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違う… 違う……
違う、違う、違う、違う…!
そう思いつつも、これ以外にすべき術もない……
俺が打ち込む腰の動きは止まらない。 止めれば、そこで終わってしまうから……
しかし智香は、凍ってしまったかのような表情のまま、
小さく漏れるうめき声を発するだけだった。
「智香… なんで話してくれない……
感じてるんだろ…? 気持ちいいんだろ?
なあ、智香……」
しかし智香は答えない。
ダメだ。これじゃあイけない。
いくらお互いの体が高ぶっていても、これでは……
しかたなく、一度刺し込んだモノを抜き出した。
が、それでも智香と離れられずに悪あがきのように抱きしめる。
「なあ智香… お前は、こんなに、感じてるのに…
こんなに、イかせてるのに…
お前は、笑ってくれない… なんで、なんだ…?」
……愛し合って、ないからか……?
これでは……俺がただ単に、好き勝手に智香を犯したにすぎないからか……?
そんな事は、とっくにわかっていた。
しかしそれ以外に、どうすればいいというんだ?
……俺は、こうやって愛することしか……方法を、知らなかった……
「……俺は、どうすればいいんだよ……
智香、教えてくれよ…… なあ……」
夢を………… 見て、いた……
智香と 俺が 笑って……
智香は 俺を 愛していたし 俺は 智香を 愛していた
そうだった…… そう、思っていた……
だから…… 俺は……
まだ外は薄暗いが、朝が来たようだ…… 俺はまだ、智香の横にいた。
……智香の手足の戒めは解いておいたので、
朝になれば、俺は裸のまま外に放り出されてると思っていたのに……
……智香はもう目が覚めているようだった。
「うぅ… ひっ、ぐうぅ……」
智香…泣いて、るのか…
俺に背を向けて、体を震わせ、泣き続けている……
……嫌だ。俺は、そんな智香が見たくて、こんな事をしたわけではないのに……
俺は、智香に好かれたくて… 智香に、もっと笑って欲しくて……
「智香……ゴメ……」
そっと伸ばした俺の手が智香に打ち払われた。
しかしここで諦めるわけにはいかない。今度こそ……
ガッ
重い一撃が腹筋に響いた。
しかし、強引に抱きしめて、絶対に逃がさない。
しばらく暴れていた智香だったが、何発肘鉄を喰らわせても、
俺が頭を撫で続けるだけで、一向に襲ってこないのに気付くと、次第に、おとなしくなっていた。
「……智香 ……ホントに、ゴメン、な……」
「……。」
「……昨日のアレじゃあ、俺がただ単にレイプをしただけだもんな。
いくら体が悦んでても、気持ちがイヤじゃ、意味無いもんな……」
抱きしめている腕に痛みが走る。
智香の爪が俺の手の甲に突きたてられていた。
ちょうど血が出るか出ないか、ギリギリの痛みで……
「でもな、なんつーか…… 本当に、思うんだよ。
……あの頃の、様に…… お前と、普通に触れあっていたいって。
こんな風に、いがみ合って、ずっと暗い顔のままじゃ……
俺の、何がダメなんだ? 言ってくれれば直すから……
もう飽きられてて、とことん嫌われてるかもしれないけど、
俺、努力するから……
…………智香のこと、マジで、愛してるから…………」
「…………、
バカ…… バカ……
バカ、バカ、バカ、バカ、バカ……」
言われながら、振り向いた智香に、胸といわず顔といわず、とにかくポカポカ殴られる。
でも、手は離さずに抱き続けた。
なんか、前にもこんな事が、あった気がする……
「……どこか行きたい所があるんなら連れてってやる。
何か欲しい物があるんなら買ってやるよ。
だから、な……」
「……そんなんじゃ、無い、よ……」
いきなり、智香が一物を掴んできた。
少し痛かったが、やはり直接性器に刺激を受けるとどうしても反応してしまう。
おまけに昨夜は一発も抜いていないし……
だが握りつぶされそうな気もするので慎重に……
「……やっぱり、それか…… 智香がイヤなら絶対やめるよ。
直接愛せないのは、ちょっと残念だけど…… やっぱり……」
「…………べ、つに、ね、コレ自体が、イヤってわけじゃ、無い、けど…………」
またしても智香が泣き始めた。
智香は泣きつくように胸に顔を埋め、俺は智香の頭を撫で続ける。
「……だ、って、お兄ちゃん、乱暴にしないって、約束、したのに……」
……約束?
「や、さしく、してくれるって…… 言ったの、に……」
…………思い出した。
たしかあれは、智香の初潮の時……
確かリビングで嫌がる智香とした後…… 確かに、約束した……
「そうか…… それは、確かに俺が悪いな。」
「それ、に…
お兄ちゃんと、したら…… に、妊娠しちゃう……
それだけは、ぜっ、たいに、いけない…ことだから……」
「……。」
「だって…… 兄妹…で 好き、だからって、そんなの… 絶対に、いけない、だから……
な、のに… お兄ちゃん、わかって、くれない…から…
だから…お兄ちゃん…嫌い、に……」
次第に日が昇って、部屋の中に光が増えていく。
その光に照らされるように、妹の顔が輝いて見えた。
「でも、もうダメだよ……
きのう、あんなにされて… せっかく、収まりかけてた、気持ち……
お兄ちゃん…………やっぱり、好き…………」
「…………そうか。わかったよ。 それだけで充分だ。
……元の智香に、いや、笑ってくれる智香に戻ってくれるよな。」
「……わかんない、けど……」
やっと、智香が抱きしめ返してくれた……
そしてどちらからともなく唇を重ね合った。
「智香……」
「お兄、ちゃん……」
そのまま静かに抱き合って、気持ちを落ち着かせるように時を過ごしていたが、
ふいに智香の方から話しかけてきた。
「……ね、コレ、大丈夫?」
智香にまたしても握りしめられる。
お互いのお腹の間に挟まれているモノは……ちょっと爆発寸前だった。
「あ、イヤ、こんなの、放っておけば、どうにかなる。」
「……でも、したい、んでしょ……?」
「…………まあ、な。
でも、智香がイヤだって言うんなら、我慢できる……」
またしばらくそのまま黙っていたが、またしても智香の方から行動を仕掛けてきた。
「こ、こう、かな…」
掴まれている一物に力が込められていく。
しかし扱いに慣れていない智香の危なっかしい手付きで、走る痛みに声を上げさせられた。
「あ痛てて、オイ智香、何してるんだ?」
「……お兄ちゃんを、気持ちよくしてあげようって。」
「だからって爪を立てるな。」
「だって、お兄ちゃんはよく……」
「……俺のはコツを知ってるからいいんだよ。」
素早く智香の股の間に手を挿し込んで実演してみせる。
「あ、…」
「こうやって、指の腹で擦るんだよ。
それから、爪を立ててるんじゃなくて、爪の表面で擦ってるの。」
「う、は… やっぱり、お兄ちゃん…気持ちいい…
……お兄ちゃんのは、どうすれば気持ちいいの?」
「俺のは……ただ握って上下に擦ればいいんだよ。」
「……それだけ??」
「……まあ、それだけじゃあないけど……」
「…………。」
「……智香?」
智香の体が布団の中に潜り始める。
「ふぁう!」
一物に受けた絶妙な刺激に今度は妙な声を出してしまった。
「お、お兄ちゃん大丈夫? こっちの方がいいのかな……」
「智香、お前ひょっとして… うかぁ!」
めくり上げた布団の中では、思った通り智香が俺のモノに舌を這わせていた。
「……こうすれば、気持ちいいよね?」
「そ、そりゃそうだけどな……」
昨日まで殺気を孕んだ態度をされていた相手に、
今朝は丹念な愛撫をされているというギャップに、戸惑いを感じる……が、
「…………これなら私れも、お兄ちゃんを気持ひよく出来てるでひょ?」
舌を出しながらなので、少し呂律が怪しく聞こえる。
しかし技術は無くとも粘膜と粘膜の擦れる感覚、
なにより智香が、妹がしているという特別な感覚に……
「う… 気持ちいいよ、智香……」
「ん……」
……智香はいつの間にか、そんな事が出来る娘になっていたんだねぇ…… よく出来た妹だよ……
「……あ、ちょっと待った智香、出る……」
「…………。」
しかし智香は動きを止めようとはしない。
むしろ動きを積極的にして、ついにはモノの先端をくわえ込んでしまった。
「ん、く…………」
の、飲んでる、のか?
今まで口でさせることも飲ませることもさせていなかったのに……
ここまで献身的な智香に、お兄ちゃん涙出そうだよ……
「……、んはっ……
お兄ちゃんの精液…… 凄く苦い…… それになんか濃いよ……」
「智香……」
「なんか、口直しがいるなぁ………… えいっ!」
いきなり抱きついて唇を合わせてくる智香。
……って、その口の中にはさっきまで俺の精液が!! つーかまだちょっと味がするし!!
「……、ぬわっ! なにするんだ智香!」
「お兄ちゃんに自分の精液の味知って欲しくて。」
「そんなんせんでいい!」
「まあそう言わずに……」
なんか急に積極的になったなぁ…… やっぱり、俺の妹だからか?
「…………やっぱり、コッチで出したい?」
「え?」
智香が、自らの秘部を拡げながら、言う。
「ココに入れて、イッパイ動いて、中に出して、妊娠させたいんでしょ?
それが本能だもんね。しょうがないよ。
それに…… いまは、私も、したいの……」
こうまで言われては『据え膳食わぬは男の恥』ってヤツだが、
今の俺は一歩立ち止まることを知っている。
「……でも、智香は妊娠したくないんだろ?
だったら……やっぱりしない方がいい……
それに、コンドームとかも、無いし……」
「…………そこに、ゴム、あるから…………」
「えぇ?!」
いつの間に用意していたのだろうか。 智香が机の中から一目でそれとわかる袋を取りだす。
「学校でね、性教育ついでに渡されたの。
誰もそんなの使うようなのじゃ…無いのにね。」
特徴的なギザギザのある、ビニール製品の入った袋を目の前に置かれる。
今、コレがあることに感謝すべきなのか、それとも皮肉るべきなのかはわからない。
ただ、今この中に入っているのは、智香とセックスできる免罪符である、ということで……
「……私が、付けようか?」
と言ってる間に包みを取って、中身を取りだしていく。
「コレを使えば、精液が膣内に出されない…… だから、お兄ちゃんとセックスが出来る……」
智香は、何かブツブツ言いながらも、しっかり手は動いていて
いつの間にか避妊具は、ちゃんと装着がされていた。
「これで、いいの?」
「あ、ああ。
……智香、無理にしなくていいんだよ。 我慢すればいい事なんだし……」
「……さっき、言ったでしょ。 私も、もう…我慢とか、したくない……
毎晩、自分でしてたのは…やっぱり、お兄ちゃんが欲しかったから…
昨日もあんな事されたのに……
お兄ちゃんが、……好き、だから……
もう、これ以上…言わせないで……」
俺が何かを言う前に、智香に抱きしめられて押し倒された。
そして上に跨った智香は、無言で一物を握りしめて、自らの穴にあてがう。
「智…」
一気に、そして滑り込むように智香の体内に入れ込まれてしまった。
智香は、黙ったまま体を動かし始めている。
先ほど言われたように、智香はもう喋りたくはないようだった。
しかし、何も言わなくても、気持ちは、伝わってくる。
『お兄ちゃんが欲しい…』『お兄ちゃんが好き…』
『もっと、きもちよくなりたい… おにいちゃんと、いっしょ、に…』
「……、……ぁ。」
「智香、気持ちいいんなら、正直に喘いでもいいんだよ。」
「……お兄、ちゃんは、喘いで、ないよ……?
気持ち、いいん、でしょ?」
動きながらだからか、途切れて聞こえてくる声。
「……俺は、つーか男はあんまり喘がないモノなんだよ……」
「じゃあ、私も喘ぎたくないから、口塞いでる……」
触れ合っている唇から、智香の喘ぎの響きが直に伝わる。
激しく動かしている智香の動きに、お互いの喘ぎが口の中でぶつかって、響く。
「ち、智香、ちょっと抑えて…」
あまりに激しい動きに爆発しそうになる快感。智香の体を抱きしめるように抑える。
「……いいよイって。何度でも。 だって今日は、コンドーム付けてるんだもん。
何回イっても膣内に出されないから… だから、好きなだけ気持ちよく、なりたい……
一緒に、イこ……」
智香の締め付けが急に強くなり、うねる膣壁が
まるで離さないぞと言わんばかりに動き続けている。
「うお…! 智香、智香ぁ!!」
「お、にいちゃ、……!!」
「……もう、抜いて、いい、か……?」
「あ、うん……」
あれから……6回も抜かずに連発をさせられた。 い、いくらお互い溜まってたからって……
「ん、ちょっと待てよ…あれ?」
「? お兄ちゃん、どうしたの?」
ずるり、と抜かれた一物の先端に……ゴムが、付いていない。
「え? コレって……」
「……膣内で、外れたみたいだな。」
「ええ〜〜!!!」
やっとの事でゴムを取り出せたが、その中身は無惨にもほとんど流れ落ちていた。
「じゃ、じゃあ、精液……」
「……智香の膣内にあるな。」
再び智香に怒気が充填されていた。
「…………なによそれ! せっかくゴム付けたのに意味無いじゃない!!!」
「いやその、これはいわゆる、事故……」
「お兄ちゃんのバカーーー!!!!」
ドガグシャァ
智香の必殺ブロー、黄金の右ストレートが俺のアゴに直撃していた。
俺の精神は銀河の彼方に吹き飛び、
体はちょっと浮いたあとで後頭部を打ち付けるようにして床に落下していた。
「う、あ……」
ようやく精神が肉体に帰還したときには、智香はシャワーを浴びに風呂場にいて、
俺はこそこそと服を着て智香の帰りを待った。
「あ、あの〜〜……」
今まで以上に殺気の漂う智香。
何とも近づきがたいが、謝らないといけないだろう…(でないと今後が怖い……
「さっきの、アレはだな…
確かに、俺がイッパイ出しすぎたから外れたのかもしれないが、
そもそも智香が激しく動いたから故の事故であって……」
「…………。」
ふわりと智香に首を抱きすくめられた。 風呂上がりのいい匂いが鼻孔に広がる……
し、しかしコレは…… 抱きしめているというよりは……く、首相撲??
ガスッ 「ぶぐえっ」
強烈な膝蹴りが腹にぶち込まれていた。
「ちょ、待て智香!」 ガスッ 「わかった! わかったから!!」 ガスッ
「俺が悪かった… 本気で悪いと思ってるから…」 ガスッ 「ごめんなさい… ごめんなさ…」 ガスッ
最後にアゴにもう一発入れられて、ようやくダウンを許される。
ああ、また銀河の果てが見える……
「お兄ちゃん…… どこにでも連れてってくれるって言ってたよね……
…………お買い物と遊園地、よろしくね。」
ああ…… それぐらいで許されるのなら……
「それと…… 今日から、…………」
最後の方はよく聞こえなかったが、
俺は『もう何でも言うこと聞くから…』という感じで頷いていた。
「……お前、またやられたのか。」
タイミング良く通りすがったかのように親父が話しかけてきた。
床にへばり付いたまま復活できない俺を見下しまくっている。
「うるへー。 なんで息子のこんな所しか見てねーんだよ……
……そう言う親父も、母さんと仲良くしてるみたいだな。」
親父の目の周りにはしっかり殴られた痕があった。
「……まあ、そういうことだ。」
そして首筋にキスマークもある事から、それでもかなり仲良くしているようだな……
「お互い、苦労するねぇ……」
「……そうだな。あいつはきっと母さん似だろ。」
ハァ……('A`)
男の重いため息が、廊下に充満していっていた。
終わり