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ランニング研究:その14

マラソンのスタート位置とタイムロスについて(No.2

ランニング研究その13では、「ランナーのスタートタイムロス」をフィニッシュタイムとの関係から見てみましたが、ここではもう少し直に、2007年と2008年の二回の東京マラソンにおいての、スタート位置によってどの程度スタートタイムロスが出ているかを見てみました。スタート位置はゼッケン番号によってグルーピングされているので、ゼッケン番号が全体のどの位置(%)かで見てみました。つまり100名参加で50番なら50%という表示です。ただし全員を調べるのは無理であり、また2.6万人中130名程度の適当な抽出なので、統計的な確かさはこの際置いておきます。適当な抽出とは、スタートタイムロス1分ごとに7つほどのサンプルを適当に取り出したということです。

下の表がその結果です。

2007年は陸連登録者も含んでおり、男子のゼッケン位置20%未満は陸連登録者だと思います。陸連登録者は選考レース対象者の後に並びスタートラインまで100m以内なので、タイムロスはほとんど1分以内に納まっているはずです。一般ランナーはロス1分程度から、当然ゼッケン位置によりロスタイムは大きくなっています。ただ周囲の状況や個別スピードにもよるのでしょうが、特に70%以降は結構バラツキはあります。

2008年男子は陸連登録者は外し、一般ランナーのみのデータです。なぜか分かりません(データ数の問題?)が、5060%位置のランナーは他に比べロスタイムが小さかったようです。

また女子は2007年、2008年とも陸連登録者は除いています。

これだけで断定的なことは言えず、特別な例は当然あると思いますが。あくまで目安としてですがおおむね、

@陸連登録者はロスは1分以内に収まっている。

A一番後ろからでも、スタートラインまでは18分前後でたどり着く。

B位置が後ろになると男子、女子の違いはあまり見られないが、前の方では女子よりも男子の方がロスが少ない。これは、男女で並び方に違いがあるのかもしれない。

C男子の場合は位置が全体の60%以内にいればロスが10分以内に納めることができる。女子の場合は50%、いや2008年を見れば40%以内でないと10分以内はきついかもしれない。

ような気がします。

2007

2008

では、ランニング研究その13でも言及しましたが、スタート位置によってスタート後の速度に影響はあるのでしょうか。ランニング研究その13では、フィニッシュタイムごとにそれを見てみましたが、各ランナーの最初の5kmと次の5kmに速度の変化には、違いはあまり見られませんでした。

ここではさらに直接的に、またもう少しサンプル数を増やして(とは言っても130程度ですが)、スタートまでに時間が掛かった(後ろからスタートした)ランナーとそうでないランナーとの間で、スタートライン通過後の走りに違いがあるかを見てみました。これも同じく最初の5kmラップ(第一ラップ:スタート〜5km)と次の5kmラップ(第二ラップ:5km10km)の差でスピードがどう変わったかを見ています。

2007

2008

左のグラフがそれを示しています。

ここでは、第二ラップをマラソンにおけるペースをつかんだ巡航速度と見ました。それで、Y軸が+の場合は第一ラップが第二ラップよりも遅い、つまり、スタート直後何らかの影響が走りにあったと見ています。−の場合は第一ラップが第二ラップよりも速い、つまり徐々に遅れており、おそらくスタート直後は思ったように走れた訳で、スタート時の混雑などの影響はなかったと見ました。

2007年、2008年データとも同じような分布を示しており、影響があったともなかったとも言いにくいようです。平均値を取れば、54.9秒(2007年)、53.6秒(2008年)と若干の影響はあったかもしれません。しかしスタートタイムロスの大きい小さいの程度によってその後の走りに影響があったかどうかは、おそらく全くないと言えるのではないでしょうか。ロスタイムが小さいランナーも大きいランナーもラップの変動はバラバラです。

むしろ、バラツキは大きいもののロスタイム5分以上で見ると、ロスタイムが大きいランナーの方がラップの変化は小さいようにも見えます。中段のロスタイム515分のランナーが、バラツキが大きいようです。

心理的にはスタートの混雑がその後にも影響を与えているように感じますが、私はレース全体に与える影響は少ないと見ました。むしろここであせって人混みを抜きながら行くのは、ペースを乱す原因になるのではないでしょうか。じっくり自分のペースを確立することに専念したほうが結果は良くなる気がしました。ところで上述の平均値5355秒の遅れと

は、1km5分で走るスピード(フィニッシュタイム3時間半レベル)では、距離にして180mほどの差となりますね。フルマラソンで180mの差なんて、その日のコンディションや走り方でなんとでもなる気がします。私の場合は。

 

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