。日本酒1合で23.5gですので、毎日1合の飲酒をすると一週間で165gの飲酒になります。くも膜下出血の予防には、お酒は少量にし、高血圧をしっかりと治療し、禁煙することが大切です


高血圧、糖尿病、心房細動、喫煙、過度の飲酒、高コレステロール血症が
脳卒中を引き起こします
 
(30年3月のコミュニティー紙「おかあさんチョット」に掲載されたものです。)

日本脳卒中協会が、2003年に脳卒中に関する知識を普及させるために作成した「脳卒中予防十か条」を紹介します。「 1. 手始めに高血圧から治しましょう。2. 糖尿病放っておいたら悔い残る。3. 不整脈見つかり次第すぐ受診。4. 予防にはタバコを止める意志を持て。5. アルコール控えめは薬過ぎれば毒。6. 高すぎるコレステロールも見逃すな。7. お食事の塩分・脂肪控えめに。8. 体力に合った運動続けよう。9. 万病の引き金になる太りすぎ。10. 脳卒中起きたらすぐに病院へ。」この十か条は、脳卒中を予防する上で大切なことを上手くまとめた文章と思い、紹介しました。その後、番外編「お薬は勝手にやめずに相談を。」が追加されています。

2012年には、続編として脳卒中発症後もあきらめず、再発予防のための治療とリハビリテーションを継続することが重要であると訴える「脳卒中克服十か条」が作成されました。「 1. 生活習慣;自己管理防ぐあなたの脳卒中。2. 学ぶ;知る学ぶ再発防ぐ道しるべ。3. 服薬;やめないであなたを守るその薬。4. かかりつけ医;迷ったらすぐに相談かかりつけ。5. 肺炎;侮るな肺炎あなたの命取り。6. リハビリテーション;リハビリのコツはコツコツ根気よく。7. 社会参加;社会との絆忘れず外に出て。8. 後遺症;支えあい克服しよう後遺症。9. 社会福祉制度;一人じゃない福祉制度の活用を。10.再発時対応;再発か? 迷わずすぐに救急車。」

5月25日から31日は、脳卒中週間です。日本脳卒中協会は、週間標語を公募しており、毎年1つが選ばれます。最近の標語を記載してみました。2017年「すぐ消えた麻痺やしびれもすぐ受診」、2016年「それでいい・運動、塩分、酒、タバコ」、2015年「様子見てとにもかくにも命取り」、2014年「すぐ受診動悸は危険のふれ太鼓」、2013年「呂律回らず手がしびれ、これはともかく救急車」、2012年「脳卒中予防と予兆が鍵握る」、2011年「脳卒中決め手は予防ともしやの受診」、2010年「長くてつらいリハビリよりもちょっと控える塩と酒」、2009年「脳卒中健康過信をねらいうち」



脳梗塞のかなりの部分は、予防できます
(28年4月の院内紙「はぶ医院の健康情報」に掲載されたものです。)

脳卒中で寝たきりになるのは、心筋梗塞でコロッと死ぬよりもの嫌だという声をよく耳にします。今回、脳卒中で寝たきりにならないために日頃気を付けて頂きたいことを記載してみました。脳卒中は、脳の血管が破れる脳出血と脳の血管が詰まる脳梗塞に分けることができます。高血圧により、脳出血も脳梗塞も増加します。3〜5年間、下の血圧を5〜6mmHg下げると脳卒中の発生率が、42%減少したそうです。また、高齢者の血圧を下げることにより、脳卒中が、30%減少したとの報告もあります。ある研究では、糖尿病の患者様で、脳出血が1.56倍に、脳梗塞が2.27倍に増加しました。脳卒中の予防には、糖尿病の予防も大切です。高コレステロ−ル血症は、心筋梗塞だけでなく、脳梗塞の原因になります。日本の研究で、コレステロ−ル値の高い患者様に食事療法だけおこなった群と食事療法に加えプラバスタチンという薬剤を投与した群に分け5年間経過をみたところ、プラバスタチンを内服した群で食事療法だけの群に比べ、コレステロ−ル値が19%低下、脳卒中が、35%低下したと報告されました。
心房細動という不整脈がおこると、心臓の心房という部屋が収縮しなくなり震えた状態が続くため、心房のなかで血液が固まり心臓の壁に血栓が出来やすくなります。この血栓が、心臓の壁から剥がれて流れて行き脳の血管に詰まり、脳梗塞を発生することがあります。このため、心房細動では、抗不整脈剤だけでなく、脳梗塞を予防する目的で、血液をサラサラにする抗凝固剤が、しばしば、使われます。心房細動があると年5%の割合で脳梗塞が発症し、抗凝固剤を使うとその64%が防げると言われています。40歳から59歳の日本人を対象とした調査では、喫煙習慣があると、男性で1.27倍、女性で1.98倍、脳卒中が、増加しました。夫がタバコを吸っている等の受動喫煙でも、脳卒中が増えると報告されています。但し、5〜10年の禁煙により、脳卒中のリスクは、低下してくるそうです。飲酒は、少量〜中等量であれば、脳出血は、増加するものの、脳梗塞は、減少します。しかし、大量の飲酒では、脳出血も脳梗塞も増加するため、脳卒中の発生頻度は、68%増加するそうです。


脳梗塞を疑ったら、直ぐに救急車を
 
(25年5月のコミュニティー紙「おかあさんチョット」に掲載されたものです。)

 脳卒中には、血管が破れる脳出血と血管がつまる脳梗塞があります。脳梗塞では、発症早期に血栓を溶かす薬を注射することによりつまった血管を再開通させる血栓溶解療法が、有効です。血栓溶解療法は、脳細胞が壊死するまでの発症4時間30分以内におこなう必要があります。今回は、どのような場合に脳卒中を疑い、急いで受診する必要があるかを勉強しましょう。

 まず、脳卒中に特徴的な症状は、突然の発症と左右差です。右大脳は、左半身を、左大脳は、右半身を支配しています。したがって、脳卒中では、障害された部位により左右どちらかに症状の現れることが多く、右腕と右下肢が動かないのに左半身には障害がないなど、左右差のある症状は、脳卒中の可能性が高いと言えます。また、急に上手く話せなくなった、言っていることが急に理解出来なくなった、言いたいことが言えない等の症状も脳卒中を疑わせます。目が、左右どちらかに寄って動かない、視野が半分になり左半分もしくは右半分が見えない等の症状も脳卒中による可能性が強く疑われます。

 脳梗塞は、早期の治療が大切です。お茶碗は、持てるのに、おハシがうまく持てないなど、突然、左右差のある障害が出現した場合、救急受診して下さい。また、しばらくして回復しでも安心出来ません。一過性脳虚血発作と言われる脳梗塞の前兆かも知れません。この場合、救急車は必要ありませんが、できるだけ早期に外来を受診しましょう。

 
左右どちらかの麻痺は、脳梗塞を強く疑わせる症状です。

(24年10月の院内紙「はぶ医院の健康情報」に掲載されたものです。)

脳梗塞は、寝たきりの原因の第一位であり、認知症の原因にもなります。脳梗塞は、脳内の動脈が閉塞し、脳細胞が壊死することによって発症します。脳梗塞は、高血圧、糖尿病、高コレステロ-ル血症、喫煙などが原因で、動脈硬化が進行し狭くなっている部位が閉塞する場合や、心房細動などの心疾患のため心臓の中で血液が固まり、それが流れて脳血管を閉塞する場合などがあります。したがって、脳梗塞の予防には、血圧や血糖をコントロ-ルしておくことや抗血小板剤や抗凝固剤を用いて血液をサラサラにしておくことが、大切です。

 大脳は、右脳と左脳に分かれており、右脳の障害では左半身に、左脳の障害では右半身に、麻痺や痺れが出現します。また、急にうまく言葉が話せなくなったり、片側だけが見えなくなった場合も脳梗塞を疑わせる症状です。小脳梗塞では、眩暈や嘔吐で発症する場合もあります。脳梗塞は、発症3時間以内の早期であれば、血栓溶解療法と言われる血管の詰まったところを溶かす薬を投与することにより、脳細胞の損傷を最小限に押さえ、後遺症を軽減することが出来ます。このため。脳梗塞を疑わせるような症状が見られた場合は、直ちに救急車を呼び、病院を受診することが大切です。

 閉塞した脳内の血管は、自然に再開通することもあり、一過性脳虚血発作と言われています。この場合、短期間、脳梗塞のような症状が見られるもの、自然に軽快するため、治ったと思って医療機関を受診しない人も多いようです。しかしながら、これは、血管が詰まり易くなっているサインであり、次回も自然に開通するとは、限りません。一過性脳虚血発作は、内頸動脈に対するカテ−テル治療などをおこなうことにより、再発を予防することが大切です。


寝たきりの最大の原因脳卒中を防ぐには
 
(23年12月の院内紙「はぶ医院の健康情報」に掲載されたものです。)

脳卒中には、脳内の血管が破れる脳出血と、血管が詰まって脳細胞が壊死を起こす脳梗塞があります。脳出血の最大の原因は、高血圧です。それも一瞬の血圧の上昇ではなく、高血圧が長く続くことにより血管が痛み、破れ易くなることが原因と考えられています。また、脳動脈に動脈瘤や奇形があると、脳の表面の血管が破れるくも膜下出血を起こし易くなります。くも膜下出血の予防にも、普段から血圧を下げておくことが最も重要と言われています。ちなみに、大量の飲酒の後、血圧は一時的に下りますが、翌朝、その反動で上昇します。飲酒後の翌朝の血圧の上昇も脳出血の原因となり、一日二合以上の飲酒は、脳出血を増加させることが分かっています。

一方、血管が詰まる脳梗塞も高血圧が関与します。脳内の細い血管は、血圧が高いことによってリポヒアリン変性閉塞をおこすことがあります。また、血圧が高いと脳血管に傷が付き、コレステロ−ルが染みこんで血管が狭くなり詰まりやすくなります。また、糖尿病がある場合も、血管の内皮が傷害され、同様の変化が起きやすくなります。このため、糖尿病や高コレステロ−ル血症も脳梗塞のリスクを高めます。たばこを吸うと、血管が収縮し血管に傷がつきやすくなるため脳梗塞の頻度が増加します。腹腔内の脂肪は、血圧を上げ、中性脂肪を上げ、血糖を上げ、血液を固まりやすくします。したがって、メタボも、脳梗塞のリスクを高めます。心疾患がある場合も、心臓の中で血が固まって、それが脳内に流れていき血管を閉塞し、脳梗塞を起こすことがあります。

近年の医学の進歩により、脳卒中による死亡者数は、減少しました。しかし、救命出来るようになったため、かえってその後遺症で苦しむ人が、増加しています。日本人が寝たきりになる最大の原因は、脳卒中です。血圧を下げ、血糖を下げ、コレステロ−ルを下げ、禁煙し、大量の飲酒は慎み、肥満を解消し、心疾患を治療しておくことが、寝たきりを予防する最大の手段です。

こんな頭痛は要注意

(23年3月の院内紙「はぶ医院の健康情報」に掲載されたものです。)

頭痛のため医療機関で検査を受ける人の大部分は、頭部筋群の疲労やストレスからくる緊張型頭痛です。更に、残りのほとんどが、放置しても命に関わらない片頭痛や群発性頭痛であり、脳腫瘍は、0.1%以下と言われています。しかし、その中にも危険な頭痛が潜んでいます。今回は、どのような頭痛が危険で、医療機関を受診すべきかを考えてみたいと思います。

まず、これまでに経験したことのない頭痛は、脳出血の可能性があります。くも膜下出血では、脳内出血と異なり麻痺や言語障害などを伴わないことが多いため見過ごされることがあります。以前、排便時に突然頭痛に見舞われ脳外科を受診、CTに異常がなかったため帰宅するも、症状が改善しないため来院された患者様がいました。排便時に突然発症したことが気になり、腰椎穿刺をおこなったところくも膜下出血でした。くも膜下出血の頭痛は、突然発症するのが特徴で、約1割はCTに写らないため要注意です。次に、発熱を伴う頭痛も、髄膜炎のことがあり、注意する必要があります。髄膜炎では、頭を前屈しても痛みの為、顎が身体につかなかったり、頭を左右に振ると痛むのが特徴です。髄膜炎も時に風邪と誤診されている場合があります。5歳以下の小児や50歳を越えてから新た発症した頭痛も、医療機関を受診してください。緊張型頭痛や片頭痛が幼稚園児にみられることや高齢になってから発症することは稀だからです。この他、最近注目されている疾患に、特発性低髄液圧症候群と言われる疾患があり、横になると頭痛が軽減するのが特徴です。

緊張型頭痛や片頭痛は、市販の鎮痛剤で治まれば、それでもかまいません。しかしながら、痛み止めを毎日内服している人は、薬物乱用頭痛の可能性がありますので、必ず、医療機関でご相談下さい。薬物乱用頭痛とは、頭痛に対して痛み止めの内服を続けたために、脳神経細胞の過敏性が亢進し、痛み止めを内服しないと頭痛が起こるようになった状態です。このような場合、まず、鎮痛剤を頭痛に対する予防薬に変更するなどして、鎮痛剤を減らしていく必要があります。最後に、鎮痛剤を内服しても頭痛の残る人も我慢せず御相談下さい。トリプタンと言われる薬剤は、医師の処方箋が必要ですが、単なる痛み止めではなく片頭痛の原因を抑えるため、片頭痛に対する有効性が市販の鎮痛剤よりも高く、内服することにより仕事の効率が上がることが多いと言われています。


脳腫瘍の症状は、頭痛だけではありません

(22年8月の院内紙「はぶ医院の健康情報」に掲載されたものです。)

脳の中には、痛みを知覚する神経がありません。このため、小さな脳腫瘍は頭痛を伴いません。しかしながら、脳腫瘍は他の腫瘍と違い、脳が頭蓋骨の限られたスペースの内にあるため、ある程度大きくなると頭蓋内の圧が高くなり、頭痛や嘔吐が出現してきます。また、脳腫瘍の30%にてんかん発作が出現します。けいれんや、手や足に力が入らない、手や足がしびれる、言葉を上手く話せないと言った症状も脳腫瘍ではよくみられます。脳はそれぞれの部位により違う仕事をしていますので、腫瘍の出来た場所によって症状が異なります。腫瘍が前頭葉に出現すれば、無関心になったり、認知症がみられたりします。後頭葉に出現すれば、右半分だけ、もしくは左半分だけ見えなくなるというような症状がみられる場合があります。また、小脳橋角部腫瘍の聴神経腫では、聴力の低下や耳鳴りが出現します。

脳の中には、下垂体と言われるプロラクチン、成長ホルモン、副腎皮質刺激ホルモンなど様々なホルモンを分泌する部位があります。ここに腫瘍が出来ると、これらのホルモンが過剰に産生される場合があります。プロラクチンの産生腫瘍では、女性が妊娠していないのに乳汁分泌が起こったり、男性では性欲の低下がみられたりします。成長ホルモン産生腫瘍では、成長期にあればどんどん体が大きくなり、成長期以降であれば手足が大きくなる末端肥大症を呈します。ちなみに、プロレスラーのジャイアント馬場さんは、下垂体腫瘍で成長ホルモンが出過ぎてあんなに大きくなったそうです。下垂体は、脳の奥深くあるため、以前は、手術困難な場所でした。ところが、昭和30年頃、鼻から穴を開けて脳に達する手術が開発され、馬場さんも手術を受け、活躍することができました。

最近では、CTやMRIが普及し、髄膜腫のようにかなり大きくならないと症状を呈しない腫瘍が、無症状のうちに見つかるケースも多くなっています。


オシム監督や長嶋監督のように、一見健康そうな人も
注意してください

(19年12月号に院内紙「はぶ医院の健康情報」に掲載されたものです。)

先日、オシム監督が脳卒中で突然倒れました。脳卒中は、健康そうな人を突然襲う病気です。はたして、脳卒中は予防できないのでしょうか。

脳卒中には、血管が破れる脳出血と、血管の詰まる脳梗塞があります。
血管の中の圧が高いと血管が破れてしまうため、高血圧は、脳出血の最大の原因です。たとえば、40〜59歳の人では、下の血圧(拡張期血圧)が 95 mmHg 以上になると、脳出血の発生頻度が、9倍になります。脳血管のコブである脳動脈瘤が破れるとクモ膜下出血を起こしますが、高血圧は、クモ膜下出血の最大の原因でもあります。


脳梗塞は、脳の血管が動脈硬化のため狭くなって詰まる脳血栓症と、心臓や動脈硬化を起こした頸動脈から血の塊が飛んで血管が詰まる脳塞栓症に分類されます。脳梗塞の最大の原因である動脈硬化には、高血圧、脂質異常症(高コレステロ−ル血症や善玉コレステロ−ルの少ない低HDL血症)、糖尿病、喫煙などが関与します。また、心房細動は、心臓病で血が固まる大きな原因であり、時に重症の脳梗塞を引き起こします。

高血圧は、脳出血と脳梗塞の両方の原因になるため、血圧を下げることは最も効率的な脳卒中の予防法です。下の血圧を、わずか5 〜 6mmHg 下げるだけで、脳卒中の発症が 42 % 減少します。
動脈硬化が、すでに進んでしまった人には、血管の狭くなった場所で血が固まらないようにするため、バファリンなどの抗血小板剤を使います。心房細動があると、年間5%の割合で脳梗塞を発症します。幸い、ワ-ファリンを内服し血を固まりにくくすることで、その70%が予防できます。


脳卒中は、癌、心筋梗塞と並び、日本人の3大死亡原因のひとつです。しかも、癌や心筋梗塞と異なり、長期の寝たきりの原因としても第一位であり、さらに、認知症の原因でもあります。

自分自身のためだけでなく、大切な家族のためにも、高血圧、糖尿病、脂質異常症、不整脈等の治療を十分に行い、禁煙することにより、脳卒中を予防しましょう。