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■「環境元年 ふゆみずたんぼ」 国際田園研究所 峯浦耘蔵 (2008.2)
 環境元年の、お墓参りに出かけた今年は、意外なことに気づかせられました。それは、忠魂碑をお参りし、亡くなった戦友の年齢が、孫たちの年齢であることでした。同級生とばっかり想っていた戦友が、22歳、23歳の、今の孫たちの年齢のときの、出来事でした。
 高齢の生き方、孫たちの未来を、想わざるを得ない心情でもあります。太平洋戦争で、亡くなった年齢は、20代が80%台を閉め、前途のある、人材の悲劇を、あらためて、気づいた日でもあります。環境を考え、いき続ける、新たな転機を、一層深いものにしなければ、新たな悲劇をまねく、危機を感じました。
 生きた時代の歴史は、世界遺産として、民族の誇りに、新たに知ることが出来、世紀のニースともなりました、日本人も一万年も生き続けた、民族ですので、誇りを持つて、敗戦からの再出発、世界の民族との交流、繁栄からの総点検、親子で生きる縄文以来の、倫理観、生きる幸せなど、いっぱい話題のある、未来でもあります。


 田尻の歴史は、8千年以前からの、先住民の住んだ貝塚が、30箇所以上も現存する古代歴史、埋蔵文化の多い町です。出土品は限りなく、縄文遮光器土偶は、国の重要文化財で保存されていますが、いき続けた歴史の宝庫でもあります。その歴史に、「蕪栗沼、周辺水田」は、平成17年ラムサール条約に、登録され、2007年11月で2周年を迎えました。伸萠の水田など、周辺の水田を含めて、世界最初の水田として、ラムサール指定の、現代史になりました。2008年、2月9日、10日と、「地域の宝を未来につなぐ」、課題で、ラムサールフエステバル2008が、国連大学仙台広域圏田尻RCE公開シンポジウムが開かれるのは、世紀の明るい、田尻の明るい、幕開けでもあります。
 「蕪栗沼、周辺水田」や、更に、日本の重要湿地500に選ばれている「化女沼」の素晴らしさを理解しての保全、活用計画に、位置づける市民運動にも、機会を生かされことになりました。伸萠は、70年前は、蕪栗沼でした。岩手宮城の治水計画の遊水地として、国の歴史的事業として取り組まれ、今日に至っています 、その間、昭和10年代、戦中の食料不足の対策で、干拓が計画され、135町歩の干拓地として、モデル部落の歩みがあります。


 「ふゆみずたんぼ」は、未来の米文化の再出発です。農薬も。化学肥料も、除草剤も使わない、生命の糧として生かされることになりました。化学汚染、ホルモン剤の人体への計り知れない影響が知られるにつれて、民間人、特に、岩沢先生の、30年以上に亘る「不耕起栽培」(日本不耕起栽培普及会。03−3430−2304)の技術開発で、日にみえるところまで参りました。小島塾での、10数年前に、岩沢先生の御講演いただき、全国に普及の、糸口ともなりました。私たちも、地域方々と取り組み、その後、冬水田に水を張り、がんの分散化に導き、「ふゆみずたんぼ」として、がんを守る会の、呉地先生、始め、多くの科学者の参加で、今日の普及に至った歩みは、地域の天与のチャンスでもあります。


 特に、本年1月に行われた、タイのバンコクで、ラムサール条約アジア地域準備会議で、水田決議関連提案が、本年韓国開催の、唯一つ決議案として、提案されることが、日本代表の、呉地先生から、連絡ありました。
 NPO法人田んぼ(0229−39−3212)の岩淵先生は、教職を捨て、田尻に住み、農民と一体となって、活動しています。全国に亘り、世界にも同志の絆が広がっている環境元年ともなりました。伸萠でも、蕪栗クリーンファームで(0229−39−2706)、1俵(60キロ)3万円で、(5キロ、3100円)年間宅急便で配達し、本年は、何倍もの注文に、仲間で、期待しているところです。生産者が、1俵6万円でも、消費者価格は、1グラム1円の、米価です。健康水の値段で、健康長寿米が栽培できるならば、本物の除草剤の使わない「ふゆみずたんぼ」に、注目される、チャンスであります。


 アメリカで6年前に、干拓の沼を、2年ないし3年。沼に戻して、完全に水田の雑草を駆逐して、2ないし3年除草剤使わない稲作を行い、米値段が2ないし3倍に販売していました。
 この作付けよりも、さらに効率のよい、「ふゆみずたんぼ」は、毎年沼に戻して、環境保全の補助が出て、その年に化学肥料の代わりに、米ぬか、20キロ。大豆くず20キロの微生物飼料を供給して、イトミミズなど、自然の肥料をつくり、田打ち、代掻きしない、耕さないで、田植えするのです。トラックターの使わない米つくりである。その後、良く水張りを管理することで、さやみどりの藻類が繁殖し、炭酸ガスの出さない水田となり、地球温暖化の酸素供給の機能を果たすことが、判ってきたのです。塩素も、炭素も、炭酸ガスも、在来の汚染をクリヤして、逆に清浄化に寄与する結果ができて、地球の自然で、「ふゆみずたんぼ」は、地球温暖化に大きく貢献していることが、評価されました。


 在来の堆肥を入れ、化学肥料を投入して、土壌改良してきた農法に、自然の生態系による、生物共存の栽培経営になり、永遠に続く農法とも評価される。世界の眼が、健康長寿の米として、自然湿地、水田の環境保全に確認された、歴史的転換の時代ともなりました。
 今年の収支概算は、収量では、8.5俵内外、米価1万2千円内外の10万余円。農薬肥料、除草剤約3乃至3.5万円。農機具使用量約3乃至3.5万円とすれば、手取りの米代は3乃至4万円で、10年前より、半減の収支で、農家は不安が募っている。
 「ふゆみずたんぼ」は、その収量においつけなくとも経費半減、米価が、2乃至3倍に引き取って貰うところまで、評価されています。米つくりの革命のように、地球温暖化に寄与し、環境保全が農業になり、消費者と、農民の共存する、生命産業となり、世界にその内容の普及を図る、国連大学仙台広城圏田尻公開シンポジュウムの学会に期待したいものであります。


 住みやすい都会と、生き生きと、暮らす水田地帯との、共存共栄の21世紀に、永続の環境保全と、農耕民族の世界に誇れる安定定住とが、情報交流して、食料の不安ない世界にリードすることができれば、環境元年の方向とうなずける新世紀ともなる。 

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