ランニング研究:その21 イーブンペースで走ること |
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マラソンなどの長距離走では、最初から飛ばさずに結果としてイーブンペースで走ったほうがタイムは良いというのが、私の頭の中にずっとあるのですが、このイーブンペースで走るということは結構難しい。ペースが速すぎてエネルギーが続かずペースダウンするのは論外としても、ペースが遅くても自然にペースがさらに下がったり、また遅すぎて逆に上がったり、同じペースを維持するのはなかなか難しいですね。フラフラしています。日頃、周回出来るコースで、時計を見ながら速さを管理して走ることを続けていますが、速さの感覚というのはなかなか身につきません。 以前、山田敬蔵さんと一緒の駅伝大会に出たときに、山田敬蔵さんはゲストランナーでしたので、一人で一周5kmのコースをほぼ完璧に一周ごと20分のペースで3周走られました。そのとき凄いなぁと思ったものです。一流のランナーはペースが身についていますね。 自分ではイーブンで走っているつもりでも、実際はどのようなペースで走っているのか。それを知りたくなりました。それで、今回それを調べてみました。とにかく如何に自分の感覚が曖昧かを自覚するためのものでもあります。もちろん時計は見ないで走り、あとで確認します。 6分/kmに近いペースから4分30秒/kmほどのペースまでいくつかの速さに分けて日を変えて5回走ってみました。 場所:国立競技場回廊(0.65km/周) 日時:2008.10.20〜27 計測:0.65kmごとのタイムを計測 結果:下表(数値は/km)
これをグラフにしたのが、下の図です。 結果は上グラフの通りとなりました。5分/km以上の遅いスピードでは、周回でタイムをチェックしないと自然にペースが上がってしまいます。これは、もちろんわざと上げているのではありません。ウォーミングアップをしても、走り出して15分から20分ほど経つ間にさらに体が温まることで、走りに軽さが出てきて自然にペースが上がるでしょう。ですので、このくらいのペースでは、ある程度自重しないとペースは上がってしまいます。しかし、これも山田敬蔵さんのように自身のペースをしっかり身体で覚えていれば、ペースが遅くても大丈夫なんでしょうが。私はまだそこのところダメですね。ちなみにグラフ中丸は最遅、三角は最速を示しています。 また、このグラフの変化を線形で傾向を下図に表してみました。これはエクセルの近似グラフ機能で変換しました。 |
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この傾向を見ると、上のAからB、Cと設定ペースが速くなるに従い小さくなり、D、Eになるとむしろ後半少しペースダウン気味となります。つまり、私の場合はどうも、Dのちょっと手前、設定ペース4:35/kmあたりから、感覚だけでイーブンを保つことの境界があるようです。これは何を意味しているのか。例えば、4:35/kmで13kmを走り切るのは、息が上がるほどのきついペースではないけれど、決して楽なペースでもありません。楽々ペースではなく真剣ペースの入口というところでしょうか。「ランニング研究その11」で調べた心拍数を元に数値をグラフで見ると、4:35/kmのスピードは心拍数148回/分くらいで、運動強度は約75%です。私の場合、目一杯の力の75%程度までは、時計を見なくても何とかペースを落とすことなくいけるということを意味しているのでしょうか。これも10km前後の場合という限定付きですが。 まぁ、こんなわけで、皆さんもご自分のペースを維持するにはという観点で、いろんな速度を試してみてはいかがでしょうか。 |
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