[132] 『「カルト」の正体。』 別冊宝島編集部編 (P255-257) 投稿者:A 投稿日:2000/05/01(Mon) 03:30 マインドコントロールを考える上で参考にしてください。以下抜粋。 服部 カルトの児童虐待は二次元論の罠です。カルトは物事をすべて極端な善悪に分けます。子どもをサタンに引き渡すか、子どもを堕落と死から救うか、などは二元論の ゥです。カルトは親に、子どもを救うために子どもを叩くかどうかの選択を迫るわけです。しかし、二つの選択があるようでも、一つしか選べない仕組みになっている。二元論の罠にはまると、子どもを救うには虐待するしか方法がない。これを心理学用語で「偽りのジレンマ」といいます。二つの選択を与えるが、一つの道は塞がれており、残りの道しか選べないのです。 偽りのジレンマは政治でよく使われます。今ここで彼らを攻撃しなければわが国は絶滅させられる。座して死を待つか、こちらから攻撃するか。選択肢があるようだが、一つの選択は絶滅だから、攻撃するしかない。詭弁の一種です。カルトの児童虐待でも同じ二元論の詭弁が使われています。… 服部 二元論の罠にはめられると、自分の意思で相手が望む道を選んでしまう。しかも決定は自分がするから、誤った道であろうと、それは自分の選択になる。カルトに入った人たちは「組織に強制されていない。自分で選んだ道だ」とみんなが言いますが、本当にそうなんです。彼らは自分の決定で子どもを虐待したり、全財産を寄付したりするのです。マインド Rントロールは自己決定を誘導するシステムと言ってもいい。… 服部 犯罪者はカルトのマインドコントロールには引っかからない。アメリカではそんな言い方がされているけど、たぶんそうかもしれません。犯罪者は悪いと思っていることでも平気でやるんだから。しかし、普通の人だったら善を選ぶ。人間には善を選ぶ気持ちがあるのです。正しいことをやっていると気持ちがいいし、それを求める気持ちがある。それをうまく利用しているのが、この白か黒かのメカニズムです。分析してみればわかりますが、カルトで選択を迫られるときは一つの道は絶対悪で、一つの道は絶対善になっている。 服部 カルトの教義は常に二つの善悪の選択を迫り、悪の浄化と善の追求をさせる。だから、必ず二元論であり、それ以外の可能性を認めない。… 私たちの日常生活にはもっとたくさんの選択肢があるでしょう。それを二つだけに制限して、一つの道は死や不幸につながると教えれば、誰もがもう一つの道を選ぶわけです。カルトの教義は伝統的な宗教の教義とは違います。こんなことを教えるのはカルトだけです。 |