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三十糎艦船連合呉支部

三十糎艦船連合呉支部

第六潜水艇殉難之碑は、呉市街西部の鯛之宮神社にある。 

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第六潜水艇殉難之碑

この碑は、1911年(明治45年)4月15日に山口県新湊沖で訓練中に第六潜水艇が沈没、殉職した佐久間艇長以下13名を顕彰するために、1911年(明治45年)11月29日に建立された。(1)  第六潜水艇について

第六潜水艇殉難之碑

第六潜水艇殉難之碑

第六潜水艇の部品

基部の保管庫には、第六潜水艇の部品が収められている。

収められているのは、「プロペラ」と「スルイスバルブ」[註1]である。 「スルイスバルブ」は通気筒の開閉弁で、これの作動チェーンが切れたため、バルブを閉めることができず、通気筒からの浸水により第六潜水艇は沈没した。

1951年(昭和26年)、第六潜水艇が解体の一歩手前にあることを知った地元住民が「プロペラ」と「スルイスバルブ」を入手・保管。 第六潜水艇顕彰保存会を結成し、殉難50周年にあたる1959年(昭和34年)4月15日にあわせて、この保管庫を設置した。(2)

第六潜水艇部品

第六潜水艇部品

第六潜水艇部品

4月15日の追悼式の日には、保管庫の中を見ることができる。

第六潜水艇部品

第六潜水艇部品
スルイスバルブ

碑銘銅板

碑銘銅板

碑銘銅板

碑銘銅板

碑銘銅板

第六潜水艇殉難追悼式

毎年4月15日に第六潜水艇殉難追悼式が行われ、海上自衛隊関係者の他、イギリス大使館付きの武官も出席する。

第六潜水艇殉難追悼式

第六潜水艇殉難追悼式

第六潜水艇殉難追悼式

第六潜水艇殉難追悼式
儀仗隊敬礼

第六潜水艇殉難追悼式
遺書奉読

第六潜水艇殉難追悼式
駐日英国大使館防衛武官
アンドリュー・エドニー海軍大佐

第六潜水艇殉難追悼式

戦前の第六潜水艇殉難之碑

戦前の絵葉書を示す。 当然のことながら、戦後に設置された基部の保管庫は存在しない。

アクセス

JR呉駅から徒歩12分。

JR呉駅から広電バス宝町線(左回り)または三条二河宝町線(左回り)に乗車。 「三条四丁目」下車。 徒歩3分。

JR呉駅から広電バス吉浦天応線、かるが西・天応福浦方面乗車。 「三条三丁目」下車。 徒歩5分。

註釈

  1. スルイス弁(sluice valve)は、スルースまたはスリース弁とも呼ばれる。 また、ゲート弁(gate valve)とも呼ばれる。 日本語としては、仕切弁という名称がある。
    板状または楔状の弁体が上下する事で、弁箱を仕切るような形で流路を開閉する形式の弁である。 この形式の弁の特徴を以下に示す。
    • 全開時の流体抵抗が非常に小さい。
    • 操作に要する力が、同一口径の他形式の弁などに比べて小さいので、大口径の弁に適している。
    • 半開の状態で使用した場合には、弁体の下流側に渦を生じて浸食や振動を起こすおそれがあるため、流路の全開か全閉の目的で使用するのがよい。 なお、保管されているスルイス弁が半開状態なのは、弁の構造を示すためだと考えられる。
    • 構造上、弁体のストロークが大きくなり開閉時間が長くなる。 したがって、急速開閉には適さない。
    (3)

参考資料

  1. 呉市史編纂室編.呉市史第3巻.呉,呉市役所,1964,p346
  2. 碑文
  3. 笹原敬史.バルブの基礎,パワー社,東京,2000.ISBN4-8277-1260-3 p7-8