『人魚』
昔、年寄りの貧しい漁師が、海で人魚と会いました。
人魚は漁師に、あんたの長男坊と交換に毎日魚がたくさん獲れるようしてあげるよ、と言いましたが漁師には子供がありません。
そのことを人魚に言うと、麦粒を漁師に渡し、その麦粒をおかみさんに食べさせれば、子供が生まれるよと教えました。
そして、その子が3才になったら迎えにくるよ、と言って海の中に潜って行きました。
はたして、人魚の言う通りにすると、元気な男の子が3人生まれました。
それからというもの、毎日魚がたくさん獲れました。
人魚に会ったときから3年が経ち、子供は3才になりました。
その日も漁師は海で漁をしていました。そこへ人魚があらわれて、子供を迎えにきたよ、ここに連れてきたかい、と尋ねました。
漁師が忘れていたよ、と人魚に言うと、それではもう4年たったら、また来ると言って去りました。
そして4年後、人魚と会った漁師は、前と同じように忘れていた、と言いました。人魚は、また7年たったら来ると言って去りました。
そうして7年後、その子は14才になりました。
そして自分から旅に出ていってしまいました。
それから…(後略)
注:この話で人魚の出てくるのは、頭のこの部分だけでこの後には、この子の冒険の話が続きます。
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