2010. 9.12 at 定禅寺ストリートジャズフェスティバル
− Set List −
MONSTER TREE
サンダーガール
満天の星を探そうとも空は見ない
Ladybug
ありあまる富
終電マスター
今すぐKissMe
2010年3月某日。
会社帰りに、オレはベース担当KUBO−Chanを某居酒屋へ呼び出した。
用件は、4月に募集が始まる定禅寺ストリートジャズフェスティバルへの応募映像についての緊急ミーティングだ。
KUBO−Chanは我がバンドのベーシストでありながら、映像製作担当という重要な任務を担っているのだ。
ビールを注文するや否や本題にとりかかった。
オレ: 「今回のジャズフェス応募映像は、○月にやったライブの○○と□□の2曲にしたいと思ってるんだけど・・・」
KUBO−Chan: 「異論なしです!」
オレ: 「それで、□□については、その前の曲のラストの箇所からの繋がりで映像編集してもらいたいんだけど・・・」
KUBO−Chan: 「了解です!」
オレ: 「本日の議題は終了! あっ!おねえさん、生ビールおかわり2杯!」
本日の重要議題は約1分で終了。(笑)
そして、その後ジャズフェスと関係ない話をしながら、だらだらと2,3時間呑んでいたのは言うまでもない。(笑)
定禅寺ストリートジャズフェスティバル(通称:ジャズフェス)。
今年で20回目を迎える我が町の最大の音楽イベントだ。
一説によると市民ボランティアが運営する音楽イベントとしては日本最大級のイベントらしい。
今年も、46ステージで約750グループが参加し、観客数は延べ75万人もいたらしい(←誰が数えたのだ?!野鳥の会か?!)
しかしながら、このイベントは誰でも出演できる訳ではなく、音源審査(映像)を通過したバンドしか出演できない。
我々も2006年、2007年、2008年と連続出場していながら、昨年は残念ながら落選し涙を飲んだ・・・。
そんな訳で、応募音源(映像)には結構気を使うのだ。
応募映像はKUBO−Chanうまく編集してくれるし選曲にも自信はあったが、昨年落選してるし、昨年観客として
ジャズフェスを観たときに全体的なレベルの高さに驚いたので多分今年もダメかなぁ・・・と半分はあきらめていた。
が、しかし、忘れもしない6月22日。合格通知が届いたのだ!
やったぜ!
ひさびさに感じるこの喜び!
いま思えば、昨年の落選は神様が与えてくれた試練だったのかも。(←おおげさ)
さて、今年は異常気象で全国的に猛暑の日々が続いた。
我が地方も8月はまったくと言っていいほど雨も降らず、ニュースでも水不足の危機を伝えていたほどだ。
そんな訳で、今年はジャズフェスの天気もまったく心配していなかったのだが・・・
しかし!
週間天気予報を見てみると、ジャズフェスが行われる週末の天気予報が雨になっているではないか?!
台風もやってくるし、秋雨前線は見事に我が地方にかかってるし・・・。
なんてこったい!
このイベントは雨天決行なのだ。
オレは怒り狂って、前日の土曜日にビニールシートや雨合羽を購入しに行った。
そして、予報どおり初日の夕方から雨が降り始めた。天気予報では我々の出番である翌日曜日も雨とのこと。
前日は、3時間おきに天気予報をチェックし、我々の出演する時間帯の予報が「曇り」に変わったことを確認し、
ようやく安心して就寝。(笑)
そして、翌日起きると、やはり雨・・・。奇跡は起きなかった。。。
「機材セッティングも苦労するし、お客さんもあまり来ないだろうなぁ・・・。」
モチベーションが大きく低下したが、「ジャズフェスに出演できるだけありがたいと思え、この野郎!」と自分を鼓舞し、
ビニールシートや雨合羽やら、着替え、タオル数枚を準備し、途中、ドラムス担当tkを車でピックアップして会場へ。
会場に行ってみると、既に最初のバンドが演奏を始めていた。
そして、そこでオレが目にしたものは・・・
おぉーーーーーーーー!
こんな悪天候にもかかわらず凄い数の観客がいるではないか?!
傘がいっぱいでステージがまったく見えないほどだ。
おのずと高まるモチベーション!
雨の中、レンタルしたドラムセットを苦労して組み立て終わると、焼きそばに生ビールという最強のお祭りセットを摂取し、
強引に自らのモチベーションをさらに高めるオレとKUBO−chan。
ドラムス担当tkはいつものように孤独に精神集中を図っている。
ライブ前の彼の姿を見てるとこちらまで緊張がうつってきそうで他のメンバーには不評である。(苦笑)
そうこうしているうちに独りカラオケでウォームアップしてきたボーカル担当mey嬢もやってきた。
そして、待つこと数時間、ようやく我々の出番が来たのだ。
セッティングが終了し、観客を見渡すと、こんな悪天候の中、友人・知人がたくさんきてくれている。
うれしいねぇ〜、まったく!
イベントスタッフのアナウンスが始まった。
「お待たせしました!次はLips!の皆さんです!」
ドラムのフィルインを合図に演奏スタート!
ドコドン、ジャーーーーーーーーーーーーーーーーン!
よ〜し!やるぞ!Lips!ライブの始まりだいっ!
恥を忍んで今回もYouTubeを公開します!映像をお楽しみください!
まず、1曲目はガツンとぶちかます!「MONSTER TREE」!
そして続けざまに、2曲目、「サンダーガール」!。
最初のほう若干緊張したらしく、細かいミスを誤魔化すベース担当KUBO−chan(笑)。
しかし、その後はいつものように安定した演奏。
↓
この日の天候にそぐわない格好をして能天気にギターを弾くオレ(笑)。
たとえ身体は濡れようとも宝物のギターは濡れないよう一生懸命。
↓
それまでもかなりの観客がいたが、演奏を続けるにつれてどんどん観客がどんどん集まってきた。
会場は傘でいっぱいで、後ろのほうまで見えません(笑)
ここでmey嬢のMC。
「こんな雨の中、観に来てくれてありがとう。私達だけテントの中でごめんなさい(笑)」
みたいなことを言ってたかな?
そして3曲目。「満天の星を探そうとも空は見ない」。
おや?!
演奏中、ふとmey嬢を見ると耳を塞いで歌ってるではないか?!
あとで聞いたら、どうやら自分の声がほとんど聴こえなかったらしい。
それもそうだろう。
このイベントはモニターがないうえに、この日はテントの外にスピーカーがあったのでテントの中からは聴こえにくい。
それに、我々のバンドは結構音がでかいうえに、mey嬢のすぐ後ろには爆音ドラマーがいたのだ(笑)
しかし、そんな悪条件の中でも音を外すことなく堂々と歌い上げたmey嬢は見事です!
そして4曲目、「LadyBug」。
この曲はライブでやるのは4回目になるが、前回あたりからようやくちゃんと出来るようになったかな?
そして、ここで一息。
相変わらず雨はやみそうもない。しかし、この頃にはもう雨は気にならなくなっていた。
そりゃそうだ、テントの中だもんね。(笑)
次は、昨年から何度か演奏し続け、ようやく自分達のモノになってきたと勝手に思っているスローナンバー、
椎名林檎の「ありあまる富」。
いつにも増して、いい感じです。
そして、mey嬢のボーカルは抜群だと思います。
ラストにやるテンポの速い曲に備え、余力を残しながら叩くドラム担当tk(笑)。
狭いテントからはみ出していたため、背中は雨でびしょ濡れ・・・。
↓
さて、こんな楽しいライブも残すところあと2曲。
6曲目、ノリノリな曲、「終電マスター」。
そして続けざまにラスト!みんなが知っていて楽しめる曲、そしてノリノリな曲、「今すぐKissMe」!。
今回のセットリストはオレが独断で決めた。
アップテンポな曲が多くて、メンバーにはやや不評であったが・・・(^^;
いつもはある程度オレが案を作って、ミーティングをやってセットリストを決めるのだが、今回はそうしなかった。
もちろん、ドラムス担当tkが転勤になったり、他のメンバーも忙しくてなかなか集まる機会がなかったせいもある。
しかし、実はこれはメンバーにも言ってないが、今回は密かに昨年の落選のリベンジライブだと考えていて、
昨年ジャズフェスでやろうと思っていた曲をやりたかったからなのだ。
その通り、今回演奏した7曲中、5曲は昨年のジャズフェスでやろうと思っていた曲だ。
その中でも最後の「今すぐKissMe」は、絶対にジャズフェスでやったらウケるだろうなぁ〜と思って、
昨年始めた曲だったのだ。
やっぱりこの曲やって良かったなぁ〜!
いやぁー、楽しいぜ、まったく!ジャズフェス最高!
とにかく、雨以外はトラブルもなく、最高の気分のまま最後の曲も演奏終了。
雨の中観ているお客さんも楽しんでいてくれたような気がする。
そして、見ず知らずの青年が「アンコール!アンコール」と叫んでくれた。(←仕込ではない。笑)
実は、今回に限り、我々はアンコール用の曲も準備していた(笑)。
昔から何度もやっている曲なので、最後のスタジオリハで一度合わせただけだけど。。。
そういう訳で、アンコールの波がもっと大きくなったらもう一曲、やっちゃおうかなぁ〜と思っていたのだが、
イベントスタッフが、「Lips!の皆さん、ありがとうございました」とMCを始めてしまったので
やむなく断念。。。(苦笑)
もちろんいつものように細かいミスは多々あったが、全体的にはかなり良い出来だったんじゃないかな?
このジャズフェスに初めて参加した年はドラムス抜きのアコースティックバージョンだったため、
本来のバンドスタイルでは今回が3回目の出場だったのだが、ようやく満足のいくライブが出来たと思う。
もちろん、もっと上手いバンドは沢山いるし、我々の演奏なんてまだまだ未熟なんだろうが・・・。
観に来てくれた友人・知人たちからもお世辞半分だろうが、「良かった」、「楽しかった」と言ってもらえた。
また、次のようなうれしい事実も聞かされた。
その1 若い外国人の青年数人が我々のライブで踊り狂っていた。(←知らないお客さん)
その2 我々のライブが始まると遠くの方から続々と人が集まりだした。(←たぶん知らないお客さん)
その3 サラリーマン風3人が、「あれ?もう終わりなの?!」と残念がっていた。(←もしかすると知人かも?)
その4 ライブ終了後、ボーカルmey嬢が見知らぬ少年(青年?)からお褒めの言葉をいただいた。(←知らないお客さん)
その5 7月にやった野外ライブをたまたま観てくれた見知らぬ人も来ていたらしい。(←mey嬢が発見)
うれしいねぇ〜!まったく!
昨年の落選にめげず、今年も応募して良かったとつくづく思った。
惜しむべきは、雨だけ・・。
しかし、人間ってものは贅沢な生き物で、最初は、「ジャズフェスに出演出来ればそれだけで良い」と思っていたのに、
いざ出演出来ることが決まると次は、「いい場所で演奏したい」という新たな欲が生まれ、その次には、
「天気の良いときにやりたい」と、どんどんと欲がエスカレートしていくんだもんね・・・。
初心を忘れるな、オレ!
イベント終了後、同じステージに出演した他バンド仲間と一緒にドラムセットを片付け、レンタル屋さんへ返却。
自分達の機材もマイ台車に積んで遠く離れた駐車場まで運び、車に積み込み、撤収完了。
この頃には雨も止んでいたが、辺りは既に暗くなりつつあった。
祭りの後は何か寂しい・・・。
それにしても、とにかく疲れた・・・。
ライブ自体が疲れたというよりは、出番までの長い待ち時間や、雨の中の機材準備が原因なんだろうなぁ〜。
特に機材が雨に濡れないようにすることにやたらと気疲れしたような気がする。
そんな疲れた身体にムチ打って、そのまま恒例の打ち上げへ。
打ち上げまでを含めてライブなのだ!
いつものように、酔いながら演奏ミスのカミングアウト&罵り合いをしつつも、
そのうち自画自賛大会が始まった。
「今回はかなり良かったんじゃない?」
「なんか俺たちの演奏が始まったら続々と観客が集まってきたよなぁ?!」
「観客300人くらい、いたんじゃねぇーか?」(←絶対いない。苦笑)
「もしかして、うちのバンドの隠れファンがいるとか?!」
自画自賛がどんどんとエスカレートしていく。
「あなたたち、頭おかしいんじゃない?」
と、ひとり冷静なボーカル担当mey嬢であった。。。(苦笑)
そんな楽しい時間を過ごしていたが、この日はあまりの疲労感から生ビール2杯と焼酎数杯で撃沈・・・(苦笑)。
二次会に行く気力もなくそのまま全員帰宅しました。
メンバーのみんな、ホントお疲れ様でした!
最後に・・・、
あんな悪天候の中、観に来てくれた多くの友人・知人達、初めて我々のライブを聴いてくれた皆さん、そして、
一緒に機材準備や撤収をしてくれた他バンドの皆さん、そしてこんな素晴らしいイベントを企画し続けている
ジャズフェス実行委員会の皆さん、そして、それを支えるボランティアスタッフの皆さん、本当にありがとございました。
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Written by ken(Guitar担当&サイト管理人)
photo by Lips!応援団