2日目
ソウル
今日の朝食は前回来た時に偶然発見して朝食はこれと決めていた、鐘路から仁寺洞までの道沿いにある
中華風点心にしようとホテルから歩き出す。
今回の旅は本当に裏目に出る旅、たどり着いたのに店が開いてない。時間が早すぎるのか、曜日によるのか。
・・・早々に諦めて仁寺洞まで行く事にする。
仁寺洞は例えるならば倉敷美観地区または少し毛色は違うが神戸中華街のように、1本歴史ある佇まいに
なっている通りがあり、そこの横道も風情あるよ。という場所。表現わかりづらいよね。
まだ朝早い時間らしく、空いている店もまばらなので一通りメインストリートを歩いた後、この辺で
朝食を取れる場所を探しがてら、休憩。
ここはフレンズ(しつこいが、深田&ウォンビン版)マニアなら一目でわかる名シーンのロケ地。
そこを青子に紹介してちょっと満足してもらう。ヤンキースの帽子を持ってくればもう少し楽しんで
もらえたかもしれん。
近くにガイドに載ってる店がなかったので、少し裏通りに入ったところにある開店したばかりの食堂に
入る。
そこのお兄さん(俺よか年下と思うが)は日本語ができ、さわやか。韓流イケメンか?
そこのメニューのおかしな日本語訳では何が何かわからんもんがあるので、彼に聞きながら注文して
いくが、何やったっけ?山菜ピビンパブか何かを頼んだ時に、「この店のはおいしくないよ。」と
きっぱりと言われてやめた記憶がある。正直なお兄さんやなー。
お兄さんの勧めに従って、俺の大好きなテンジャンチゲと純豆腐チゲ、それとジョン(チヂミの事、
前にも書いたかもしれんが、ソウルでチヂミと言っても日本語が通じる店の一部でしか理解して
もらえない。)を発注。
店の名前を全く覚えていないのだが、何かの専門店でない割にどれも美味かったよ(適当)。
爽やかなお兄さんに見送られ、店を後にする。
外に出ると店が開き始めていたので、土産ショッピングを開始する。ここは韓国の民芸品がたくさん
揃う町、青子はここで扇子を買うつもりだったので便乗して扇子屋へ。
扇子屋の人は親切でこんな感じの扇子が欲しいと言うと、次々にものを出してきてくれる。
これは手書き、これは印刷。これはいい木を使っていて、これはそうでもない。と大小様々な扇子が
次から次へと。
最終的に何本かの扇子を買ったのだが、疑問が残った。
それは、店の人達も色んな扇子を出し過ぎて値段がわからんくなっていたのではないかという疑問。
色々見て、全部値切って何本か買ったのだが、見た目と個々の値段が一致しない感が拭い去れない。
おそらく俺らではなく損をしたのは店側なのではないだろうか。カムサハムニダ。
土産購入後、ソウル観光開始。
ここでもツイてない事は続く。まず最初に向かった昌徳宮、日本語ガイドツアーの時間と俺らの都合が
全く合わない。最悪英語ツアーでもと思ったが、それも合わない。ツアー以外では入れないので諦めて、
韓国歴代の皇帝?が眠る宋廟へ向かう。ところが入口の位置がよくわからず、右左2者択一の選択を
誤り、宋廟の外側を1周近く歩く事になった・・・。
でも途中で俺がこの道素敵ね。と思える並木道(右写真、車が多いので静かじゃないのが気にはなるが、)
を発見できたのでこれはよしとする。
とりあえず黄之・青子夫妻を入れて撮る。青子さんは、俺がこのHPに友人の写真を載せる時はほとんど
後向きの写真を使っている事を踏まえ、後姿の写真を撮る事にとても協力的、いつでも背中を見せて
どうぞ。と言ってくれます。俺が殺し屋ならお前はもう死んでいる。あああ、俺表現古い。
世界遺産宋廟を何となく観光してそのまんま昌慶宮に入り、ちょっと休憩。
ここの雰囲気が俺は好きだった。何だろ、観光客は少なめで、建物及び全体の雰囲気も地味め、
お年寄り達がところどころの日陰のベンチに座っている。
ツアーでしか入れない宮殿や、観光客の多い宋廟よりも結果的にはここの雰囲気が一番好きだった。
ここだけがいつもしゃかしゃかしてるソウルの中で違う速さで時間がゆっくり流れてるような気がした。
俺はこういう時間の流れが自分に合う所に来てしまうと、1日中ここでぼーっとここで座っていたいなー。
と衝動が湧き上がる事がよくある。現にそうした場所も今まで旅した国にはあった。
でも俺達は壮大な食計画を持った旅行者、いつまでものんびりしている訳にはいかない。
ここでまた会議を行い、次の食事を韓定食にする事にした。店はガイドに載っていた3軒から色々条件を
検討して決定、時間を惜しんでタクシーで直行する。
この旅は結構タクシーを使った。前回の新羅の時こそタクシーをもっと活用してもよかったか。
蛇足だが韓国の宮殿には、この後の景福宮でもそうだったのだが必ず建物の屋根にこの小動物?がいる。
魔除け的な意味だとは思うのだが、正体は全く調べてみる気もないので何かわからん。
でも必ずいる。屋根の長さに応じているのか、でかい建物の屋根には鈴なりにこの小動物達の行列が
できていた。よく見ると1つ1つ違うもので、それぞれに意味があるのかもしれん。ふとメキシコの
遺跡で似たような感じで色んな動物達が鈴なりに屋根に付いてる遺跡があったのを思い出した。
俺達が入った韓定食のレストランは、韓国の国立劇場の敷地内の店(名前は忘れた。)。
ここは、おかずどっさりの庶民的な韓定食というよりは、宮廷料理の一部をコースで出す店。という
感じだった。うーん、チャングム。青子の希望は微妙に叶えられたと思う。
韓国には珍しく、1品1品の量を抑える志向の店のようだったので、日程中唯一ここでだけ人数分の
コースを注文した。
コースは、写真には載っていないが、かぼちゃのスープ(これ、優しい味がしてよかった。)、上写真
左側の前菜の盛合せから始まり、写真右側の小さめ九節板(韓国版野菜のクレープ包み?)は
いずれもあっさり味で、唐辛子・味噌・ごま油の食事で少し弱っていた胃にはとても喜ばれた事と
思う。
その後は、天ぷら盛合せとプルコギがこれも控えめに登場し、最後にご飯プラス、キムチやご飯を巻いて
食う野菜達他ご飯の友的小皿が並んだご飯セット(右写真)が来て、デザート。
あれ?デザート何やったっけ?思い出せねー。こういうとこでありがちなメロン?いや、何か菓子だった
ような気がすっぞ。そして確か梅シロップみたいな甘い飲み物も出て来たような記憶が・・・。
黄之さん、青子、助けてくれー。俺の頭の中に消しゴムがあるよー(しつこい)。
全体的に、昨今の日本での健康ブーム(韓国でも同じだが)ではこういう料理はとても受け入れられると
思った。日本でおかずどっさり韓定食はコスト面で無理なので、せめてこういう店があったら、結構
客入ると思うな。っつーか、俺が会社辞めて始めるか。店名は「大長今」。あれ、ここの店の名前も
こんな感じだった気もする。それはおいといて、会社辞めたがってる友人とか後輩引っこ抜いて、
大チェーン展開して成り上がっちゃうか。・・・誰が料理作るんだ。
遅めの昼食を済ませた後は観光の続きで景福宮へ。
但し、観光のメインは景福宮ではなく、その周囲の並木道。
それは何故か。それは言うまでもない。ので書かない。
景福宮はソウル屈指の観光地のようで、前出の場所と比べて観光客の数が多かった。
あまり建物自体は似てはいないのだが、平安神宮に来たような気持ちになった。
入場券を買って早速中へ。正直韓国の歴史とかよく知らん(開き直り)。
建物の屋根の軒がとてもカラフルできれいなのは韓国独特、ここでも屋根の上に小動物達がいた。
そしてここでは、お堂?の四方八方の角・入口に得体の知れない動物の彫刻がたくさん置かれている。
鶏はすぐにわかった。あとは猿らしき動物、十二支かと思ったが、他の十余体の彫刻は正体不明の上、
全て同じに見えてきたので、謎の解明は諦めた。というより飽きた。きっと答は手に持っているパンフレット
の中。
俺と青子。何で夫婦でなく人の嫁とツーショット?しかもご丁寧にHP用に背後から。
黄之さんが殺し屋なら、俺達は既に死んでいる。もういいか。
ちなみに俺が来ているTシャツは前回のバルバドスで買ったバルバドスビール「BANKS」のTシャツ。
決してどっかの銀行の宣伝ではない。これが思いのほか丈夫で、洗っても型くずれしなくて
いいんよね。
そんな事はどうでもいいか。何やったっけ、これ。水上に張り出すように建てられた建物。これも答はパンフレットの。
今日の観光を終えた一行、ひとまずホテルに戻り今日の夕食の検討に入る。
前回よりも滞在中に食物の事を考える時間は間違いなく減っていた。
でも前回は滞在中の90%が食物の事だったので、減っててもやっぱ多い。
今日の夕食はフグ。来たよ来ましたよ。俺の楽しみにしていたフグが。
前回はフグチゲだったが、今回はフグプルコギにしようと別の店を選ぶ。
(違いは後で紹介します。)
黄之さんに地図を調べてもらうと、ホテルから歩いて行ける距離らしい。
歩いて行くのか・・・。今までの流れからして非常に嫌な予感がした。
結論。やばかった。一瞬やばかった。地図に載ってる店の地点辺りまで来たが、目当ての店が
見当たらねー。でも1、2本通りをずらして歩いたらすぐに発見できました。
店の名前忘れた。釜山フグとかそんな名前やったような感じ。
明洞を越えて、左に結構歩いて行ったとこ。
店に入って早速フグプルコギを例によって2人前注文。
俺にはもう1つ期待があった。それは前回の店では、フグ皮?のコチュジャン和えみてーな
前菜が出てきて、それが美味かった記憶があったので、ここでも出るかと密かに期待してた。
おう。出たよ、出ました。・・・人間期待し過ぎるとよくない。
前回の店より、何つーか身がふにふにでイマイチだった。
そしてメインのフグプルコギ。前回のフグ鍋は日本で食うフグ鍋に、唐辛子と韓国調味料、
そしてセリのような青菜をどっさり入れる料理だったが、フグプルコギは、フグとセリのような
青菜、そして肉厚しいたけをすき焼き割り下風の甘いタレで炒め煮のようにして、それを
韓国醤油と韓国わさびで食うという趣向。
韓国醤油は日本の醤油より少し甘め、韓国わさびは、鼻に来るつーんは日本比20%位の
マイルドな1品で色はきれいなペパーミントグリーン(きっと韓国の人達はからし・わさびの
ような鼻に来る香辛料は苦手なのだろう。)。
ただ全体的に甘いのでそのウルトラマイルドなわさびでもアクセント効果は大。
俺は韓国わさびが結構好きだった。
俺がこの旅で犯した1番の失敗でした。
フグのプルコギだけでは飽きるかな?と思って、値段が安かった(約2、3千円)のを確認して
フグの天ぷらを1人前頼んだ。これ1人前か?本当に1人前か?しかもフグやで、フグ。
出て来た後、何回も何回も店の壁に貼ってある値段表を確認したのは言うまでもない。
これがこの旅最大の難敵として我らの前に立ちはだかる。黄之さん、青子、ごめん。
最初の2、3個はそれぞれおいしく頂いたのだが、食っても食っても山の標高が下がらない。
わー。時間が中途半端だったのか、季節外れだったからか、店内に俺ら以外の客はいない。
店の人達の視線はほとんど店のTVに映し出されるドラマだったが、気が付くと俺らの方に熱視線
が向いている。食えねー。無理。
あの底なし胃袋の青子が持て余してるよ。黄之さんにいたっては衣をはがして中の身だけを
食ってるよ。それ料理の主旨変わってるしー。俺も味を変えようと天ぷらに醤油・わさびを投入、
できるだけさっぱりと胃に詰めようとしたが、俺らの負けっした。半分近く残した。
それでもこの後、締めの準備は怠らない。また人数分より少ないご飯を鍋に投入し、おじや又は
チャーハン風な締めの1品を完成。この時、俺らがもめた事、それはご飯を1人前にするか2人前に
するかって事だった。この時には既に天ぷらは俺らの頭の中ではなかった事になっていた。
韓国では残すのも礼儀やって言うしなー。と皆で言い訳しながら。
これも美味かったよ。美味かったのだが、俺としてはやっぱ前回のフグ鍋の方がよかったなー。
天ぷらの事は抜きにしても。
おそらく日本人にとってはやはりフグは冬の味覚なのではないかと。寒い中歩いて店に行って
食った前回の思い出の方が勝った。ので、次回があれば次回は再度フグ鍋にしたいと思う。
これにビール2、3本と焼酎1本足して1人前2千円程、素晴らしい。ビバ韓国。
この後、諦めきれずに韓国の健康ランドに出向いた話、これも後日<旅の出来事>で。