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「東京小島塾第15回例会」(2013.5.21)

篠原孝衆議院議員 TPPを語る

篠原先生のお話が興味深いこともあって21名の方がお集まり頂きました。忙しい中本当に有り難うございます。岡山の小林さん、北海道の山形さん、遠路のご来場を戴きありがとうございました。また、久しぶりの大塚さん、安原さん、これを機会にお越し下さいませ。篠原先生のお話は、要点のみ記載しました。質疑応答を重点的に記載しました。これからもマスコミはあまり信じず、実際何が起こっているかを知り、議論して行きたいと思っております。(佐藤昇)

篠原先生のお考え
2011年11月の例会には、多忙のため代わりに秘書官の岡本さんが同じテーマで話されました。国会議員10年目、篠原先生はこういう社会にすべきと言う価値観が小島慶三先生にとても近い方です。もし小島先生が生きておられれば、原発についても同じ意見を述べられると思います。社会のあり方としていたずらに何でも外に出す輸出産業よりも生命系の産業で江戸時代の様に再生社会を目指す考えです。篠原先生は、高度成長の夢をもう一度や、原発を輸出する様な、強い日本を目指したくはないと考えています。

TPP本論
TPPは、日本の将来を縛るルールを決めようとしている。アメリカルールの押し付け、日本を縛って社会をガタガタにしてしまう可能性大。輸出輸出と言っているが中国も韓国も入っていない。また聖域無き関税であって5品目(米、麦、砂糖、肉、乳製品)について何の約束もされていません。関税の25%なんて現在の円安では、どうということではありません。
日米共同声明では、安倍さんはコケにされている。安倍さんのタカ派的言動に不安。日本と現地メディアと異なる報道だった。TPPについて日本の伝統を守る保守系の人は、ほとんど反対している。亀井静香はTPP反対、原発反対。彼は死刑廃止論者、終始一環している。あくせくせず、食の安全を考えて、そこそこ暮らして行ければ良いと言う考え。イケイケドンドン派が賛成している。国民の生活を守るのは国防軍だけではない。食を守るルールを緩めても良いのかと思う。ISD条項についても、例えば食品添加物使用は日本が厳しいのでアメリカから訴えられる場合が起こる。安倍首相はISD条項に触れない様にしている。これまた問題。医療保険で新しい手術は保険外となる、アメリカは盲腸手術は300万円、これで良いのか。米韓のFTAが参考になる。韓国が日本に先立ち一番手になったがこんなはずではと困っている。日本は韓国の状況を学んでほしい。野田前総理は、かっこいい事をしたい方でまさか言うとは思わなかったが、消費税のほかにTPPを言ってしまった。安倍総理もそういう処があるので要注意。先の選挙選で自民党は、北海道や、農村部でTPP反対を全面に出していた。民主党は、馬鹿正直にTPP推進をさせた。大敗理由を分析するとTPPが民主党を惨敗させた。
参加者(敬称略) 小林勉 加藤春一 木呂子真彦 益田博 小山修 秋元征紘 中島敏樹 小島成一 草刈啓一 富田健司 磯浦康二 大石則幸 水沢魁蓮 佐藤正弘(佐藤夫人) 大塚昭男 安原和雄 最首公司 山形健次郎 熊谷清 佐藤昇

質疑応答(敬称略)
熊谷清 今日話しを聞いておまり良いと思わなくなった。今後TPPは止められるのか。
篠原孝 交渉権限は行政府。国会議員には残念ながら止められない、批准のときにNOと言うだけ。しかし党議拘束を外せば良い。日本はほとんど党議拘束を外さないが。各党とも意見が真二つに割れている訳で国際的な判断を求める時は、党議拘束を外せば良い。見えなくてじわじわと日本社会ルールを変えられるのが良くない。内容を知る為には、米韓のFTA状況を参考として見て行けば良いのではと思う。
安原和雄 政治が劣化してきた。政治の劣化は経済の劣化につながる。これを防ぐにはどのような対処が必要か。
篠原孝 選挙制度に原因がある。衆議院の制度で言えば小選挙区が良くない。2009年選挙に新人当選が134人のうち民主党で二期目に残ったのは5人、こんな不安定な仕事はない。中選挙区制にして3人から5人でそこそこの人は、残せる様にすべき。立派な人が政治をやれなくしている。小島先生のような方は今では当選は無理。最初は違ったが自民党が党利党略で変えてしまった。参議院選で75%は党名で、25%は人名というのも困ったものだ。タレントでなければ残れないのは疑問。
草刈啓一 TPPにやみくもに反対するのでなく、対応する方策はないのでしょうか。
篠原孝 奥出雲地方の佐藤忠吉さんは木次乳業として安全性を考え有機農業 を実践している。小さい所は、農協無しには拡販できない。農協を全部否定するのは良く無い。大きい所は自分で販売すればよい。フランスには、ひとつの村に地産チーズがあるが、佐藤忠吉さんの様に器用に色々なチーズを作って対応しブランド化して行くのはどうでしょうか。
小林勉 なぜTPPは国民的議論になって行かないのか。マスコミと政治家と産業界で盛り上がっているのみ。本日、栄養士の方に会ったが、TPPは保育園の給食も入札となって輸入品が入ってくるよと話した。献立表を英語で公表しないといけないし、1年先のレシピも作らないと行けない。輸入品つまり冷凍食品になる。
篠原孝 二国間もマルチの多国間交渉も、途中経過は明かさない。国民に情報を提供するはウソ。米韓FTAがひな形になると思う。何故が五大新聞はTPP推進派となっている。アメリカのヤフーUSAなどにちらちらと発表。山口公明党代表曰く、TPPの批准する時に特別委員会を作るのは当たり前で、今からTPP特別委員会を作って情報を引き出さないと行けない。私は賛成だ。
草刈啓一 最初のスタートした形とちがうのではないか。
篠原孝 TPPはP4の時には、補完関係国の微小国の協定だったが、アメリカがちょっかいを出してから原型の体をとどめていない。アメリカは金融と労働(買収した会社の労働者を簡単に首切りしたい)について突っ込んでくる。関税ゼロは国境を無くするのと一緒。WTOでも関税ゼロを言っていない。明日、5月22日に800人ほどの学者がTPP効果の影響効果を発表するはず、注目してほしい。
磯浦康二 マスコミは完全にコントロールされている。憲法問題で分断されているようだが、憲法改正反対で一つにまとまる事は出来ないのか。
篠原孝  毎週木曜日に憲法審査会に参加している。民主党は憲法改正反対で一丸となっている。自民党曰く、「国民の半分は改正してもいいよ。」しかし国民は言っているだけで望んではいないと解釈すべき。公明党は反対している。まず公明党にがんばってほしい。自民党は、加藤紘一、河野洋平、亀井静香、古賀誠などリベラル派がいなくなってしまった。これも政治の劣化。憲法改正について党議拘束は外して、条文ごとにやらないといけない。
山形健次郎 大店法本来の機能は失ったはずですが。 
篠原孝 大店法は廃止になったが、全国チェーン店ばかりで面白くない。アメリカの食生活は耐えられない。お祭りを復活したり、買い物難民が起こっているので小さな店の復活を促す方策が必要。
最首公司 篠原孝さんは地産地消を提唱された。エネルギーの地産地消型も必要。グローバル化とは言え、強いものが勝つ仕組みは良くない。今度の参議選は日本の分かれ目となる。篠原さんに頑張ってほしい。
篠原孝  中国地方には、小水力発電が多い。中国配電(現中国電力)役員だった織田史郎さんが農村の活性化を目的に考案、売電を国会に働きかけ認めさせた。特に深く掘らないで良いバイナリー発電(温泉発電)など、活用が面白い。女川原発は、平川さんが高台に作らなければ駄目と頑張った御陰で難を免れた。効率一点張りでは駄目。アメリカには、原子炉が100基ほどあるが西海岸には10基ほどしかない。地震国日本には、原発適地はない。小島先生が生きておられたら即刻廃止を言われるでしょう。有り難うございました。


経歴 篠原孝
  1948年長野県生まれ。京都大学法学部卒業。1973年、農水省入省。内閣総合安全保障関係閣僚会議担当室、農林水産省大臣官房企画室企画官、OECD日本政府代表部参事官(パリ)、水産庁企画課長、農林水産政策研究所長などを務める。農学博士(京都大学)。2003年より衆議院議員。管内閣で農林水産副大臣、2011年9月、民主党副幹事長を歴任。なお、TPPを慎重に考える会副会長、菜の花議員連盟前会長などを務める。
  著書に「農的小日本主義の勧め」(復刊、創森社)、「第1次産業の復活」(ダイヤモンド社)「EUの農業交渉力」(農文協)、「農的循環社会への道」(創森社)、「TPPはいらない」(日本評論社)、「原発廃止で世代責任を果たす」(創森社)

 
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