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■このごろ都にはやるもの−54 タブーに挑戦した日米の新刊書 最首公司 (2007.11)
 現代社会にあっても「タブー」とされるものは、米国でいうと「反ユダヤ言動」であり、日本では皇室問題だろう。その二つのタブーに挑戦する本が米国と日本で出版された。
 「イスラエルは中東地域に立つ、何が正しいか示す灯台のような存在です」(ヒラリー・クリントン)「自分が大統領になった暁には、米国とイスラエルの関係を変更しない」(バラク・オバマ)「イスラエルを守らなければならなくなったとき、私たちは決して妥協することはありません」(ジョン・マケイン)「私はいま、私が愛する国に、私が愛する人々とともにいます。私はイスラエルが核武装する可能性があるイランについて憂慮しているところです」(ミット・ロムニー)。
 前二者は民主党の、後二者は共和党の米大統領有力候補者である。米国では、なぜかユダヤ問題になると、政治家もメディアも尻込みをし、へりくだる。メディアの世界なら判る。ニューヨーク・タイムスはじめ言論、広告・宣伝、エンターテイメントの世界は、ユダヤ資本が投入され、ユダヤ系米国人が活躍している。では、政治の世界はどうなのか?
 「下院議員の半数以上かイスラエルの影響下にある」といわれている。なぜ、米国の政治家はイスラエル批判を恐れるのか?その「なぜ?」に挑戦した本が上下2巻の「イスラエル・ロビー」(講談社)だ。著者は高名なシカゴ大学J.ミアシャイマー教授とハーバード大学M.ウォルト教授である。
 ―イスラエルは現在、年平均で30億ドル(約3600億円)の直接的対外援助を米国から受け取っている。その額は米国の直接的対外援助予算のおよそ6分の1で、イスラームのGDPの約2%に相当する。近年では、その75%が軍事援助である。
―この援助額はイスラエル国民1人当たり年間500ドル(約6万円)を超える支給額。米国からの直接的対外援助第2位のエジプトでも、1人当たり20ドル(2400円)。パキスタンやハイチなどの貧困国はそれぞれ5ドル(600円)、27ドル(3240円)。
―ハミルトン民主党会員議員は、実際は43億ドルを超えるといっている。その差は財政赤字の米国は他国への援助金は4半期ごとに渡されるが、イスラエルだけは1月1日付で渡され、これをイスラエルは米国短期証券に投資して利子(04年は6億6000万ドル=792億円)を稼ぐことができるからだ。
―イスラエルは米国の経済援助受給国の中で、唯一、使途を説明する必要の無い国である。このお蔭でイスラエルは米国政府の意図に反する、たとえばヨルダン川西岸の入植地建設に使うこともできる。
―03年のイラク侵攻前にイスラエルは米国に対して、イラクの大量破壊兵器事業についての人騒がせな報告を提供している。これによってイスラエルはサダム・フセインの本当の危険を米国が誤算する原因をつくった。

 こうしたことがなぜ起こるのか、なぜ政治家はイスラエルを特別扱いにしなくてはいけないのか?2人の教授はその陰にある「イスラエル・ロビー」を解明して、「イスラエルは最早や米国の資産ではなく、負債だ」と結論する。
 この本を読みながら、日本が毎年米国債を買うのとほぼ同じ金額が米国からイスラエルへ流れていっているんだ、と思ったり、駐留米軍への「思いやり予算」が、回りまわってイスラエル政府に渡り、パレスチナ人を苦しめているのかと思うとやるせなくなった。
 さて、もう1冊の本だが、これは「幕末・維新の暗号」(祥伝社)で、著者の加治将一氏 もいっているように「ダヴィンチ・コード」の日本版といえる。しかし、ことの重大性はダヴィンチ以上で、本当かなとおもいつつも、内外の資料を引用し、維新前後の情報を駆使して詰めていかれると、なーるほど、とうなづかざるを得ない。
 ストーリーの始まりは1枚の写真である。実は私もこの写真をある出版社の応接室で見て「本物ですか?」と尋ねたことがある。中央の外国人を取り囲むように維新で活躍した高杉晋作、坂本竜馬、西郷隆盛、伊藤博文、それに幕臣の勝海舟まで写っているのだ。
 この写真がいつ、どこで撮影されたのか?そこに写っている人物は誰なのか?を追っていくうちにとんでもない“事実”が判明する。その結末をここで明かしてしまっては実もふたもない。あとはご自身で購読を! 07年11月13日記


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