『あざらし女房』


 この話は人魚ではなく、あざらしの皮を着て水の中を行来きするあざらし人間の話で、やはり、海から上って来て皮を脱いだときに、男にその皮を盗られてしまいます。
 娘はその皮がないと海には帰れないので、男に返してと頼みますが、返してはくれません。そのうち男は家へ帰って皮を隠してしまいました。
 娘もその後を追って、男の家へ行き、結局、結婚してしまいます。
 それから何年か立ち、二人の間に生まれた子供が隠してあった皮を見つけて母親(昔の娘)に見せます。
 そして、母親もとい娘はその皮を着て海へと帰っていってしまうのでした。

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