Back(製作編)
Back?(撮影編1)
■「VK4501(P) ポルシェティーガー」(撮影編)
「…あれぇ?」


まあ、そんな感じで
「挑発に乗っちゃダメ!」
的なノリで撮影編その2です。
実戦版の前面の増加装甲には、
その厚みによって元々あったフックが使えなくなった為、
追加で牽引ホールドが装備されていますが、
や、キットのボルトとか基部を削っただけだと、
増加装甲自体の厚みが残ってしまうので、
試作型を組む時には重要だよなと(苦笑。
上面の比較…と言いたい所ですが、
試作仕様の方は、
2個共、同じ様にモールドを埋めてしまっているので、
ハッチの開閉だけで、外観上は区別がつきませんね…。
再び3種勢揃いの画像になります。

ジャーマングレイが好きかダークイエローが好きか、
で好みが変わって来るかと思いますが、

現用兵器では使われていない
ジャーマングレイの単色塗装が、
見た目にも大戦ドイツ車両っぽくて良いかも、とか。
後部の雑具箱とか。

クルスク戦は1943年ですが、
極初期のティーガーIと同様、
IV号のゲペックカステン(雑具箱)を
無理くりに装備していて、
どうしてこのままだったのかな、と思われる部分ですね…。

隙間には予備キャタピラが装備されていて、
試作時のP虎画像とかを見ると、
ラック部分が見えるので、それに倣っているのかなと。
ただ、それは試作時のモノなので、
生産型の砲塔にこれが付いている、ってのも変な気が…。

…もしかしたら、キットの仕様がアレなのかもですけど…(汗。
砲塔部上面とか。

天面に有る小さなパイプ状の突起は、
ピルツェンと呼ばれる簡易クレーンの取付け基部で、
ここに3本のパイプを組み合わせて、
砲弾の搭載時に使っていたとか。

キューポラは側面形こそ初期型のそれですが、
ハッチのヒンジが移動して、
さらに小ハッチが追加された特殊な仕様でして、
指揮車両ならではの装備というか、
エレファント部隊の運用が砲兵的という事なのか、
着弾観測とかを安全に行える様にしてあるのかなと。

後部の洗濯籠みたいなのは、
信号弾のケースだそうで、これまたこの車両にしか
装備されておらず、どう使ったのか、
気になる所ですね…。
書き忘れという訳ではありませんが、
実戦参加仕様のP虎は、付随するエレファントと同様、
全車両がツィンメリットコーティングされていたりしますが、
(面倒な事も有り)オミットしていますね…。

まあ無くてもディティール的には良く出来ているので、
塗装面は特に何もしなくても持つ様な…。
撮り方次第で変わってきますが、
ティーガーIもエレファントも相応に格好良いのに、
オリジナルのP虎はブサイクなので、
今風の言い方だと、
「どうしてこうなった…」とこぼしたくも有り(ぇ。
ラストは後部の比較画像です。
試作型の2本ジャッキも特徴的ですが、
実戦参加にあたってアイホールド
(前側にも有るU字フックを取り付けるための基部)が
追加されて居たり、
中央部には牽引ホールドが追加されています。

まあこれ、エンジンが2個にモータも有るので、
メンテナンスや故障の頻度も多かったからなのか、
運用側からは「無いと困る」部分なのかなと。
やっと終わった…大戦ものは組み慣れている筈なのに、どうしてこうなった、とか。

で、今回の作例でドラゴン系列のP虎関係は、キャタピラの付け替えが必須だと感じた為、
次回作は、指先が覚えている内に、ストックのP虎バリエーションをやっておこうと(をぉ。

当作例に関するご意見・ご質問・その他要望等に付きましては、
当サイトのBBS、または直接メールにてお願いいたします。
なお、販売・譲渡・委託製作に関しましては、承っておりませんので、予めご了承くださいませ。
                                                (2017.02.04)
先にも書きましたが、
砲塔上面のディティールの違いが分かればと。

試作型の砲塔にはベンチレータが装備されていないので、
発砲時には砲塔内に煙が充満するかと思いますが、
ハッチを都度開けないと厳しいかも…。


まあ、こっちはあくまで「戦車道」の車両なので、
狙撃されたりの心配は無いかと(笑。
前側の比較画像を2種。

ボッシュライトの位置変更とか、
増加装甲の有無に、
操縦手用のペリスコープ追加とか、
側面部に有る跳弾ガード?に注目かなと。
エンジンデッキ周辺の比較。

こうすると改造箇所が良く分かるから、
っていう理由だけで出した画像ですね…。

まあ、それ以外の部分は同じ様に作業しているので、
ぱっと見は区別がつかない訳ですが…。
膨張色と縮小色の関係からか、
同じものなのに、
ジャーマングレイの方が小さく見えるので、
もしかしたら、ドイツ側も錯距効果を狙って、
「実際より小さく見える」事で目測を誤らせる、
ってのを考えていたのかなと。
俯瞰視点で見ていくと、
容積が増えた生産型砲塔の方が、
ペッタンコに見えてくるから不思議。

キューポラハッチの形状がシンプルになっている分、
余計にこっちの方がペタンコに見えるわけですがっ。
防盾部分とか。

初期型のシンプルなスタイルですが、
後期になって照準穴(孔?)の部分が
分厚くなったりしますが、
今後の作例でそういう変遷が見えれば良いかなと。
砲塔側面には脱出ハッチがある訳ですが、
極初期の砲塔ではピストルポートになっていたりするので、
作り分けの際には注目の箇所かと。

で、この部分の裏側は閂でロックされていて、
本当に非常時になった時以外は開けられない(!
仕様になっていて、その分厚さも有ってか、
相当に重そうなハッチですが…。
エンジンデッキ周辺とか。

試作仕様から量産型への変遷というべきなのか、
パネルの形状や配置が変わっているので、
整備性を良くする為に、こうしたと考えるのが妥当かと。

ロマンと言えばそれまでですが、
エンジン以外にモータも詰め込まれている関係上、
他のエンジン駆動のAFVと比べても、
グリルの配置や形状が特殊なので、
格好良いと感じる事も有るかと。

戦闘機では軍馬とサラブレッドになぞらえられた
Fw190AとBf109が連想されますが、
軍馬と言われたFw190Aは独特のゴツさと武骨さが有るので、
個人的には好きだったり
後部のアップですが、
メカ的な格好良さはあるものの、
使い勝手が如何にも悪そうですね…。

まあ、スポーツカーでスキーやキャンプに行ったりとかは、
という所でしょうけど、兵器として使う事とか、
前線で寝食を共にする側から見れば、
やり難い事この上ない、という感じかと。
P虎の特徴としては、
車体前側の誘導輪部分にも歯車が切ってある事ですが、
現用は無論、WW1時の車両でも見かけない仕様なので、
相応の理由があるのかなと。

ドイツ重戦車のキャタピラはとにかく重く
(1枚30kg位あるとか)、外れたり切れたり、
輸送用と路外走行用に交換したりで、
かなりの重労働だったと言われていますが、
P虎の輸送時はどうしていたのかなと(汗。
キャタピラの仕様に付いても変遷がありますが、
下駄歯型のスタイルは滑り易かったのか、
他の大戦ドイツ車両と同様、
滑り止めのパターンが付いたものに変更されています。

センターガイドが1片おきに変更されていますが、
重量軽減と(石とか泥の)巻き込みの防止といった
目的があるそうですね…。

分かり易い例ではティーガーIIかと思いますが。
正面部のアップとか。

素の状態でも80mmの装甲を持っているというのに、
更に追加で装甲を取り付けていて、
まあ、対峙するソ連軍の火力も上がってきていたとはいえ、
かなり過剰な感覚すら覚えますね…。

この辺り、ただでさえ機動性能に問題がある車両なのに、
更に鈍重な仕様にしているのですが、
運動性を犠牲にしてでも防御力と火力を、
ってのは戦後のイギリス車両にも通じるものがありますね、
逆に戦後のドイツ連邦軍車両は機動性重視、
の方向でレオパルトシリーズを開発しましたが…。

(度重なる改訂の末、レオ2も70t前後にまで
重量が増加していますが…)
工作時に隔壁をデッチ上げていた時にも感じましたが、
車体部の半分以上が駆動系の機器
(エンジン付き発電機と駆動用モータが2セット!)で
占められているので、
燃料とか弾薬のスペースは殆ど無い感じで、
生産コストは無論、整備性もかなり厳しかったのではと。

21世紀の現在ではハイブリッドカーが普及していますが、
エンジン以外に駆動用モータと大容量バッテリーが
搭載されている分、重量は増加しているのではと。
こうやって正面寄りから見ていくと、
機器が後部に集中しているので、
シルエット的にソ連戦車寄りの形ですね…。


かつてスーパーカーブームをリアルタイムで経験した世代としては(!
ポルシェ=911(カレラ)の特異なフォルムが焼き付いていますが、
RR(エンジンも変速機も後部配置)というのが、
この当時からあったんだなと(ぇ。
さて、試作のみで終わったかに見えたP虎ですが、
ポルシェ博士が先行して資材を手配しており、
軍の指示を待たずに100台余りの部材が準備されていて、
そのリサイクルとしてエレファントが製作され、
一部が回収車仕様に、また或はこうして
指揮戦車として改訂版の戦車が製作されたわけですが、
エレファントに準じて前面には増加装甲が有るのが、
試作型との大きな違いかなと。

砲塔部分が一般的な初期型ベースなのは、
トサカ付きのペタンコ砲塔の製作数が少ないから
(後のティーガーIIでは初期生産分のみ採用されているので、
砲塔も先行生産していたら、1942年の極初期型も、
ポルシェ砲塔バージョンになっていた筈、なので)
…だと思われます。

あまり関係ない話ですが、
イタレリのP虎キットはちゃんとこのペタンコ砲塔が再現されてますが、
後にバリエーションキットととして後期型とかをリリースした際、
新金型ではなく追加パーツで側面形を修正する、
という荒業が採用されておりまして、
イタレリのティーガーIキットのパーツは、
試作型仕様のベースに使える
んだよな、とか(苦笑。



…にしても、
前のめりバランスのおかげで、
全体像が撮りにくいというか、有効全長が長いなと。

アンバランスさは愛嬌ある姿、とも言えますが、
ブサイクなデザインを塗装でどう格好良く見せられるか、
ってのもモデラーの腕が試されるなと(汗。
●満足したのでTOPページに戻る●
●「展示室」インデックスへ戻る
●「AFV置き場」インデックスへ戻る
●「P虎 製作編」記事へ戻る
●「試作型P虎の撮影編」へ行く