クのとき、テレビの隅に映る報道陣の「白レンズ」の砲列は、まさに「キャノン 強し」を印象付けました。特にスポーツ写真には強みを持つ。 しかし、一般のユーザーには、オーバースペックである機能が多い。ととも に、あまりにも進化しすぎたため、絞り環を省略してしまうなど、技術至上主 義の弊害か、初心者がカメラの基礎を学ぶためには、良いカメラと言えない カメラが殆どである。キャノンでも撮影モードを「M」にし、電子ダイアルで絞 り、シャッタースピードを決定することが出来るのではあるが、ニコンのMF機 のように、絞り環も、シャッターダイアルも残した仕様のほうが、初心者には 理解しやすい。 それにしても、何をやるのか、キャノンからは目が離せない。 2.ニコン レンズのラインナップがキャノンに遅れをとっている。「ナンバーワン」の座 をキャノンに明渡したと思う。しかし、技術至上主義という観点からはそうか もしれないが、違う面から見ればニコンにはニコンの良さがある。「FM3A」 に見られるように、MF機路線を継続させている。レンズに絞り環を残してい る。実質的なマウント変更はしているが、機能制限がありはするが、不変の Fマウント路線は変わらない。細かい点ではあるが、こういう点がユーザー の気持ちをくすぐるのである。このようなユーザーサイドにたったカメラ造り を今後も続けていただきたいと期待している。 昔から、ニコンは初中級機を造るのが苦手といわれてきたが、ニコン「U」 は本気でキャノンの「EOS Kiss」の独走を阻止するために、造られている 。結果が楽しみだ。個人的にはニコンを応援したいところだ。 「D1」から「U」まで、デジタルに、銀塩に、幅広く製品を出しているニコンの 方針は、多くのユーザーに受け入れられると思う。 3.ミノルタ 個人的には、どういうわけかミノルタとは縁が遠いいのであるが、技術力 には相当なものがある。「α-9」では渾身の力を振り絞って、100%視野率 ファインダーを達成し、キャノン、ニコンと肩を並べられる超高級機をラインナ ップさせた。それに続く「α-7」では独創的アイディアで、準最高級機をライン ナップさせた。 もともとミノルタといえば、ライツ社が技術提携に選んだ会社であるし、優 れた技術を持っているのである。昔から「ニコン」「キャノン」に対して「ミノル タ」は「ペンタックス」とライバルであると見られていた。AF時代に入ってから は「ミノルタ」有利と見ていたが、α-9、α-7で優位は決定的となった。しか し、レンズのラインナップがまだ足りないこと、今一つの力強さにかけるため 、「キャノン」「ニコン」と並んで「御三家」と言われるところまでいかない。今 後に期待したいメーカーである。 |
4.ペンタックス 古くからの一眼レフメーカー。MF時代は名機「SP」で売りまくり、ペ ンタックスの名前を有名たらしめたが、マウントをM42から「K」マウ ントにし、更に「オリンパスOM-1」ショックで小型化に追随したあたり から、小型軽量にとらわれ始めた。どういうわけかAF機時代に入っ てからは、他社に遅れをとり、一時はレンズメーカーから相手にされ なかった。 「MZ-3」に続く「MZ」シリーズの最高機種をユーザーは待ち続けた が、発表された「MZ-S」は賛否両論。相変らず小型軽量の呪縛か ら解放されていない印象が強い。 ペンタックスには熱狂的な愛好者がいて「ペンタ党」というのだそうで ある。これは「ニコン信者の会」に次ぐ勢力を有する。 個人的には「MZ」でなく小型軽量の呪縛を受けていない、「Z-1P」 の発展的後継機を期待したいところである。 最近、「ペンタックス」で撮った写真の、写真雑誌コンテストへの入賞 率が極端に低いのは、何を意味するものであろうか?私は、ペンタッ クスで育ったようなものであるが、最近のペンタックスの製品の出し 方を見ると、「ペンタ党」を一時お休みにしたくなるようだ。奮起を期 待したいものです。 5.ライカ 国産ではないが、やはり書かずにはいられないだろう。「天はライ カの上にカメラを作らず・・・」、どこかで聞いた言葉だが、実際ライカ を使っていると、どんなことでも許せてしまう。私は、「M6TTL」を使 っているが、国産機で言えばもう30年も前の仕様である。AEなし、 絞り値のファインダー内表示なし、機械式シャッター、手巻きである・ ・・等々不便さを揚げたら切りがない。これと同程度と思われる「ペン タックスSP」だったら、「M6TTL」ほどのお金を出すとは思われない が、ライカだと不便と思っても出してしまうのだ。ライカには撮影スタ イルがある。被写体を見つける。ファインダーを覗いて、レンズを決 める。絞りとシャッタースピードを決める。静かにシャッターを押す。 余韻を味わいながら、手で巻き上げる。それに続く満足感、達成感 。これは「ライカ」に勝るカメラはそうはありません。国産のカメラだと 、どうしても不便さを先に指摘してしまって、文句が出てしまうのです 。ライカで撮ると、豊かな気持ちになります。満足感が得られます。レ ンズもエルマー5cm f3.5、ズミクロン等、文句の付かない安定した 画像を提供してくれます。安心感のあるカメラで、これからも長く使っ ていきたいと思っています。 |