5日目
マスカット−ワヒバ砂漠
旅行会社お薦めの砂漠での1泊2日ツアーに参加。
朝の出発まで時間があったのでまたルイに出る。今まで営業中のところを見た事が なかった開かずのKFCが開いていたので試しに入ってみる。 KFCは現地では高級な部類に入るレストランのようで、周りの客人達は明らかに 金持ってそうな、身なりが立派な人達のみ。1階は男専用、2階は家族連れ専用。 ちなみにイスラム圏(トルコみたいにゆるゆるな国は除く)では女が食事をしている 場面はまず見れない。女だけで町を歩いていたり、お茶する事もない。
この国でもやはり女は目の所だけが開いた布を被っている。 ブルカという名前だっただろうか。

町出てすぐ荒野 そしてほどなく砂漠へ向けてツアーバスは出発した。
同行者は、インド人の大家族と欧米人らしき家族連れが4組程。 インド人大家族のお父さんが1人でいる俺を見て不憫に思ったのだろうか、親しげに 話しかけてきてくれて、インドおやつをもらう。 色々なナッツ類を香辛料と共に煎ってあるのか、煎ったナッツ類に香辛料を あえてあるのか。卵か鶏か多分どっちかが先。どっちでもいい。これがかなり俺の好きな味 だった。酒にも合いそうだが、この国にはつまみは存在価値があんましない。酒は外国人の よく泊まる高級ホテルにしか置いていないし、町中に酒屋やバーなど当然1軒も見なかった。

親父に年齢と独身だという事を言うと、君はどこかに異常があるのか?みたいな 事を聞かれる。
とりあえず、日本では一般的に晩婚なのだと嘘を言うが、彼は日本企業とも仕事 をしているらしく、どうやらだませてない様子。 性格は異常だが、身体的にはいたって健康である。

車酔いじゃないっす 今日の泊まりは砂漠の中のテントだ。テントの中に寝袋は用意されていたのだが、基本的に 地べた。蠍とか危ない動物がいないかどうかについては、一切触れない。
到着してしばし休憩した後、砂漠へのドライブに出かける。 この砂漠はよく写真などで見る砂だけの砂漠ではなくて、生命力の強そうな植物がまばらに 生えている。わずかだが木も生えている。

そんななかを4WDで走っていく。そして高台に上って砂漠を見渡せる所で一旦車を降りて 写真撮影の時間。 外に出ると風が強く、砂が刻々と模様を変えるのが不思議で、ずっと足元を見て突っ立って いたら、ドライバーに「気持ちが悪いの?」と勘違いされる。

くるまのCM? その後もしばらく4WD車が砂漠の中を爆走する。
どこまでも果てしなく続く砂漠、ドライバーが俺達を楽しませようと、アップダウンをがんがん 走り抜ける。これが裁くドライブの醍醐味なのだろう。 車の天井に頭をぶつける人続出状態でありながら、非常に楽しんでいたが、どこの世界にもいるよね。 調子をこき過ぎてトラブルを起こす奴。
職業意識はしっかりと持て。
ドライバーがフーフー言いながら、はしゃぎ過ぎてやり過ぎて、車のタイヤが砂にはまって 動けなくなる。そして俺達が歩いてキャンプに帰れる距離では全くない為、代わりの車が来るまで 結構な時間待たされる。後でツアーのリーダーらしき人にしこたま叱られていた。合掌。

夕日を撮れ やっとこさでテントまで戻ってきた一行はトイレ休憩の後、 テントの裏の丘に登り夕日を鑑賞する事になった。
フィルムの残り枚数がほとんどないのに気付かずに、がんがん砂を撮っていて、 肝心の夕日を撮り逃してしまった。テントに予備のフィルムを取りに行こうかと思ったが、 鉄板で取りに行ってる間に日が沈む距離だったので諦める。

日が落ちて夕食。
砂漠でバーベキューの予定だったが旅行会社の忘れ物が発覚、急遽メニューは変更となった。 おいリーダー、お調子者を叱る前にてめえの仕事を確認しろ。何を忘れてバーベキューが できないのかは不明だったが、道具類は揃っている様子だったので、食材を一部又は丸ごと 忘れていたのかもしれん。
変更後の夕食のカレー弁当を、周りが真っ暗で手元もおぼつかないまま、食う。 ・・・ん?
何口か毎に、何か小さなマーブルチョコのように食感がパリパリするものが感じられる。 何だこれ?その違和感に半分以上残してしまった。本場のインドのカレーには、 ああいうパリパリするものが入っているのだろうか?虫にも似たぱりぱり食感。 虫か?手元は確認できない程度には暗かったので正体は永遠に不明。

今夜のお宿 その後、キャンプファイアーになった。酒もないのにみんなご陽気だな。インド人たちが 歌いまくっている。日本の歌を聴きたいというので、持っていたカセットテープを カーステレオで大音量でかける。砂漠に浜崎あゆみの声が、響いた。響き渡ってた。
欧米人は一切歌わず、インド人達が歌ったり踊ったりするのを冷静に眺めていた。

深夜。星は見えるのかと外に出てみると、そこには一面の星が輝いていた。
見渡す限り、人工的な明かりが全くない為、本当に星の明かり以外は何も見えない世界が 広がっていた。そしてプラネタリウムのように空が丸く見えていた。地平線のせいだろうか。 本当の夜というのはこういうものなのだと思った。

オアシス水路 6日目
ワヒバ砂漠−マスカット
砂漠から帰る途中に、オアシスの町に少し寄り道した。
荒野がずっと続いていると思ったところへ、突然川が現れた。 ここで少し休憩。川の水で顔を洗い、しばらく川の魚を見ながら ぼーっと過ごす。手段は違えど砂漠を旅する人達はみんな、ここでこうやって一息つくの だろうか。水の大切さがよくわかった。 砂漠とは打って変わって、水路もあり、熱帯的植物が広がる。 ほとんどがナツメヤシか?

前夜テントの中が寒かったせいか、俺はちょっと体調が悪い。 砂漠は昼と夜との気温差が激しいとは聞いていたが、予想範囲外の寒さだった。 寝袋はあったがこれはあまり効果がなく、冬に来たので、日本で着ていた厚手の上着が あってよかった。なかったら凍死していたかもしれん。
帰り道、インド人達は相変わらずずっと歌っていた。 この時だけは少し静かにしてくれー。と思いながら気が付けば寝ていた。



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