3日目
最終日
ソウル
空はこれ以上ないって位、晴天だった。赤介の調子もまあまあ回復。
という事で、早めに出発した。
帰りの便は夜、結構まだ時間がある。という事でまずは朝食。
というよりこの日程中、何食う?以外の事をほとんど考えた記憶がない。
朝食と言えば・・・、色々考えてテンジャンチゲと麦ご飯、どう?
という事になった(テンジャンチゲは韓国の具沢山な味噌汁。独特のクセがある味噌だが、
辛くはない。)。
そして鐘路辺りの有名店へ。
ところが・・・地球の○き方ではとっくに
営業時間のはずなのに、外から見た雰囲気は明らかに準備中、
ドアを開けてみると「まだです。」と言われる。
また騙されてる(ここは韓国語で会話できた。できたんだって!)。
今日の昼はこの旅最大イベントの牛焼肉なので、何時間も待ってらんねえ。
という事で予定変更。
朝ご飯は本場のロッテリア。変わりすぎか?
黄之さんと赤介、明らかに落胆または承服しかねる様子。
でも仕方ないじゃーん、新しい店を探す時間もないし、ロッテリアは近くにある。
ってことでロッテリア。
ロッテリアは韓国が本場、知らない人が実は多い。
それを知った瞬間、青子のお品書にきっちり入った。
ここでは、ジャジャンライスバーガー(日本風に言うと、ジャージャー麺の肉味噌味
ライスバーガー)とキムチライスバーガーと黄之さんが頼んだ
怪しいピタパンみたいなサンドを頼んでみた。赤介は本調子じゃないので
何の変哲もないエビバーガーでも許す。
ここで、昼の焼肉をどこに食いに行くか話し合いを開始した。
俺らが韓国又は台湾に行く際に必ず携帯の「無敵の○○」シリーズに載っている
店はかなりよさげなのだが、距離が遠いうえに、ソウル市内のどの辺なのかよく
わからない。
明洞の焼肉屋で簡単に食うか散々悩んだ末、チャレンジしてみる事にする。
これはこの旅第3位の失敗。
その焼肉屋は、食肉市場に隣接していて肉の新鮮さがウリ。
その言葉、言葉通りに受け取れなかった俺ら・・・。
ロッテリアのおねえさんにその市場の場所を確認して向かう。
途中で点心風なせいろで蒸した饅頭等を売ってる店に寄り道。
黄之さんが気前よくおごってくれた饅頭を食す(5個で200円)。
う、うまーい。
朝食はこの店で、色んな種類の饅頭等を食えばよかった。
後悔先に立たず。
でも次回は絶対朝食はここに来る。
最寄と思われる地下鉄の駅で降りて、また黄之さんと「無敵」と相談しながら
道を間違えずに歩いて30分強はかかっただろうか。
目的の市場にとうちゃ・・・くした。
この後、俺達を襲う悲劇についての詳細は、<旅の出来事>で。
焼肉屋を出た時点で結構いい時間だった。
この時点で何となく嫌な空気を感じながら、駅から結構遠かった事を考慮し、
タクシーに乗車した一行、ところが道路がみるみる混んでいく。
あせる一行なのだが、このままホテルに戻り空港へ、じゃなくて、
南大門市場に寄って土産を買うという、身の程知らずな計画に出た。
そりゃ、あせって当たり前。着いたら全く余裕ないじゃーん。
とっとと買物してホテルに帰るだ。
黄之・青子夫妻も赤介も土産の定番、韓国海苔を購入していた。
店では色々と試食をさせてくれたが、味の違いは全くわからん。但し高いものと安いものは
目で見てすぐにわかる位に海苔密度が違う。結構適当だな、韓国人。
俺はかさばる荷物を持ちたくなくて、何も買わなかったが、よく考えたら今回は空港
まで車で連れて来てもらっていたから、荷物の心配等不要。だけどこの時は全くもって
気付きもしなかった。
人出でごった返す南大門市場を、「ニセモノあるよ。」と声を掛けてくる兄ちゃん達をかわしながら、
最大の売りの革製品の店達も素通りし、とっとと一回り、ついでに南大門をバックに写真なども撮ったり
しながら(あせってる割には結構余裕ある)、2泊3日で唯一、食事の事を全く考えずに
観光。
ここから、時間がないのに余裕ぶっこいてきた俺達一行は次々と痛い目に遭う。
南大門を出てホテルに戻ろうと地下鉄の駅を探したが見つからない。
近くにいるおっちゃんに道を聞いてみた(韓国語)が、地方から出て来た田舎者らしく、わからない。
その人が周りの人に聞き始めるが、周りにもわかる人がいない。
ところが駅は入口が全くもって目立たないだけで、すぐ近くにあったとさ。
空港行きのバスの時間ぎりぎり、正にぎりぎりにホテルの前のバス停に到着して
一安心と思いきや、道路が渋滞してるのか肝心のバスが全く来ない。
寒いなか30分位待ってやっとバスが到着、出発したもののやっぱし道路が
混んでいる。そして来た時とは逆に、空港に行く迄に何軒ものホテルに止まって行く。
つのりーまーす(演歌調)、何が?あせりが。
でも、空港に着いたら出発1時間半前と、マレーシアの時と比べたら明らかに超よゆー。
でした。
さ、落ち着いたところで改めて土産を買いましょう。
ここで耳寄り情報。
仁川国際空港の地下は人気が全然なく閑散としていて、うら寂しい感じも
するが、ここには隠れた名店があるので韓国へ行くと帰りに必ず寄る。
食堂もそこそこイケるし、CD屋には俺が思うに日本人が欲しいと思うであろう
CD・DVDが一通り揃っている。
そして今回も行ったが、空港価格じゃない土産物屋もある(町中の店よりは若干高い。)。
ここで再度ゆっくりと土産物を選択。俺はここで、唐辛子の粉とチャンジャと
韓国味スナックを購入。
ここまでは順調だったのが、・・・黄之!
(先輩だが怒っているのであえて呼び捨てにする。)
黄之が店のおねえさんに日本語で、ある品物について質問した事から、俺が罠に
落ちる。
ブツが何だったかは忘れたが、その質問「これは韓国でも人気あるの?」
(黄之さんは日本語で聞いている)をおねえさんは理解できなかったらしく、
かつ理解できるまで引き下がるつもりはないらしく、しきりに俺に聞いてくる。
韓国語で言えないので、仕方なく英語で言うが俺のネイティブ過ぎる発音では通じず、
結局質問を英語で書いてやっと理解してもらう。
答:人気ある。
こんな事に時間取らすなーーー!!
買物が終わっても出発予定時間にはまだ1時間程あった。
普通なら、出国審査を済ませてしまって免税店にでも行くのだが、食べさせてない
子達は腹が減ってしまった。
その上、冷麺を食ってなかったという事でレストランへ行こうという事になった。
正直、これはやばいんじゃねーかなーと思ったけど、心残りのないようにと同意する。
レストランで冷麺を食い終わったら、何と飛行機出発の20分前。
出国審査から直接ターミナルに行けばぎりぎり間に合うかな?と思ってたけど、
韓国のX線検査は靴を脱ぐので、そこで行列。
出国審査が済んだら出発10分前。
俺は1日中あせり過ぎて、時間の感覚がもう狂ってた。
ターミナルへ行く道すがら、まだ免税店に行こうと考えていたのである。
しかし、空港の係員さんの「か、関西空港行きの全日空のお客様はいらっさいませんかー!?」
という逼迫した声にやっと我に帰る。
おねえさんに自首をして、黄之さんと空港をぶっ走る。
俺達2人が走り出した時にまだ出国審査中だった赤介と青子のあんな不安げな顔は、仕事中でも
見た事ない。おそらくプライベートでももう一生見る事はないだろう。
お客様全員搭乗済みで、俺達一行のせいで出発できないでいたのでした。
久しぶりに吐きそうな位走るという経験をした。
そして、できるだけ他のお客様の方を見ないように席に着いた。
イソップ童話か何かのくわえてた肉を川に落としちゃう犬の話を思い出した。
過ぎた欲は持ってはいけない。