4日目
メリダ−チチェンイツァ
ホテルで今日も1日優雅なバカンスを楽しもうかという誘惑に駆られたが、
早く帰ってプールサイドで夕日に乾杯もありだな。ヤングエグゼクティブの休日。
妄想がエスカレートしていた。
早朝からチチェンイツァ日帰りツアーに参加した。
近くでまたセノーテを発見。とてもきれいな青が撮れてるはずがほとんど真っ黒。
フラッシュ焚いても深くて届かないかと思ってやめたのが、敗因か。
チチェンイツァの遺跡は森の中にあった。
有名なチチェンイツァのピラミッドが目の前にあった。これも迫力だった。
そして空が現実のものではないみたいな青。
雲の白も絵で書いてあるかのような白。
ウシュマルのピラミッドでの恐怖感から登るのに抵抗感があったので、問題を
先送りにする事にする。日本でもよく使う手である。とりあえず遺跡全体の広さを知る為に、
遺跡内を歩き回る事にする。
生贄の心臓を載せるのに使ってた台?は、神殿の階段の上にあるが立入禁止。
テレビで見た時は、確かレポーターが思いっきし触ってたような気がしてたが。
あれはレプリカか?
天文台?カラコル。今回の旅の第2の目的。でも思ったよか小さい。少し醒めた。
実際に中に入って見てみると、屋根の一部が崩れてて内側からは屋根の造りがよくわかる。
この辺の遺跡は一切石と思っていたけど、木組みも使われてるんやなー。
・・・ん?これは、崩れかけてる屋根を支える為にわざと入れてる木か?どっちだ?
えーと、遺跡には謎が満ちている。
気を取り直して周りを見回すと、遺跡は森の中にあるので蚊が半端じゃなく多い。
虫除けは十分につけて来たのだが。蚊取線香の腰から下げるやつを持って来ればよかった。
余談だが、虫など食うのはそんなには抵抗ない方だが、虫の羽音が何より苦手なので、
耳元で「ぷーん」などと言おうもんなら「うううわぁー!」と発狂しそうになる。
ここでは、何度かそれがあった。これ以降、蚊が多そうな所への旅には蚊取り線香を
持参する事にした。それは今も続く俺の中の伝統。
この建物は何やったっけ。神官達の家だったか?
下調べをするなり、現地で勉強するなりするべきだな。と毎回その時は思う。
来歴やそこに秘められた歴史も大事だと思う。思う。思うよ。
でも今そこにある風景の一部としての遺跡ってのをただ感じるだけってのもいいかなと、
漠然と昔の人が作ったもののすごさに驚いたり、感動したり、ショックを受けたり
っていう、単純な感想も大事だったりするのではないだろうか・・・。それは事前に勉強して
いたら感動が薄れるのか?というツッコミはあると思うが。んー、言うのが難しい。
わかってもらえんか。あるものはそこにある。それでいい。
一回りしてしまって、残すはピラミッドだけになる。
「怖くない。」「怖くない。」と自分に言い聞かせて登り始める。
ところが、登り始めてみると、ウシュマルより登りやすい。
あれ?余裕だとまではいかないが、途中で立ち止まって周りを見てみたり、ウシュマルでは
決してやろうと思わなかった180度ターンなんかも決めてみる。何かできた。
おそらく最初にウシュマルという上級者編のピラミッドを登った事で、何かが身に付いた
のだろう。順番が逆じゃなくてよかった。
頂上まで上ってみると、森の中に点々と遺跡の一部が見え隠れしていて、この遺跡の広さが
自分の思った以上に広い事が分かる。
昔の人達の暮らしを思い浮かべてみる。ここに立って下にいる民衆を見下ろすと、支配者
気分は盛り上がるだろうなとここでも再度認識。
自分の器に自信のない指導者や、自分の特権を認識したい指導者なんかはこういう高い所に
上って、形式的なとこからせめてみるのかなどと、ふと思った。