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■KJKネット2008年定例講演会 ご挨拶 KJKネット代表幹事 山本克郎 (2008.7)


 小島志ネットワークの会は、小島慶三先生の志を継ごうと2006年設立し、KJKネットを立ち上げました。昨年の第一回講演会は「21世紀の人間の生き方―生命誌からのアプローチ」というテーマで生命誌研究館長中村桂子先生の講演を伺い、生命誌から改めて「人間とは何か」と「人間とその社会と生き方」に関する基本的認識を深めました。今年の第二回講演会は、篠原孝先生と「環境・食糧・農業問題を語る」を開催することになりました。


 G8「北海道洞爺湖サミット」が10日前、物々しい厳戒態勢の中で開催されましたが、殆どみるべき成果を上げることなく閉幕しました。本来、環境・食糧・エネルギー・平和問題は同じ根元に出ており、G8のような問題意識や捉え方では解決出来ません。その解決には根本的な「発想の転換」が不可欠です。
 小島慶三先生は、早くからワールドウォッチ研究所長Lester Brownの業績に注目され同氏を日本に招いて講演会を開催し「飢餓の世紀−食糧不足と人口爆発が世界を襲う」(ダイヤモンド社)を翻訳し出版(1995年5月)しました。
 篠原孝さんは、同じ95年10月「第一次産業の復活−森と水と土の世紀」(ダイヤモンド社)を出版し、水、土、太陽光、森、草、海。日本は自然と生物資源に恵まれた資源大国。気候風土の質の豊かさに目を向けよう。と訴えました。
 いずれも21世紀を前にした貴重な警世の書でしたが、バブル崩壊後の構造不況の中で政界・官界・財界の「景気回復と経済成長という呪縛」を解くに至らず、環境も経済も社会も状況は悪化の一途を辿り、21世紀に入って今日まで、内外共に環境も食糧も農業も一層深刻な事態になってきました。


 特に21世紀に入ってから、国際的には、9,11事件が起こり、米国主導でアフガン、次いでイラクと戦争の泥沼に入ったままです。国内では「改革なくして成長なし」という小泉改革を期待しましたが、改革の痛みは見えても成果は実感出来ません。長引くテロとの戦争は米国経済を揺るがし、サブプライムローンに端を発した金融不安は国際社会にも深刻な影響を与え、更に中東の緊張を理由に原油が高騰し、昨年来農産物価格や資源価格の高騰に波及しました。インフレが諸国民の生活を直撃して、世界各国の経済を揺るがせています。
 どの国も自国の安全保障にとって、食糧自給、エネルギー自給は不可欠の課題であり、最も基本的な安全保障であることは自明の理です。にも拘わらず、戦後日本は、ほぼ一貫してエネルギーと食糧の自給に逆行し、他への依存度を高めてきました。政府の目指す自給率は平成27年度に45%という極めて危険な事態です。世界の食糧需給は今後一層緊迫の度を深めます。日本は一日も早く、エネルギーと食糧の自給へ向けて方向を転換しなければなりません。


 食の安全保障、食糧の自給には農業の再生、第一次産業の復活が不可欠です。これは、環境の保全、エネルギーの自給に繋がります。この講演会が食の自給、農の再生、環境保全への転換の契機になるように祈念します。
 篠原孝先生何卒宜しくお願いします。最後にこのような講演会を企画し推進して頂いた秋元委員長ほか会員各位にお礼を申し上げてご挨拶とします。


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