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三十糎艦船連合呉支部

三十糎艦船連合呉支部

呂号第百十二潜水艦

呂号第百十二潜水艦について

呂号第百十二潜水艦は小型（呂百型）潜水艦の13番艦である。

要目（1）（2）

新造時
艦種二等潜水艦
艦型小型（呂百型）
建造所川崎重工業艦船工場（進水までは同社泉州工場）
水上排水量 ※1525トン（基準）／601トン（常備）
水中排水量 ※1782トン
垂線間長57.40m
全長60.90m
最大幅6.00m
喫水3.51m
主機艦本式24号6型ディーゼル2基、2軸
主電動機特9型2基
蓄電池1号15型×120
出力1,000馬力（水上）/760馬力（水中）
速力14.2ノット（水上）/8.0ノット（水中）
燃料重油：50トン
航続力12ノットで3,500浬（水上）/3ノットで60浬（水中）
乗員38名
兵装九六式25mm連装機銃1基
九五式53cm魚雷発射管4門（艦首）
九五式魚雷8本
安全潜航深度75m
その他

※1：英トン（1.016メートルトン）

艦歴（3）（4）

年月日履歴
1942年（昭和17年）6月20日第四百三号艦として、川崎重工業泉州工場において起工。　
1943年（昭和18年）2月5日呂号第百十二潜水艦と命名。
1943年（昭和18年）3月25日進水。　
1943年（昭和18年）9月14日川崎重工業艦船工場において竣工。　本籍を呉鎮守府と定める。　第十一潜水戦隊（第一艦隊）に編入。　訓練部隊（第一艦隊）第十一潜水部隊（第十一潜水戦隊）に編入、内海西部において就役訓練に従事。　神戸発、広島湾に向かい訓練。　
1943年（昭和18年）11月25日第十一潜水戦隊は、第一艦隊から除かれ、第六艦隊に編入。　
1943年（昭和18年）12月18日訓練部隊（第一艦隊）から除かれる。　先遣部隊（第六艦隊）第十一潜水部隊（第十一潜水戦隊）に編入、整備訓練に従事。　
1943年（昭和18年）12月25日第十一潜水戦隊から除かれ、第三十潜水隊（第八潜水戦隊・第六艦隊）に加える。　先遣部隊（第六艦隊）第十一潜水部隊（第十一潜水戦隊）から除かれる。　南西方面部隊（南西方面艦隊）潜水部隊（第八潜水戦隊）に編入、南西方面に進出を下令される。　
1943年（昭和18年）12月26日呉発、スラバヤに向かう。　
1944年（昭和19年）1月18日スラバヤに進出、補給待機。　オーストラリア西岸方面の敵海上交通破壊を下令される。　
1944年（昭和19年）1月19日スラバヤ発、オーストラリア西岸方面に向かう。　
1944年（昭和19年）2月21日スラバヤに帰着、補給休養。　
1944年（昭和19年）2月27日スラバヤ発、オーストラリア西岸方面に向かう。　
1944年（昭和19年）3月20日第三十潜水隊（第八潜水戦隊・第六艦隊）から除き、第五十一潜水隊（第七潜水戦隊・第六艦隊）に加える。　南西方面部隊（南西方面艦隊）から除かれる。　先遣部隊第一潜水部隊（第六艦隊司令長官指揮）に編入、中部太平洋方面に進出を下令される。　　
1944年（昭和19年）3月25日スラバヤに帰着、補給休養。　
1944年（昭和19年）4月11日スラバヤ発、サイパンに向かう。　
1944年（昭和19年）4月20日サイパンにおいて急速補給の上、南方への進出を下令される。　サイパンに到着、補給待機。　
1944年（昭和19年）4月21日Z一作戦の発動を下令される。　アメリカ機動部隊が西ニューギニアに来襲。　アドミラルティ諸島北西方の北緯1度、東経145に配備を下令される。　
1944年（昭和19年）4月22日赤道上の東経141度付近に配備を下令される。　
1944年（昭和19年）4月24日サイパン発、ニューギニア北方の配備に向かう。　
1944年（昭和19年）4月25日先遣部隊（第六艦隊）第七潜水部隊（第七潜水戦隊）に編入、北部ニューギニアにおいて、敵機動部隊と攻略部隊の動静偵知、邀撃を下令される。　
1944年（昭和19年）5月1日乙潜水部隊（呂号第四十一潜水艦長指揮）に編入、メレヨン南方のB散開線において索敵哨戒を下令される。　
1944年（昭和19年）5月2日乙潜水部隊は、撤収して、サイパンに帰投を下令される。　艦はB散開線を撤収して、サイパンに向かう。　
1944年（昭和19年）5月3日あ号作戦命令を下令される。　乙潜水部隊は編成を解かれる。　
1944年（昭和19年）5月6日サイパンに帰着、補給待機。　
1944年（昭和19年）5月14日先遣部隊第七潜水部隊甲潜水部隊（第七潜水戦隊司令官指揮）に編入、カロリン諸島南方に配備、敵機動部隊および攻略部隊に対する哨戒、偵察、奇襲を下令される。　
1944年（昭和19年）5月15日サイパン発、ナ散開線南方の配備に向かう。　
1944年（昭和19年）5月20日あ号作戦開始を下令される。　
1944年（昭和19年）5月22日ナ散開線南方の配備につき、索敵哨戒。　
1944年（昭和19年）5月28日敵機にしばしば発見され、甲潜水部隊は100浬西方のB散開線に移動を下令される。　
1944年（昭和19年）5月29日B散開線に到着、索敵。　
1944年（昭和19年）6月3日5日零時撤収して、トラックに帰投を下令される。　
1944年（昭和19年）6月5日撤収して、トラックに向かう。　
1944年（昭和19年）6月8日トラックに帰着、整備休養。　
1944年（昭和19年）6月12日アメリカ機動部隊のマリアナ諸島来襲は、前日に引き続き、帰途トラックに来襲の算ありと判断され、艦はトラックの0〜60度間に配備を下令される。　
1944年（昭和19年）6月13日あ号作戦決戦用意を下令される。　
1944年（昭和19年）6月14日トラック発、周辺の配備に向かったが、甲潜水部隊とマリアナ方面に急行を下令される。　
1944年（昭和19年）6月15日あ号作戦決戦発動を下令される。　アメリカ軍がサイパン島に上陸。　
1944年（昭和19年）6月16日在サイパンの第六艦隊司令部は、アメリカ軍の上陸により、作戦指揮が困難になり、第七潜水戦隊司令官に、第一潜水部豚の指揮を委ねた。　艦は、丁潜水部隊（第七潜水戦隊司令官指揮）に編入、サイパン周辺に配備を下令される。　
1944年（昭和19年）6月17日18〜19日、サイパン、テニアン付近の敵機動部隊に殺到、反復攻撃を下令される。　サイパン東方東哨区に配備を下令される。　
1944年（昭和19年）6月19日グアム島東端を基点とするP散開線の基点に配備を下令される。　
1944年（昭和19年）6月20日サイパン周辺に配備を下令される。　
1944年（昭和19年）6月22日丁潜水部隊はトラックに回航を下令される。　サイパン付近を撤収して、トラックに向かう。　
1944年（昭和19年）6月27日トラックに帰着、補給休養。　
1944年（昭和19年）7月2日在トラック潜水艦は、内地に帰投を下令される。　
1944年（昭和19年）7月7日トラック発、横須賀に向かう。　
1944年（昭和19年）7月10日先遣部隊第一潜水部隊（第六艦隊司令長官指揮）に編入、内地において、次期作戦準備に従事。　
1944年（昭和19年）7月17日横須賀に帰着、整備休養。　
1944年（昭和19年）8月15日第五十一潜水隊は解隊。　予備潜水艦を練習兼警備潜水艦と定める。　呉潜水戦隊（呉鎮守府部隊）に編入。　
1944年（昭和19年）8月22日横須賀発、行動先不詳。　
1944年（昭和19年）8月27日横須賀に帰着、待機。　
1944年（昭和19年）9月10日捷一号作戦警戒を下令される。　ダバオ誤報事件。　
1944年（昭和19年）9月11日捷一号作戦警戒を解かれる。　
1944年（昭和19年）9月25日呉潜水戦隊から除かれ、第三十三潜水隊（呉潜水戦隊呉鎮守府部隊）に加える。　
1944年（昭和19年）10月17日捷一号作戦発動を下令される。　アメリカ軍がレイテ島に来攻。　艦は、連合艦隊司令長官の作戦指揮下に入り、捷号作戦参加を下令される。　
1944年（昭和19年）10月18日先遣部隊丙潜水部隊（第六艦隊司令長官指揮）に部署、23日比島方面に出撃を下令される。　
1944年（昭和19年）10月20日第三十三潜水隊（呉潜水戦隊呉鎮守府部隊）から除かれる。　第三十四潜水隊（第六艦隊）に加える。　
1944年（昭和19年）10月21日横須賀発、呉に向かう。　
1944年（昭和19年）10月22日出撃期日を29日に改め、第三散開配備（方形、基点：北緯18度、東経126度40分、距離50浬、基線方向350度）の哨区（後令）に配備され、極力強行進撃を下令される。　
1944年（昭和19年）10月23日呉に入港、補給、出撃準備。　羅針盤の故障修理のため、出撃予定日の延期を必要とした。　
1944年（昭和19年）10月27日先遣部隊乙潜水部隊（第六艦隊司令長官指揮）に部署、第三散開配備（方形、基点：北緯17度、東経126度40分、距離50浬、基線方向350度）をとり、ト哨区に配備を下令される。　
1944年（昭和19年）10月29日呉発、比島東方の配備に向かう。　
1944年（昭和19年）11月5日第三散開配備のリ哨区に配備を下令される。　
1944年（昭和19年）11月8日第三散開配備のリカ哨区に配備を下令される。　
1944年（昭和19年）11月17日撤収して、馬公に帰投を下令される。　比島東方を撤収して、馬公に向かう。　　
1944年（昭和19年）11月21日馬公に帰着、補給休養。　
1944年（昭和19年）11月先遣部隊第一潜水部隊（第六艦隊司令長官指揮）に編入、次期作戦準備を下令される。　
1944年（昭和19年）11月30日馬公発、高雄に向かう。　
1944年（昭和19年）12月1日高雄に到着、補給待機。　此島東方のD散開線配備に進出を下令される。　
1944年（昭和19年）12月6日高雄発、呂号第五十潜水艦と交替のため、比島東方の哨区に向かう。　
1944年（昭和19年）12月8日第三散開配備のオタレ哨区に進出、索敵。　
1944年（昭和19年）12月18日撤収して、呉に帰投を下令される。　比島東方の配備を撤収、呉に向かう。　
1944年（昭和19年）12月28日呉に帰着、整備休養。　
1945年（昭和20年）1月22日呉発、ルソン島西方哨区に向かう。　
1945年（昭和20年）1月29日ルソン島西方哨区に進出、索敵。　
1945年（昭和20年）2月2日撤収して、ルソン島北部から陸軍搭乗員を高雄に輸送する任務に1回従事したのち、佐世保に帰投を下令される。　
1945年（昭和20年）2月3日ルソン島西方から撤収、高雄に向かう。　
1945年（昭和20年）2月7日高雄に帰着、補給、予備魚雷等を揚陸、輸送準備。　
1945年（昭和20年）2月9日高雄発、ルソン島北岸バトリナオに向かう。　艦は以後連絡がなく、消息不明。　
1945年（昭和20年）2月11日ルソン海峡（北緯18度53分、東経121度50分）でアメリカ潜水艦「バットフィッシュ (Batfish) 」の雷撃を受け沈没。　
1945年（昭和20年）2月20日ルソン海峡において亡失認定。　
1945年（昭和20年）5月10日除籍。

参考資料

  1. ∧日本潜水艦史．東京，海人社，1993，p76，世界の艦船．No469 1993/3増刊号 増刊第37集
  2. ∧福井静夫．（写真）日本海軍全艦艇史資料篇．東京，ベストセラーズ，1994，p53
  3. ∧雑誌「丸」編集部編．日本海軍艦艇写真集：ハンディ判　20巻　潜水艦伊号　伊400型　改甲型　潜高大　潜補　丁型　呂号　波号　特殊潜航艇他．東京，光人社，1997，p98
  4. ∧渡辺博史．鉄の棺　日本海軍潜水艦部隊の記録　資料編3下．名古屋，ニュータイプ，2005，p783-787