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SO SWEET CAKE 通




1/6 12:28

「お兄ちゃん、ただいま〜〜!!」

「ああおかえり」と返事しそうになったが、俺は驚愕の気持ちが勝って沈黙していた。
いまドアを開けて入ってきたのは間違いなく瑞季だ。 俺の(愛する)妹で、今は実家にいるはずの。

それも俺が今朝、帰省していた実家から、上京して借りているアパートに帰ってきて、
『さあどっこいしょ』と荷物を降ろして腰を落ち着けた瞬間…
という絶妙なタイミングで入ってきた…ということは

「……お前、同じ列車に乗って来たな!  朝出迎えに来なかったのはそういうことか!」
「えへへ〜〜……」
照れたように顔を伏せる瑞季。
だが俺の心情としては嬉しさ半分よりも気苦労の半分の方がず〜んと重い。


「えへへ〜〜、じゃないだろ! 学校はどうすんだ!」
「あたしの学校は私学だから休みは12日までだよ。」
「……父さんと母さんには。 連絡付けたのか?」
「まだだよ。」
「あっけらかんと言うなよ……」

前回、瑞季がこの家にいたのは、俺を正月に実家に帰すためだったが、
今回はどうやら休みがまだあるのをいいことに黙って出てきたらしい。
こっちで預かるにしても、すぐに帰すにしても、一度両親に連絡を付けないといけないわけだが……
前回は、つい瑞季に絆されて関係を持ってしまったわけで……
俺は暗〜〜〜い気持ちで受話器を掴んだ。


(前略)
「……あのさ〜〜、瑞季……」
『瑞季? あの子は友達と一緒に旅行に行くって。 でもあんたの所にいるんでしょ?』
母の名推理に口から何かが噴出した。

「は、いや、そうなん、だけど、さぁ……」
『あの子の怪しい雰囲気に気付かないのは、父さんとあんたぐらいなもんよ。』
背筋から冷や汗が雪崩のように出てくる。

「あ、あの……」
『や〜ね、今は愛の時代よ。あの子もあたしに似て意志が固いから、説得は無駄だと思いなさい。』
……あんたそれでも母親か。 兄妹の近親相姦に萌える前に止めようとか思わないのかと。



……結局、またしてもしばらくこちらで瑞季を預かる羽目になってしまった。
とりあえず二人して座り込んで一服する。

「お前な、いくら俺が好きだからって黙って出てくることないだろ。
 つーか実家で別れてから一日と経ってないぞ。」
「だって…まだお兄ちゃんと一緒に居たかったし。 お兄ちゃんにキズモノにされたし。」
瑞季が顔を赤らめながらうつむく。 実に痛いところを突かれてしまった。
事実なだけに公表されれば破滅しかねない。

「いや、その、それはだな…」
「それにお母さんだって… いやこれは関係ないか。」
「…え? なに? 母さんもなんかあるの?」
でもそれに関しては触れてはいけない秘密のようなので放っておいた。



「で、さ… お兄ちゃん…」
いきなり瑞季の怪しい目つきが俺を捕らえる。
「なんだよ、ハァハァ言いながら近づくでないよ。」
「さっそくだけど… あたし、お兄ちゃんの特製ケーキが、食べたいな。」
ああ、あれか… そういや実家から帰る前の夜に言ってたっけ。 って昨日の話しか。早いな。

「でも今クリーム無いぞ。 作ろうにも材料無いし。」
こんなこともあろうかと…は思ってなかったが、冷蔵庫の中身処分しといてよかった。
「ふっふっふ… あたしがそんな初歩的な事項の確認をしていなかったとでも思っているの?

 じゃじゃ〜〜ん!! はい、生クリーム〜〜〜(市販品)」
なんだか某青いのみたいに懐から容器を取りだした。 ……しょうがない、相手してやるか。
いまやこの関係の主導権はあきらかに瑞季にある。


「……んじゃあ瑞季、とりあえず服…」
「服を脱ぐのは、お兄ちゃんの方だよ!」
「は?」と言葉を発するよりも速く、瑞季が動いた。

「な、何ぃ!!?」
俺は瑞季にビニールテープで両手を拘束され、服を剥かれ始めていた。
瑞季の超人的な動作にインド人もびっくりだ。

「ふふ、今日はお兄ちゃんがケーキの土台だよ。 この前のお返しなんだから。」
そう言いながらチロリと俺の乳首を舐める瑞季。
体を這う手の方もズボンとパンツを脱がせて刺激をしている。



俺は(ズボンとパンツは脱がされたものの 拘束された両手から上着が脱げずに放置されている)
ほぼ全裸の状態で呆然としていた。
そして瑞季はそんな俺の素肌に次々とクリームを盛りつけていく。
「あのー、瑞季さーん?」
「ふぅ、ふぅ… お兄ちゃん、おいしそう…」
なんだかアブナイ台詞を言いながら、俺の乳首にピンと立ったクリームの角を見ている。
……いまは瑞季のするがままにさせるしかないか。

瑞季の手が下半身へと伸び、少し止まった。
「あ〜、お兄ちゃんあんまり大きくしてない〜」
…確かに土台にするにはちょっと不適格だろう。
「……悪かったな。小さくて。」
「あ、いやそうじゃなくて…… こうすれば大きくしてくれるよね?」



瑞季の手が恐る恐る近づいていく。
そういえばこうやって瑞季の方からさせるというのは初めてでは無かろうか。

「……舐めないでな、そのまま手で擦ってくれ。」
「え? よくわかんない… こ、こんな、感じ?」
瑞季の柔らかな指が、竿を揉むように刺激する。
クリームの冷たさが手にも移っていて、ひんやりとした温度が意外に心地いい。

「わ、わ… こんなに、なるんだ…」
瑞季の眼前には先ほどよりも大きく膨張した土台が現れていた。
そこへも白いクリームが包むように盛りつけられていく。


ところどころ白いクリームで飾り付けられている俺の裸体。 その素肌に鳥肌が立つ。

「さ、早く仕上げてくれよ。 寒い。」
「あ、ゴメン…
 お兄ちゃんがしたときも、寒かったな。」
「俺はその後しっかり暖かくしてやったけどな。」
「……頑張ります。」

「はい、できあがり。」
どうやら完成したらしい。職人の俺からすればまだまだ荒いが、まあお遊びなのでよろしかろう。
「で、どうだ? 瑞季が初めて作ったお兄ちゃんケーキは?」
「……なんか、マヌケ。」
確かに、男の裸に盛られた女体盛りほどみっともない物もあるまい。



「さあ召し上がれ。」←もはやヤケになっている。
「う、うん。 いただきます。」←もう後には引けない。

瑞季の舌が俺の乳首に盛られたクリームを掬う。
そしてそのままクリームが無くなるまで舐め続ける。

「どうだ? やっぱり『俺の味』がするか?」
「うん… なんか、お兄ちゃんのニオイが付いてて…美味しい。」
…俺からすれば男の臭いが付いた食品なんて食いたくはないが、
前に食べた瑞季ケーキは美味しく感じたなぁ…としみじみ思い出していた。



瑞季の唇が、ついにメインディッシュへと辿り着く。
散々微妙な刺激をされた部分はまさに怒張と化して瑞季を待ち受けていた。
「うわ…おいしそ…」
…瑞季もだいぶ興奮してきたらしく、熱い目を潤ませながら先端を銜え始めた。

「…噛みつくなよ。」
「らいじょぶだよ。 …でもちょっとらけ。」
瑞季の歯が、表面を扱くように、しかし傷が付かないぎりぎりの力加減で突きたてられる。
「お、おい…」
「こうやって… ハミガキみたいに…」
確かに気持ちいいんだが…やはり噛みつかれているような感触が怖い。 でも気持ちいい。


「ん、はぁ…もう、クリームないや…」
口の周りをクリームと唾液でベトベトにさせた瑞季が呟く。
「もうちょっと、欲しいなぁ… でも、それはココで食べる分…」
瑞季がスカートをたくし上げ、パンツを見せる。
すでにそこからは大量の液が薄い布に吸収しきれずに溢れていた。

「ん、ね… 今日はあたしが、する…」
ベチョッ と濡れきったパンツを投げ捨て、そのまま俺の上に乗りかかってくる。

「はぁ… 見える、見えるよ…あたしとお兄ちゃんが、一緒になってくトコ…」
ゆっくりと瑞季の中へと飲み込まれていく。
腰を下ろしきった瑞季が俺にしなだれかかって、お互いの体が密着する。



「はぅん… お兄ちゃん…」
瑞季は甘えるように俺の胸に頭を擦り寄せて、胸板にキスの嵐を降り注がせていた。
俺は、その瑞季の頭を撫でてやろうとして撫でてやれない事に気付いた。
瑞季にされた、俺の両手の戒めが非常にもどかしい。

「ん、ちゅ…」
瑞季の唇が俺の唇と合わさる。瑞季の唾液と一緒に、なんだか嗅ぎ慣れた臭いを感じる……
「う…」
「お兄ちゃん、どうかした?」
「……『俺の味』がした。」
「あは…おすそ分けだよ。」
くそう…次があったら今度はお前の小便臭さをおすそ分けしてやる。


「んぁあ、お兄ちゃん、好き… 好きぃ…」
愛の言葉を呟きながら瑞季の体が腰を基点にして上下し続ける。
しかし…いまいち思い切りが足らない。そのうえ途中で動きが止まってしまった。

「どうした? まだイってないぞ?」
「うう〜〜… なんか、疲れちゃって……」
「そうか… なら、攻守交代だな!」
「ふぇ? きゃあ!!」

俺は両手で瑞季の肩を掴んで、上下の体勢を入れ替えさせていた。



「ど、どうして!? 手は縛ってたはずなのに…」
組み敷かれた瑞季の顔が呆然となっている。 ついでに膣の締まりもちょっと強くなっていた。
「ふふふ… お兄ちゃんの腕力を見くびるなよ。」
実は偶然にも結び目が甘くなってて、もがいてたら解けただけなんだが。

「あ、あの〜〜… お兄ちゃん、もしかして怒ってる…?」
「いえいえ別に。 ただ散・々・焦らされた分をしっかり発散したいなぁ、と。」
「や、やっぱり怒ってる〜〜〜」

「第一にだな、料理人の腕を縛るとは何事だ。 万が一怪我でもしたら大事になるだろうが。」
と言いつつ瑞季の乳首を摘み上げる。 力加減はしているが、きっと相当痛いだろう。
「痛たたた! ご、ごめんなさい〜〜」



「それにな、お前こういう事の経験値少ないだろ?
 いくらバイブで練習してたからって、本物とは全然違うわけだし。
 いきなり騎乗居とかしてもさっきみたいに疲れちゃうだろ?」
「う、うん… こっちのが、気持ちいい…」
「そうじゃなくて。 ちゃんと人の話しを聞けよ。」

とか言いつつ俺の手は瑞季の胸を愛撫し続けていて、
瑞季の方は攻める方から攻められる方に移行されたショックが抜けきっていないせいか
返事も生返事、体もどことなく震えては口からため息のような快感の吐息を吐き出すばかりだった。



「くどくど… それにな、男の体よりも女の体の方が快感を感じやすくてだな、くどくど…」
くどくどと回りくどい説教をしつつも腰の動きは止めない。
ただでさえ快感で混乱している頭に小難しい話を聞かせる。
この責めについに瑞季が音を上げ始めた。

「そもそもイザナギとイザナミも兄妹でなぁ…くどくどくど」
「も、もうわかった、から…」
「ん?どうした? なにがわかったんだ?」
「…あたしが、全部悪かった… だから、もう…」
先ほどまでは嬉々として俺を攻め、立場が逆転したときには心底驚いていた瑞季の表情は、
今は泣き出しそうなものへと変わっていた。


しかし俺の目的は、瑞季を泣かせることでも責めることでもない。

「ん〜? 別に俺は瑞季が悪いとは言ってないぞ。」
「で、でも… お兄ちゃん、怒ってる…」
「だぁから、怒ってないって。」
怯えて汗の浮いた瑞季の額に、落ち着かせるようにキスをした。

「縛られたのはちょっと痛かったけど、
 まあ俺を気持ちよくしてくれようとしてたというのはわかったし。」
「……ホントに、怒ってない?」
「怒ってない怒ってない。」
「ホントに? あたしのこと…嫌いになってない?」
「……そんなことで嫌いになるわけないって。」
「…………」



「ふっふっふ、まだ信じてないな。俺は本当に瑞季のこと好きだし…いや愛してると言ってもいいな。
 でなきゃこうしてセックスなんてしてないし、
 そのうえこのまま生で中出ししちゃおう…だなんてなぁ。」
「……え? それって……」
その意味が理解できたのか、暗く沈んでいた瑞季の顔が明るく輝き始めた。

そう、いつもの俺達は極力避妊具を付けてセックスしていた。
(まあ今回はそれを用意する間もなく押し倒されたのだが)
そして俺の提案は、それを無くそう。本当のセックスをしよう、という深刻な意味なワケで…

「……今はまだ無理だと思うけど、いつかはずっと一緒いような。 俺、迎えにいくから。」
今度は瑞季のまわりに蝶の群れの如くハートマークが漂い始めた。
「お兄ちゃん…… うん、約束だよ。 きっと瑞季のこと、迎えに来てね。」
今度はそのハートマークが連なり、鎖となって俺を縛り付けている。
……こういう約束事を反古にしたら、きっと殺されるだけでは済まないだろう。



熱い抱擁と口づけを交わしながら、激しく抜き刺しを繰り返す。
今はそれだけで、心が通じ合えている気がした。

「はぁ、おにいちゃ、おにいちゃぁん…」
見ると瑞季の目から涙が溢れ出していた。
「…嬉しいのか?」
「うん… 嬉しすぎるよぉ…
 だいすきなおにいちゃんが、ずっといっしょにいてくれるって…
 そんなプロポーズみたいなこと言われたら… なんか、もう…」
人差し指で瑞季の涙を拭ってやる。
幸福感に包まれ、絶頂感を迎えようとしている瑞季。
もちろん俺の方も我慢の限界で、それでも最高の絶頂感を味わおうと腰を動かし続けている。



「瑞季、出すぞ… 約束通り、膣内にな…!」
「うん… おにいちゃんの熱いクリーム…あたしに、ちょうだい…」
「よし! 瑞季、瑞季、みずきぃ!!」
「あは…! おに、おにちゃ…!!」

脳が痺れるほどの快感が背筋を貫き、とろけてしまった体の中で、放出感だけが感じ取れる。

「く、は… おにいちゃんの、ぜんぶ… あたしのなか、にぃ…」

それこそ、全てが溶け落ちて、クリームみたいに……



…熱したチョコレートが冷えて固まるように、少し冷静になった頭でさっきの熱い思いを考えていた。
……俺は、瑞季を幸せにしてやれるんだろうか。
兄妹で、結婚もできないのに… 世間からも冷たく見られるのに…
子供だって満足に産まれてくれるかどうか…

でも

「ん… お兄ちゃん…」
こうして腕にすがりつく瑞季を見ていると、守りたい…という想いだけではなく
もう、誰にも渡したくない…という、強い独占欲が沸き上がってきていた。

数日すれば、二人はまた遠く離れてしまうというのに…




「…み・ず・き〜〜〜」
瑞季は布団の中で心地よい余韻を味わっているというのに、
俺は瑞季の丸く柔らかい尻にちょっかいを出し始めていた。

「やん、もう… なにしてんの…」
こっちを向いた瑞季の胸元から首筋にかけてを舐め上げ、うなじに鼻を埋める。

「なんかさ… 瑞季の味と匂いが俺の本能を揺さぶるんだよ。」
「…じゃああたしも。」



がぶっ 「あでっ!」
…首筋に噛みつかれた。そのまま首筋に何個か歯形を残される。

「なにすんだよ瑞季〜」
「えへへ〜… これでしばらく職場の話題独占だね。」
「まったく…」

…ケーキ屋といえば女の子のあこがれの場なんだろうが、意外に女の数は少ない。
これから同僚に受ける洗礼を思うと背筋が寒い。



「ね、お兄ちゃんも付けてよ。」
散々俺に噛みついたあとで瑞季が左手の薬指を立てた。
「?」
わからずに凝視していると、その薬指が俺の口の中に突っ込まれる。

「噛んで。」
よくわからないが、言う通りに歯形を付けてやる。
引き抜かれた薬指には、まるでリングのように歯形が残っていた。

「ほら、お兄ちゃんのも。」
俺の左手薬指にも、いつの間にか同じような瑞季による噛み痕があった。



「なんだこれ。 指輪の代わり、ってか?」
「うん…」
「なんかで流行ってるのか? こういうの。」
「別に。 今思いついただけ。」
その少しだけ赤黒い指輪を見て、なんだか呪いのようだな。と思ってしまった。

「それが薄れてきたらね、自分で噛んで、また付けるの。
 お兄ちゃんもちゃんとするんだよ。」
「フーン。 それで、また会うときまでに…てヤツか?」
「そういうこと。 なんか、いいでしょ。そういうの。」
…今度そういう呪術ではないのか、調べておこう。



まだ日も沈んでいないというのに、もはや何もする気が起きない。
こうして瑞季を抱きしめているだけで、心が満たされいく。
しかし…明日になれば、瑞季は離れてしまう。 だから、もっと触れていたい。

「お兄ちゃん、明日も仕事…早いんでしょ?」
「ああ、そうだな…」
「じゃあ早めにお風呂入って寝とかないといけないよね。」
「そうだな。」


「だったら… こんなことしてる時間無いんじゃない?」
「…それもそうだな。 とりあえず一緒に風呂に入るか。」

「……お兄ちゃんのクリームでもう全身ベタベタ。膣内からもこんなに…」
「……妊娠したかな?」
「わかんない…… もし妊娠してたら、お兄ちゃんは嬉しい?」
「そりゃあ嬉しいよ。」
「そ、か…」



……祝福されない二人にとって、明日の太陽の光はきっと眩しく、辛い。
しかし、そこに『愛』という気持ちが在れば、乗り越えていけるだろう。

「お兄ちゃん、また今度もケーキプレイしようね。」
「……太るぞ。(ボソッ)」
ズガンッ!

愛が在れば、全てが許される…というわけでもないようだが。

終わり