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「東京小島塾第18回例会」(2014.5.26)

皆様、お忙しい中、ご参加を戴き、有り難うございました。今回はロシアのクリミア侵攻というホットな話題です。
ソ連崩壊とロシア、ウクライナの今後について、吉尾紘様から、現地の詳しい事情とともに水面下のお話をして戴きました。

参加者(敬称略) 大石則幸、木呂子真彦、草刈啓一、小島成一、小山修、最首公司、佐藤正弘 坂本暉正、坂本幸久、島宏彰、富田健司、中島敏樹、水沢魁蓮、三野耕治、佐藤昇

これまでロシアと社会主義にこだわって見守ってきました。この10年は主にインターネットからの情報を利用し、解析しております。
1950年代後半は、社会主義は宇宙競争もあって資本主義に追いつき追い抜きの時代でした。ロシア滞在時の大きな出来事は、東京オリンピックがあった年、1964年10月にスターリン批判をしたフルシチョフ第一書記(ウクライナ系ソビエト人)の解任でした。ソ連のオリンピック選手は当時大ショックで動揺。今話題のウクライナの侵攻も同様にソチでのパラリンピックを、ボイコットしたかったでしょうが、ウクライナの選手は身障者の連帯精神でボイコットしなかった。フルシチョフは農業政策に失敗して失脚、ライバルで陰謀家のブレジネフは、国際緊張緩和と平和共存の路線で推進しました。このブレジネフも思う様に社会改革できませんでした。そしてゴルバチョフに改革が回ってきます。ソ連邦の初代で最後の大統領ゴルバチョフは、グラスノスチ(情報公開)とペルストロイカ(構造改革)によって社会主義を改革して行きます。言論統制をこのまま継続出来ないと判断していました。
ゴルバチョフがヤルタで休暇を過ごしていた1991年の8月19日クーデターが起こって拘束されます。ヤナーエフ副大統領らが、国家非常事態委員会を起しますが、改革のうねりは大きく、クーデターは3日天下に終わります。軍はモスクワを包囲しますが、当時の軍の司令官は、もう時代の趨勢を読んでいて、改革派に寝返った為、大流血は逃れる事が出来ました。確かクーデターに寄って亡くなった人は2〜3人でした。しかしながらゴルバチョフの権威が失墜して、1992年バルト三国の独立、そしてロシア、ウクライナ、ベラルーシが独立国家共同体と緩やかな連合を組みます。その後のロシア大統領のエリツィンがゴルバチョフ以上に改革を推進します。
レーニンは社会主義を造った天才です。只の政治家、哲学者ではありません。大政治家が作った体制が崩壊する時には、過去の歴史上では大惨事の起こる場合が多いのです。しかし時代が人を生むので、その制度を解体するゴルバチョフという近代化の天才が現れました。
ソ連人は225民族で出来ており。ソ連人は皆兄弟と考え、民族の差は無いとしてソ連人として誇りを持っています。しかし理想的な社会主義はあり得ません。中央からの管理統制経済では一時期はうまく行っても腐敗がはびこるだけだったのです。
既にカールポラニーの1944年「大転換」という本の中に書かれて居ますが、社会主義は人間社会を堕落させる。と有ります。自由競争がないと経済は発展していかない。ソ連の崩壊は、世界のグローバル化において当然の結果だったのです。
環境問題で良く例としてあげられますがアラル海の4分の1ほどの縮小は、ソ連時代ウズベキスタンが綿花栽培の為に水の使い過ぎをしてしまった。つまり社会主義地域分業の弊害です。

ルガンスク(ルハンスク)、ガムレット(ハムレット)、ヨコガマ(横浜)「ハム」は「悪どい」「図々しい」とかの意味で嫌って「ガム」と発音する。
ルハンスク、ドネツク州(石炭生産地)は経済の中心地。ソ連の大統領選挙もいい加減ですから、内戦状態の投票はもっといい加減です。
プーチンはセヴァストーポリという天然の良港を取っただけでもうよしと思っています。クリミヤ半島は帰ってきません。ミサイルの時代なのに軍人は、まだ巡洋艦が大切のようです。
プーチンは、議会でウクライナ軍が住民弾圧した場合は、侵攻すると言い続けています。ロシアの出している軍は治安維持軍で正規軍ではありません。ウクライナは、ソ連崩壊後自由化を最優先で行なってきたので、軍事強化を怠っていた。ボロボロの戦車ばかりだった。今後ウクライナ問題は話し合いで進むと思われる。民族間の国際結婚が進んで。今、ウクライナとロシアも人民の血族関係が出来ており、幸いなるかな流血までには至りません。5月25日のウクライナの大統領選挙は、ポロセンコの大統領が出ると思う。
軍事力で対抗するのは、意味が無い。振り返って、安倍首相の軍事強化は、危ない考えと思う。
プーチンの支持率が54%と落ちている。2012年3月の選挙戦でプーチン批判が表面化した。プーチン政権の長期化で腐敗が進む。10万人の反プーチン集会が起こった。プーチンも引き締めの方向に走り出す。プーチンの与党の統一ロシア党は、泥棒と詐欺師集団与党と云われている。
マルクス資本論は、アダムススミスの国富論も容認している、一番弱いところで社会主義革命が起こると考えた。悲惨な労働階級を計画的に救おうとした。1700年代産業革命の起こったイギリスでは社会主義は起こらなかった。農民は拘束されていた、階級は闘争に入る、農奴が解放されて行った。資本主義が発達しなかった農奴帝政ロシアは、天才レーニンが組織をして、社会主義が発達した。
最後に吉尾紘氏の持論の紹介、パナマ運河理論
大西洋の方が水位が高い為に、パナマ運河にはゲートが必要。賃金水準は、アメリカ、日本、中国、ミャンマー、バングラデシュと低い方に落とし込まれているが、だんだん水準が上がって、長期的には平均化して行くという理論です。    以上

レジメ(PDFファイル)

 
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