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               大潟村自然観察会
                           2010年3月7日



 大潟村では今、子供から大人までNHK放映中の「ダーウィンが来
た」を知らない人はいません。今年1月末、その番組で大潟村に生
息する
タカの仲間「チュウヒ」が全国に紹介されたからです。
 「チュウヒ」は、絶滅危惧種で全国でも40羽位しか確認されていな
いという貴重なタカ。その「チュウヒ」の営巣が大潟村で確認された、
のです。さらに今月中、ワシやタカを中心にして「大潟村の猛禽類」
の特集番組が放映されました。村の関係者は、「大潟村は今、大変
なことになっている」という言い方をします。豊かな自然と農業の共生
が象徴される大潟村の存在が、全国に紹介されたのです。
 今日は、「大潟の自然を愛する会」(堤朗会長)が主催する「大潟
村自然観察会」に参加、干拓地にやってくる渡り鳥を見てきました。
小、中学生はじめ30人が参加。干拓博物館で「日本雁を保護する
会」の呉地会長から、ガンにまつわる講演があり、その後、バスで
渡り鳥の群れを求めて広大な田んぼを回りました。
 最初に、おなじみの「タンチョウ」観察から。タンチョウは予想した草
原にいました。100bほどの距離から双眼鏡やフィールドスコープ
でのぞいたり、写真撮影をしたり。さらに村の南へ広い農道を移動。
田んぼには用水路や、大型バスでも通行できる広い農道があり、
マガンやシジュウカラガンの群れにも遭遇しました。渡り鳥にとって、
田んぼの落ち米は貴重な食料。中継地や越冬地として格好の場所
です。
 移動中、ヨシ原から飛び上がったハイイロチュウヒがバスと並行し
て飛ぶ姿を間近にみた子供たちから、「感動した」と歓声が上がりま
した。その後もオオワシ、ハクチョウ、オジロワシの姿も見ることが出
来、幸運にも私はその勇姿を撮影しました。
 2時間にわたる観察会で、東西南北に移動中、自分が今どこにい
るのかいるのかわからなくなるほど広大な村の景観に圧倒されました。
今後ますます「鳥の世界」に引き込まれる思いです。


                        主催者が用意したフィールドスコープや双眼鏡で野鳥を観察。
                                 尾羽が白いので見分けがつく。  右はマガンの群れ。




         大潟村のタンチョウ、その後


  滑走から飛び上がる瞬間。    ファインダーをかすめた”白いもの”はタンチョウだった。
  大きすぎた魚体、結局の見込めないうちに逃がしてしまった。  優雅なタンチョウのシルエット


 一昨年からここ大潟村に住み着いているタンチョウヅル。
一時は北海道に渡ったとも伝えられていましたが、その後の
消息については、当ホームページでも過去何度か紹介して
きました。この冬は暖冬だったとはいえ、厳しい寒さをものと
もせず、無事冬を乗り切ったタンチョウに2か月ぶりに会って
きました。
 その日は村の南端「南の池公園」で野鳥撮影をしていると、
ファインダーを何か白いものがスーッと横切ったように見えま
した。とっさにシャッターを切ったのが右上の写真です。タン
チョウがどこからか舞い戻った瞬間でした。
 数日前までは、この池も一面氷で覆われていました。ここ
数日の春のような温かさで岸辺の氷も溶けています。そのた
め餌が採り易くなり、長い首を水中に突っ込んでは小魚を採
って食べていました。時には池を出て、道を隔てた小高い公
園まで「散歩」をするなど、悠然と過ごしているようです。
 そんなタンチョウを一目見ようと、村内は勿論、近郊からも見
物客が入れ替わり立ち替わり訪れ、カメラや携帯に収めてい
きます。かくいう私も、この日は日没までタンチョウに付き合っ
てしまう始末。







           大潟村 第31回 芸術文化祭
                                      2010年2月21、22日



 大潟村の人口は約3,000人(約1,000戸)。ほとんどが大規
模農家です。長く厳しい冬を元気に乗り越えるために、書道や
絵などの文化活動、剣道やスキーなどの体育活動など、様々な
趣味の団体があり活動しています。1人で3つも4つも掛け持ち
で活動をしている方も珍しくありません。家に閉じこもりがちなこ
の季節、日頃の練習の成果を披露する恒例の「芸術文化祭」が、
ホテル「サンルーラル大潟」で開催されました。

 節目の30回だった昨年は、村民の手作りミュージカル
「干拓物語」が公演され、村でも大変話題になりました。
今年は従来通り、展示と公演部門に戻り、芸文協所属の団体と
サークルが参加。毎年のこととはいえ、その多彩な趣味や芸術
には驚かされます。
  例えば写真・絵画・書道・俳句・華道・切り絵・川柳・人形・
組みひも・七宝焼・陶器・俳画制作などの展示部門。楽器・
演奏・詩吟・女性合唱・着付け・大正琴・フラダンス・男性コー
ラス・文化筝・舞踊などの公演部門と、内容は大変バラエティ
ーに富んでいます。しかし活動の中心はやはりここでも高齢
の方々が多く見受けられ、「芸文祭」への参加と入場者数は
共に減少傾向にあるのではないかと危惧しています。
                                     
 村に移住した5年前、「芸文祭」の会場が´ホテル`と知りど
うなることかと不思議に思っていました。初めてその光景を目
にした時の印象は感動的でした。
 午前10時、ホテル正面玄関に展示用のパネルを積んだ軽トラ
が5、6台乗り付けます。会員たちがパネルをロビーに運び展示
会場を作り上げてゆきます。慣れているとはいえ手際が良く、入
植以来培った連帯と協力の力をまざまざと見せつけられる思い
でした。もっともこの手際の良さは「芸文祭」に限らず、色々な場
面で見ることになるのですが。干拓の村だからこそ持つ”人の底
力”なのかも知れません。
                                       
 私が所属する「写真クラブ」も、作品32点を展示。私自身も2
点展示しました。報道写真とは趣が違いますが、趣味としての写
真は、自然の美しさやスナップの面白さなどなかなか楽しいも
のです。参加することに意義あり、と思っています。
                                            ほとんどクラブや同好会が結成35年前後と聞きました。大潟村が出来て
から46年。結成は入植後10年ほど経ってから始められました。
生活の目途もつき、ゆとりが生まれ、文化活動に目が向き始めた
のでしょう。「入植当時はおじいさん、おばあさんが中心だったが、
今は自分がその年齢になった」と、時の流れを述懐する声も。
                                       
 会場では、民謡に合わせて手拍子が飛び出すなど、特に高齢
の方々にとっては待ちに待った「芸文祭」だと思わせるひとコマ
も。マンネリを避け、何とか若い世代の参加が増えるような「芸
文祭」であって欲しい、と切に願った一日でした。


     ホテルロビーにパネルを搬入、展示用の壁を作る。  出来上がった壁にそれぞれの団体が作品を展示してゆく
 女性コーラス、ほとんどが農家の主婦たち。  今年初めてお目見えした「大潟フラサークル」のフラダンス。外の寒さとは別世界



              梅の剪定講習会
                               2010年2月4日




 ”今年は暖冬らしい”,という長期予報にもかかわらず、
一面雪に覆われたかと思うとすっかり雪が融け、春かと
錯覚するように寒暖の差が激しい年です。それでも立春
も過ぎ、大潟村では春に備えて梅の木の剪定講習会が
行われました。
                                  
 大潟村の「梅林オーナーの会」(山口原右会長)が会
員を対象にこの時期行っています。元果樹試験場に務
めていた加藤作美氏を講師に剪定標準木で実技指導
をするものですが、この日は10人が参加しました。
                                  
 大潟村には環境整備のため道路沿いに梅の木が相
当数植樹されています。その後、希望者に樹木の管理
をする「オーナー制度」を設け会が発足しました。現在
会員は約40人、40区画あり、梅の木4本を管理、育成
しています。厳冬期の剪定に始まり防虫、殺虫、草刈な
どの管理作業が必要となります。

 私も一昨年この会に入会し4本の梅の木のオーナーと
なりました。このシステムはなかなか面白いと思います。
しかし初めての剪定作業は、どこにハサミを入れるか、ど
の枝を伸ばすのか、素人には皆目見当もつかず苦労をし
ましたが、会員の方々の手をお借りして、剪定をすること
ができました。年2回の受け持ち区域の草刈もきつい作
業でした。
                                   
 桜の開花に先立ち、村は色とりどりの梅の花が咲きそろ
い、春の訪れを告げます。昨年は不作が予測されていま
したが、私の小梅はよく実り収穫の喜びを味わいました。
これは梅干しとなって今、食卓の登っています。

                            
 俗に「桜切るバカ、梅切らぬバカ」と言われるように、梅
の剪定は花芽を伸ばし、古い枝を切り、幹となる枝を次年
度を想定しながら全体の樹勢を整える作業です。人の生
き方にも通ずる含蓄のある「教え」はとても面白いと思い
ました。


   まだ幼い梅の木の剪定。左の樹木が剪定の結果、右の写真のようになった。



                大潟村冬季ふるさと祭り
                                 2010年2月7日



 この冬一番の寒さに見舞われた日本各地。大潟村で
も地吹雪が吹荒れ、家に閉じ篭もるような数日でした。

幸い吹雪きが弱まった2月7日、恒例の「第31回冬季ふ
るさと祭り」が村内の多目的広場で行われました。
                                 
 寒さを吹き飛ばすように、子供たちの歓声や綱引き
の掛け声が寒空に響いていました。厳しい冬を乗り切
るための「知恵」でしょうか。大勢の村民が集まり、大
人からも子供まで、冬を楽しむ姿が見られました。
                                 
 この「祭り」は、大潟村教育委員会が主催。婦人会、
農協青年部、老人クラブや各種団体などが実行委員
会をつくり企画。会場の多目的広場には屋台が並び、
祭り気分を盛り上げていました。


 屋台ではウドン、甘酒、野菜スープ、豚汁、焼餅など体
が温まるメニュウが無料でふるまわれ、湯気がたつ温かい
丼は冷えた体にはピッタリ。会場の一角ではポニー

馬体験、凧揚げ、雪中宝探しなどのイベントも行われ、大
勢の子供たちが参加、元気いっぱいに飛び回っていました。
また餅つき体験では、子供用の小さな臼が用意され、子供
たちは見よう見まねで小さな杵を振り上げ、初めての餅つ
きに挑戦。
                                    
 私が所属する「歩くスキーの会」では、大人から子供用
のスキー・ストックと靴を10組ほど用意、希望者に体験し
てもらいました。希望者が多く、順番待ちが出るほどの人
気で感激しました。
                                    
 最後に住区(町内会)対抗では、子供の部と大人の部に
分かれ綱引き。寒さに負けない半日を楽しみました。


  ポニーの乗馬体験には長い列。 ツルツル滑る雪の上で綱引き、面白そう。
  例年ならテントを張るのに今年は強風のため中止、豚汁、野菜スープなどが無料で。   餅つき体験