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■ 新年(2008年)を迎えて−日本の原点回帰 草刈 啓一(2008.1)
 日本の経済、産業、企業そして社会も、合理的解決がなかなか難しい多様な問題(以下「迷題」という。)を抱える昨今となりました。仕事やプロジェクトでも、迷題にぶつかった時は、原点に戻って再構築をなすことしかありません。ところが、社会や組織が複雑化すると、言葉やキャッチフレーズとしては簡単ですが、スムーズに原点回帰することも、相当大変なようです。

 また、かっての経済的先進国が、中進国になったとも、云われています。先進国になったのも、勤勉と応用技術、そして、おそらく、上げ底(経済)指標。もともと、欧米人は体力もあり、必要ならば、夜中も休日も、犬のように働く人たちも多いんです。悪人もいますが、頭のいい人、更に、頭も心も両方いい人もいっぱいいます。日本人だけがこの世で一番!なんて、思い違いをしていた人もいるのではないでしょうか?


 随分前から、経済成長は人口数によるといった経済学者がいました。中国は、当時の体制を成長の阻害要因としていました。インドは、人口数による経済発展論者の最重要対象国であったように記憶しています。いまここで、両国とも花が咲いたということでしょう。勤勉や応用技術に基づく産業の多くの部分は、環境(体制)が整えば、賃金が安く、且つハングリーな労働力の多い中国のような国に移り、徐々にその国の応用技術と所得(消費)そして(自)意識水準を高揚します。人口がはるかに多く広大な潜在需要(成長)とやる気のある国に、少子化と満足病の日本が対抗できないことが益々増えるのは、宿命かもしれません。
 インドは、最近、世界的鉄鋼会社の出現が知られていますが、この20年、ITや化学の分野で、その力を発揮してきました。彼らの算術をベースにした技術的才能に英語力が国際的に重宝された結果でもあります。昔からインド人は、数学(教育)が極めて優れていると聞いていました。随分前に、仕事でラスベガスのカジノホテルに宿泊したときの経験です。会議を終えホテルに戻り、部下のインド人に20ドル渡しました。 冷静沈着にプレーしていると思ったら、1時間後には、本人が30ドルをポケットにいれ、残りの30ドルが返ってきました。金額の多少はありましたが、同じことが3回ありました。日本人がとてもかなう相手ではありません。無駄な抵抗はやめるべきです。ラスベガスでは、胴元が大負けして倒産することさえあるのです。
 日本の産業で相変わらず強い、自動車、電子、精密産業等も、一応日本企業であるものの、外人株主が増える一方、海外(子会社等含む)での原料、資材調達、生産、そして販売も増えています。 世界に冠たる日本の企業が、日本経済に、実質付加価値をもたらすことの確証を得るのがなかなか難しくなりつつあります。いままで強かった、電子材料や化学素材の分野でも、いかにその応用技術が優れていても、希少金属や化学資源のない国の産業としての原料調達上の問題が生じないとも限りません。


 いくつかの迷題を抱えたうえでの、一度登りきった国際的経済力の低下は、大変です。とても、克服や修復なんかできるものでもありません。 でも、いいじゃないですか中進国で! 「哲学」と「めりはり」さえしっかりしていれば! なにしろ、後ろから2番目でも賞品をもらえるチャンスが残っているではないですか。さあ皆さん、仏教経済学でも学びながら、Small is beautiful の原点に回帰し、現代風な「和(,輪and/or環)の経済」の構築を目指して、これからの生き方、日本のあり方を、ゆっくり考え、実行してみようではありませんか。


平成20年1月8日 草刈啓一
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